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エッセイを書いて稼ぎたい14〜若林正恭さんの紀行文から学んだこと〜
エッセイさんには謝ったし、
これからは真摯にいろんな方のたくさんのエッセイを読んで勉強しよう!
と思いたち、久しぶりにさくらももこさんの「そういうふうにできている」を読もうと本をしまってあるケースに探しに行くが、ない。
実家に置いてきてしまったのか…?
そこで以前母が貸してくれていたまま積読(つんどく)していた、若林正恭さんの「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を発見し読んでみることにした。
すごく売れていることは当時から知っていたが、なんとなく
「有名人が書いたもの」=本業以外で儲けようとしている
みたいな偏見があって読む気がしなかった。
余談だけど、日本っていわゆる「そういう空気」がある気がする。
アイドルが演技をしたり、ミュージシャンがコントをしたりすると少し下に見ちゃうというか(いい言葉が見つからない)、別枠に考えちゃう。
海外では普通にアーティストが堂々と演技しているのにね。
でもよくよく考えてみれば、アイドルもミュージシャンもその人の一面であって一芸に長けていれば他にも得意なことがあるはずで…
ようするに私はその人を一面的にしか見ていないんだなぁと。
こないだの映画ファーストキスだって松村北斗さんを俳優だと思い込んでいたし。
アイドルだったと知ってビックリした。
この上、歌もダンスもできるんだ、人ってすごいなと思った。
余談が長くなった。
この本を読んだ後、
何でこんな私にピッタリな本を積読していたんだ、バカモノ!
と両手で肩を掴んで揺さぶりたくなった。
今、私が欲していた言葉がたくさん書かれていた。
特に文庫版用に書き下ろして書いた「コロナ後の東京」の中の一文
俺は、ずっと自分の内面ばかりを覗き込んで他人を見てこなかった。そういう人間は世間に「自意識過剰」「考えすぎ」と嘲笑されるけど、それは内面を覗き込む必要のない強い人の無理解だ。内面ばかりを覗き込む必要がある人は「なぜもっとスムーズに生きられないのだろう?」という想いを抱えている。だから、自分の内面を隈なく覗き込んで一体どこに問題があるのかずっと探している。
"自意識過剰でプライドが高く、協調性もない。少数派なくせに1人で立つ勇気を持たず、出る杭のくせに打たれ弱くて、口が悪いのにナイーブで、それなのに多数派に賛同できない"
もうブッ刺さりまくって大いに泣いた。
他にも金言が散らばっていて、そんな人のこの世の渡り方も書いてあって
マジで早く読んでおけば良かった〜
な本だった。
こういう旅物は紀行文というらしい。
この本は、キューバ、モンゴル、アイスランドを若林さんが一人旅したことが書かれている。
マネージャーも付いておらず本当に一人旅。
紀行文だから風景、イベント、現地で会った人などたくさんの描写がある。
テレビでなんとなく知っている彼が言いそう!という文章だった。
旅に出た理由はざっくりいうと、
「自分の生きづらさは日本の社会のシステムのせいなのではないか」
ということだった。
だから資本主義と反対の社会主義の国に行った。
結果、若林さんが期待したような答えは得られなかったけど良い気づきは持って帰ってこられた。
旅をしていても心の中は自分や彼のお父さんとの対話だった。
この本を通して学んだことは、
・旅はいいものだ
・風景描写大事だな
・その人のキャラクターって文章にでるんだな
・やっぱり気持ちが入っている文章はアツいな
だった。
血の通った関係や、勝ち負けが届かない次元にある仕事や趣味
「そのままの若林さん」で手に入れたもの、私も欲しいです。
なんか生きづらいな〜と日頃思っている方に激推しです。