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「ふまねっと」が作る仲間と感謝

話し手:樋口郁子さん

ふまねっとに関わるきっかけ 私が初めにふまねっとの職員になったのは7年前で釧路でした。私はそのころ秋田から北海道に引っ越してきて、仕事を探していてハローワークの求人を見て応募しました。だからその時は、「ふまねっとって何?」というようにふまねっとを全然知りませんでした(笑)。
 正直何をやっているところなのか全くわかりませんでしたが、「まず話を聞きに行ってみよう」と思って面接を受けに行きました。そこで初めてふまねっとの話を聞いて知りました。
 面接のときに、北澤先生が釧路で新しい事業を始めようとされていて、そのための職員募集でした。毎日ふまねっと教室を行う「ふまねっとハウス」という事業で、「ふまねっとハウス」の場所や準備が整うまでは、毎日大学の研究室に通い、そこで勉強して新しい事業をスタートさせました。最初は準備期間で、釧路のサポーターさんたちの教室に見学に行って、研修のように覚えていきました。

ふまねっとの第一印象
 第一印象は、地域のボランティアさんたちと毎日接していたので、高齢者の皆さんがすごく元気で生き生きと活動されていることにとても驚きました。みなさん大体私の親と同世代の人たちが、ボランティア活動しているわけなので、自分の親からは想像できないような元気さで、本当に地域の皆さんのために健康づくりに一生懸命活動しているというのがすごくびっくりしました。

現在に至るまで
 何もわからないところからのスタートだったのですが、だんだんと釧路以外の主に道東の地域にも出張に行かせていただき、より様々な地域のボランティアさんと会って話をするようになりました。担当している道東に直接車で行ったり、東日本大震災の時は被災地支援として岩手県の被害の大きかったところを訪れたりと、ふまねっとを通じて道外の地域にも実際に訪問させていただきました。

自分の心身の変化
 そうですね、今までボランティア活動をしたことが無かったのですが、何かボランティア活動をしてみるとか、今までしたことのなかったことをしてみるというのはありましたね。あとは、主に高齢者に対しての考え方がすごく自分で変わったと思います。親に対しても前は頑固だったり動作が遅かったり、自分の親だったので「何やってるの!」という感じでしたが、そのくらいの年齢になると当たり前のことだというのがわかるようになったので、そういうところで優しくなれました。また、高齢者だけでなく釧路にいたときに、障がい者や生活困窮者、生活保護受給者の方々と一緒に仕事をしていて、一生懸命頑張っているというのを見ることができたので、そのような人たちに対しての考え方も変わったと思います。なので、自分よりかは人に対しての考え方は変わったと思います。

現在のふまねっととの関わり方
 現在は、昨年度からコロナ禍で出張する訪問がなくなってしまっているので、オンラインを通してのおうち教室など、逆に言うとコロナ禍の前にはなかったような事業をやっています。振り返ってみると去年から比べたらオンライン授業は増えましたね。参加者は、極端に増える感じではなく、サポーターさん以外の一般の方のオンラインはまだまだですね。おうちの教室とかオンラインの教室はだれでも参加できるのですが、一般の方への周知や、あとは周知したけどオンラインの壁が高くて。やはり高齢者の方にとっては、パソコンやZoomを利用するという壁はなかなかハードルが高く、一人一人の壁を取り払うには時間がかかるので、継続するしかないかなというところですね。

指導者養成講習~1人1人に合った教え方~
 まず、講習会の講師を担当するにあたって自分がきちんと講習の内容を理解していないと、人に教えたり説明したりってできないと思います。だから、自分がどこまで勉強することが必要か考えたうえで勉強する。また、質問されたときその人に合わせた答え方が必要で、10人が同じ質問をしてきたときに、同じ答え方で全員に通じると思ってないんですよね。なので、その人のことを見て、「この人だったらこういう風に説明したらわかってくれるかな」というのを考えながら対応するようにしています。同じように「これはどうなんですか?」と聞かれて「こうです」と答えて、一回で分かってくれる人もいれば、「全然意味が分からない」と言われることもありますよね。そういうときは、「この人は何がわからないのだろう」と考えるようにしています。
 また、オンラインって対面と同じレベルで話していてもそのまま伝わらないですよね。オンラインだと例えば10くらいの元気さでやっていたとしても、7とか良くて8とかに下がってしまうと思います。だから、講師として立つときは、顔を上げてみんなを見てなるべく声が遠くまで届くようにとか、姿勢や立ち方というのは意識しています。

お互いがお互いに感謝
 サポーターさん達の平均年齢は、主に70代80代の方が多いかなと思います。すごくパワフルですごく元気です。今こんな状況ですけど、実際に対面型の教室があれば、地域に行って見てほしいです。またそこに通っている参加者さんもボランティアさんにパワーをもらい、参加者さんが元気になることで今後はサポーターさんも参加者さんからパワーをもらうというような、お互いがお互いに感謝しているようなものがありますね。

私は本気で褒めるそれだけ
 教室で心掛けていることは、この運動自体が「間違ってもいいよ」って交流を目的としている運動なので、できないということを恥ずかしいと思ってほしくなくて、「できなくても楽しくやろうよ大丈夫大丈夫」っていうのが前提にあります。なので、一生懸命前で頑張っている人がいるから、私は本気で褒めるっていうそれだけです(笑)。

ふまねっとの魅力
 まず誰でもできる。そこには本当に差別や強い弱いとかがなく、みんなが一緒の同じ立場で、それが運動でできるというのがすごいなと思います。

今後どうしていきたいか
 やはりまだまだふまねっとを知らない人がたくさんいるので、広げていきたいですね。年齢とか性別とか関係なく様々な人に知ってもらいたいです。今ここにふまねっとを全く知らない人がいたら、まず場所があるなら一緒にやってみます!文字や言葉で説明するよりもやってもらうのが一番早いですね。ちょっとのスペースと、網があればできるので(笑)。
 しかし、高齢の方とか虚弱な方は「運動」という名前が付くだけで「自分はもうだめ」と拒否する方が多いですよね。でも、そのような方に「運動なんだけど、運動が苦手な方でも大丈夫」という風にみんなで声をかけて一緒にやってもらいたいなと思います。


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