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育休ワーママ、大学院入試を受ける/③受験に向けて準備したこと

家庭・育児と勉強の両立に不安が大きく、悩みに悩んだ9月、10月。
決意が固まったころには11月になろうとしていました。
今回は決意の後、取り組んだ受験勉強について書きます。

↓前回はこちら↓


LDCの入試と準備の全体像

LDCの入試は大きく3つから成ります。

  1. 出願書類提出(プロジェクト計画書・TOEIC等の英語スコア含む)

  2. 筆記試験

  3. 口頭試問

書類の出願は1月上旬、筆記試験と口頭試問は2月中旬だったので、10月末に決心を固めた私にとって準備期間は3~4か月でした。そのため、どの時期に何を取り組むかをざっくり頭に浮かべながら準備に取り掛かりました。

各フェーズで取り組んだこと

TOEIC対策:10月中下旬~12月

決意が固まるまでに時間がかかったため、TOEICは出願ぎりぎりの12月受験でした。(滑り込み…!)

社会人になってからは英語とは無縁の生活をしていた私…。TOEICを受けるなんて大学生以来…!英語には自信がありませんでしたが、「これまで英語のスコアで不合格になった人はいない」らしい、という噂を聞き、(説明会でそんな話があったらしい)あまりパワーを割かずにミニマムの努力で行けるところまで頑張ろう!戦略でした。

以前から気になっていたスタディサプリAmazonで高レビューだった本を中心に取り掛かります。途中、公式問題集を解いてみた際に自分の想定よりも良い得点を出せたので、そこからは現状維持路線に変更。「授乳や寝かしつけ、家事の時間を中心に1日30分やれればOK!」と割り切って取り組みました。

参考図書の読み込み:10月~11月/1月中旬~2月中旬

LDCでは毎年、入試に向けての参考図書が発表されます。

筆記試験の問題もこれらの領域から出るということで対策が必要です。
しかし、思った以上に1冊ごとのボリュームがあり、数も多い…(英語の本もある…白目)すべてを読むことは早々に諦め、まずは領域ごとに1冊は抑えようと優先順位付けをして取り組みました。

本/K は書籍 or Kindleの略。
Amazonやメルカリ、Kindle等、複数の購入経路を使っていると、
途中からどの本まで入手済みなのかがわからなくなり、混乱しました笑

しかし、読書は思ったペースで進められず、苦戦しました。子供が寝ている時間を中心に読み進めていたのですが、どうしても細切れの時間で少しずつ読むため、全体感を捉えづらかったり、前後のつながりがわからなくなったりで、行ったり来たりを繰り返すため1冊を読むのにすごく時間がかかりました。

また、1冊読むごとに前に読んだ本の記憶が消える現象にも悩みました。(いや、1章読み終わると前の章は覚えてられない…)そのため、余裕のある時は、ipadで重要な部分をまとめたり、エクセルで用語集を作りながら読み進めました。

すごく丁寧にメモを取った時(笑)

途中からはこれでは間に合わない!と思い、寝かしつけや家事をしながらのKindle読み上げ機能もよく使いました。
(余談ですが、今回の受験勉強を通してKindle派になりました。読書するだけなら紙の本が扱いやすい&メルカリなどで安く手に入るので好きですが、読み上げ機能を使い始めてからはKindleの方がお得に感じます。)

また、受験直前の時期は1冊丸ごと読む余裕もなくなり、1日1問(後述)のアウトプットをもとに自分がキャッチアップできてないテーマや領域を中心に拾い読み・斜め読みをするような感じでした。

プロジェクト計画書:12月~1月中旬

LDCで入学後に取り組むプロジェクト(これが修論替わりになる)の計画書も出願時に提出が必要です。年明けの出願に向けて用意をするべく、12月に入ってからは参考図書の読書を一旦お休みし、プロジェクト計画書の作成に舵を切りました。

LDCの募集要項よりプロジェクト計画書の概要。
クライアントとその課題設定、解決に向けた施策案などを
計画書段階で考えます。

最初は興味のあるテーマをいくつかピックアップしながら、自分の周囲でクライアントをお願いできそうな組織を思い浮かべてテーマを絞っていきました。ただ、自分の関心テーマが専門用語で何というのかわからず、しょっぱなから先行文献の検索で躓きます。そんな時に活躍したのがChatGPT。「○○なことを専門用語で何という?」という検索をかけて、何とかそれっぽい言葉に行き着くことができました。

