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私をコントロールしないで!【第七章】関係を解消する決意をゆるがすもの

 関係にとどまることを選んだ人が、険しい道を進むことと同じように、また関係を解消すると決めた人にも、それがとても難しいことであると著者は、いいます。やっぱり難しいと諦め、結局そのままの状態にとどまることを選ぶ人も大勢いるのが現状なのだと。

■難しい壁として立ちはだかるものとは

① 肯定的な側面の尊さ
否定的に考えていた側面があるから、関係を解消すると決意したのですが、その決意の途端に、肯定的な側面も見えてくる、そして急にそれらがとても大事に見えてくることがあるのです。
 例えば、子どもたち、経済的な保証、物質的な充足、親族や友人たち、自分のために築いてきた自由、パートナーと共有してきた楽しい思い出、コントロール関係にあったとしても必ず肯定的な側面があるのです。

② 孤独への不安
 最も不安に駆られるのは、これから独りぼっちになってしまうこと、たった一人で年齢を重ねていかねばならない不安。

UnsplashのVerne Hoが撮影

③ 外部からの反対パートナーや子ども、親戚、友達などからの反対
 パートナーが分かれることを想定していなかった場合は強く抵抗するでしょう。子供たちは、離婚を想像した場合、親が一人の人間となることへの抵抗感を抱く場合もあります。母親が、一人の女性に。父親が一人の男性に。立場が変わることで、親に新たなパートナーができることを受け入れられないと考えることもあるからです。
 親戚の中には、身内から離婚者を出すことに否定的に捉えている人もいるでしょう。また、友人の価値観によって、同じように離婚=悪と、思う人もいます。離婚を否定的に捉えていない友人が、あなたのことを真剣に思っていたとして、その決断に慎重になった方がいいと止めることもあるでしょう。それは、「あなたが挫折するかもしれない」と心配からです。
 親戚や友人関係は、どちらかの味方につきます。夫の身内は夫側へ、妻の身内は妻側へ、友人も同じです。最初どちらの友人だったか。悪意はなく、味方が分かれるのです。数で負けるかもしれません。また友情が離れていってしまう場合も考られます。

UnsplashのCHUTTERSNAPが撮影し

 このような壁がありながら、再出発の恐怖は、自分がこうなるのだろうという想像によって作り出される個人の問題ではあるのです。でも、そう頭でわかっていても、この恐怖や反対を乗り越えるのは大変なことだと感じますね。

 それでも、内からの気づきがあった。何かが間違ってる、自分にはこれ以上のものを求める権利がある。この満たされない気持ちは自分で変えていけるはず、自由を望むなら、自己不信と闘い、恐怖に立ち向かっていく必要がある。何を正常と考えるかの価値観を改めて生き方を変えていく力は、誰にも必ず備わっているのです。


■パートナーはどう反対してくるか

①支配がより激しさを増す
 一緒にいるという約束に迫り、涙を流して愛情を訴え、自分を責めて見せる回数も多くなるかもしれません。あなたを弱気にさせ、決心をかえさせるためあらゆる手段に訴えてくるでしょう。

でも、このサイクルに参加することなく、断ち切ることを続けてください。今までと違い、主張をしていくのです。

②強制という方法
 あなたの決心を変えるように、脅迫や、スパイまがいな行動にでたり、暴力に訴えることもあるかもしれません。あなただけでなく、あなたの身内や友人に、脅迫などもする可能性もあります。過激な振る舞いをしてきたパートナーでない限り、そのような事態に至ることはめったにありません。ですが、その事態が予測される場合には準備が必要です。
 危険を察知したなら、しかるべきところへ連絡を取ってください。予想しておき、連絡先を調べておきましょう。警察に通報する、もしくは気持ちの整理ができるまで、家庭内暴力の被害者救済の保護施設に匿ってもらうことも考えましょう。事前に調べ、準備しておくことが必要です。

UnsplashのGabrielle Hendersonが撮影

■パートナーの反対が終わるとき

この状況から抜け出せたとわかるときのパターンがあります。

①そもそも、自分にふさわしい相手ではなかったという態度を示す
これは、支配されていた側にとって歓迎すべき態度です。パートナーが、面子をつぶされずに、これから先を切り抜けていく方法を見出したということになります。敗者としてみじめな思いせず、あなたを見下すようになればなるほど、戦いが終わったことが証明されます。

②パートナーの劇的な変化
宗教に熱中したり、独身に戻ることに積極的になったりします。でもこの変化も、あなたに対する裏のメッセージかもしれないので安心しないでください。「神を信じられるようになるくらい変わったのだから、俺は変われるだろう?」「俺はついに独身になることに本気になったぞ!よく考えた方がいいぞ!俺に他の人ができたらもう後悔しても遅いぞ!」というメッセージかもしれません。


■子どもの問題

 子どもたちには、長い目で見て、夫婦の正常な関係を理解してもらうことが大事です。子どもが幼いころは尚更、自分の決断に罪悪感をもつことがあるでしょう。両親が二人そろっている状態こそ、健全だと考えられているからですね。ですが、正常じゃなく、犠牲者として耐え続けている自分の姿を通じてこどもたちにそうして耐えていくことを教えたいでしょうか?それとも間違いに気づいたときにそれを正す勇気を学んでほしいと思いますか?そう、後者ですね。
 別れを望んでいる自分に対し、パートナーが子どもを味方に引き入れる態度にでる場合があります。今の家庭の形を変えようとしているあなたにとって、子どもたちは、あなたを悪い人であり、捨てられると感じることでしょう。
 その時に子どもへ伝えるべきことがあります。

①あなたを愛する気持ちは今までもこれからも全くかわらないこと
②離婚は家庭崩壊ではなく、むしろ、より健全な形に再構築しようとするものであること

家族の絆が断たれることはなく、子どもたちには父も母もいる、それぞれの関係はつづいてくのですから。
 子どもを操ろうとすることを考える人は、後、いつかは自分の首を絞めることを知っておかねばなりません。子どもは成長します。やがて、論理的に考えられる力が身についていくと、自分がどう扱われたかに気が付くのです。その時、心から怒りを覚えるでしょう。
 子どもを味方につける操作が行われたとしても、耐えなければなりません。大きな視点で物事をと耐える姿勢を保ち続けることが必要です。

UnsplashのZachary Kadolph

色々な壁が立ちはだかるけれど、それでも自由になると決めたのです。
そのための準備を整えていきましょう。

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