マルチアンサー(複数回答)方式のアンケート結果を「モダンExcel」で集計する
質問内容
拙著「モダンExcel入門」(日経BP)の読者「YYさん」から、ご質問をいただきました。
ここで「マルチアンサー」とは、「複数回答によるアンケート」のことを指し、YYさんはこの結果を集計したい、ということです。
具体的に、何を、どうしたいのか?
メールの質問内容を、YYさんにPDFで図示していただいたものが下図です。
まず、「回答者属性」「Q1アンケート行きたいエリア」「Q2アンケート乗り物」という、質問と回答を集計した「データ」があります。
これを集計したい、ということです。
具体的には、下図のようなことを想定しているとのことです。
・「性別」ごとに、「行き先」を集計したい。
ポイントは、マルチアンサー。
複数回答ですので、「4人」が解答しても「4件」ということではない可能性があります。
但し、総計は「4人」としたい、こうした集計をしたいというのです。
・同様に、マルチアンサー形式で、「乗り物」ごとの「性別」で集計したい。
ここまでは、YYさんご自身で出来たとのこと。
でも、「この先ができない!」
これが、YYさんからのご質問の趣旨です。
これらYYさんのご質問に対し、当方の回答結果がこちら。
YYさんのご希望通りに、ピボットテーブルで集計することができました!
なお、16行目から23行目まで空白行がありますが、これは後ほどのお楽しみです!
何ができないのか?
YYさんのお困りごとは、「Q1アンケート行きたいエリア」と「Q2アンケート乗り物」を下図のように「縦横にクロス集計したい!」ということです。
要するに、ピボットテーブルで集計するイメージですね。
YYさんが試したこと(失敗事例)
YYさんは、下図のような「リレーションシップ」を作成し、「ピボットテーブルで集計したけど、うまくいかなかった」ということです。
この図は、Accessでしょうか?
いずれにしましても、この状態では「モダンExcel」はできません、そう申し伝えました。
YYさんはメールの中で、次のように主張されています。
残念ながら、上図は「スタースキーマ」ではありません。
「スタースキーマ」というのは、「ファクト」となるデータの周りに、データの切り口となる「ディメンション」を配置した、下図のような「星形の表」を言います。
この図は、拙著「モダンExcel入門」(日経BP)122ページに掲載されています。
YYさんの図は、そもそも「回答者属性」「Q1アンケート行きたいエリア」「Q2アンケート乗り物」という具合に「ファクト」が3つに分かれてしまっていて、正しい「スタースキーマ」になっていません。
だから、「モダンExcel」はできません。
本件のような「マルチアンサー」のアンケートを集計する際の重要なポイントは、たった「2つ」だけです(こまごまとしたポイントは、他にもありますが)。
なお、本件の解答は「Microsoft365」で行っています。
このため、古いバージョンのExcel、たとえばExcel2016などとは画面構成が異なりますが、作業自体は同様に行えるはずです。
「サンプル」データファイルもつけておきました。
note側でウィルチェックもしていますので、安心してお使いいただけます。
なお、こんな感じの画面が出てきましたら「編集を有効にする」をクリックしてください。
また、こんな感じの画面が出て来ましたら「コンテンツの有効化」をクリックしてください。
これで当該ファイルを使うことができるようになります。
ご参考まで。
どのように回答集計すべきか?
常に「スタースキーマ」を意識することは、データベースを扱う際のポイントです。
ですので、YYさんの「スタースキーマ」にするという姿勢は、称賛に値します!
問題は、YYさんの解答が「スタースキーマ」になっていないという点です。
まず、「スタースキーマ」の前提として「データベース」形式にすることが重要です。
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