先行文献にあたれるようになると、引用文献一覧からほかの文献も探せるようになり、検討のスピードが少しだけあがりました。ただ、次にぶちあたったのが「問いを絞る」という壁。
7割版の計画書を他の方にレビューをしていただいた時に「すべての問いを検証するのは難しい。このプロジェクトでどこまで検証するつもりなのか、絞った方がよい」とアドバイスをいただきます。LDCの中原先生が書かれた記事にも「絞れていない計画書は残念」と書かれている…これは絞らないとまずそうだ…と思う一方で、やりたいことを詰め込んだ計画書から問いを絞っていく作業は、壮大な問いからすごく狭くて小さい問いにグレードダウンしていくような感覚があり、とても悩みましたし、勇気が必要でした。

結局、この問いを絞る作業に後半ほとんどの時間を費やしました。「私がこのテーマに関心があるのはなぜなのか(=問題意識)」「クライアントにとっての課題は何か。なぜそれが課題なのか」と自問自答を繰り返しました。

また、思考をロジックツリーに落とすことも問いを絞るのに役立ちました。ロジックツリーで思考をシンプルにすることで、自分の中で出来上がってしまった思考の枠組みから少し距離をとって、俯瞰してみることができたのです。(一度自分の中でストーリーが出来上がると、それに引っ張られてしまい、一からフラットに構想することがすごく難しかったです)

そんなこんなで大苦戦したプロジェクト計画書。最後はえいやっで提出しました。思えば、何も土台がない状態で0から企画を作る経験は本当に久しぶりで、アウトプットの練習が必要性を思い知らされた過程でした。

勉強会とアウトプット練習:1月末~2月中旬

話は少しさかのぼり、11月中旬。受験勉強を通じて素敵な出会いがありました。ひょんなことから、同じLDCを目指している育休中のワーママ受験生をSNS上で見つけ(共通点がたくさん…!)、勇気を出して声をかけ、お友達になることができました。(やったー!)最初はオンライン通話やメッセージで情報交換をしながら、プロジェクト計画書の時期にはお互いに弱音をこぼし、励まし合いました。(計画書のレビューには大学教員をされている彼女のお姉さまにもご協力いただけました。本当に感謝…!)孤独になりがちな勉強期間に一緒に頑張る存在がいたことは本当にありがたかったです。

プロジェクト計画書の提出を終え、「試験に向けて頑張ろう!」と彼女とオンラインで決起会をしていた時、「試験勉強を一緒にしてみない?」と提案します。そこから、彼女のnote読者にはほかにもLDC受験生がいるらしい、他にも勉強会仲間を募ろう、と話が広がり、その2時間後には彼女が勉強会仲間募集の記事を投稿してくれました。(すごいスピード&行動力!!)

↓詳しくはこちら↓

この投稿をきっかけに2名の仲間が加わり、計4人で勉強をすることになりました。

最初は過去問を中心に、同じ問題を解いて、回答を見せ合ったり、疑問点を会話していました。この試験問題が大敵で、1時間に約4000字近くの文章を書く必要があります。試験当日が時間との戦いになることは明らかでした。しかし、1問あたり10~12分で書き上げなければいけないのに、実際に解いてみると30分は簡単に過ぎてしまう…

短い時間でポイントを押さえた文章を書くためにアウトプットの練習を増やさなければ、、という共通の悩みから「1日1問」の取り組みが勉強会で始まりました。1日1問、順番に想定問題を出し合い、アウトプットの練習をします。また、週に2回くらいのペースでオンラインで集まり、1日1問で難しい点やテーマについて悩みを共有し、アドバイスを送り合いました。

試験まで16日間続けた「1日1問」。
短時間で文章を書きあげる練習になり、
かつ仲間の回答からの学びが大きかったです。

この1日1問の取り組みが本当に良くて、学びの密度と速度が加速度的に上がっていく実感がありました。当初の目的だった、短い時間でアウトプットを作ることの練習になりましたし、仲間の回答から文章構成や、盛り込む観点等、多くを学ぶことができました。また、出題を考えることはそれだけで各領域の復習になりましたし、出題者側の先生の視点を体験することもできました。さらに、自分の苦手な領域や課題が明確になり学習の優先順位をつけることにも役立つなど、良いこと盛りだくさんでした。

そのため、2月に入ってから試験までの半月はこの1日1問を軸に、アウトプットの練習を行い、そこから見えた自分の苦手な領域のインプットと用語まとめを中心に進めました。

試験に向けて緊張が高まる中、仲間と悩みを共有しあって最後まで頑張れたのは何より心強い経験でした。
お互いの健闘を祈りつつ、試験当日を迎えます…

続きます。