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37Seconds

公開初日に観てきました。

37Seconds。

脳性まひの女性が主人公のお話で、母とのすれ違いや、仕事のこと、家族のこと、性について、いろんなことが詰まった作品でした。

私がまず衝撃を受けたのが、1番初めの、ユマちゃんとお母さんのお風呂のシーン。

少しばかり強引な感じで、ユマちゃんの服を脱がせるのはお母さん。

ユマちゃんが全裸になったところも、映し出されていました。

私は、そこまで映すんだ、という衝撃を覚えました。

そして、これが実情なんだよ、と訴えかけられているなあと思いました。

それから、障害者の性についても描かれていて。

ユマちゃんは、まだ誰ともセックスをしたことがないんです。

そして、とある漫画の編集者の方に、漫画家はいろんな経験をしないと、と言われたのがきっかけで、性により関心を持つようになります。

それから、ネットを通じていろんな男性に会ってみたり、風俗を利用してみたりと、今までにしたことのない経験をします。

確かに、障害者の性についてあまり考えたことがなかったし、実際のところを知ることなく生きていた私は、「性と疎遠」という現実があるんだなあと。

舞さんたちとの出会いも、ユマちゃんにとっては大きくて。

今まで、お母さんになんでもしてもらっていた(されていた)ユマちゃん。

自分の意思を持つことなく、生活しているも同然。

けれど、舞さんたちと出会って、自分のやりたいことを、自分のやりたいようにやる楽しさを知ったユマちゃん。

とても生き生きした笑顔が映し出されていて、私の心も生き生きとしてきました。



今でこそ、障害理解?が少しずつ広まってきているものの、それでもまだまだだなあと思う瞬間はたくさんあります。

映画で、風俗のお兄さんがやってきたとき、ユマちゃんを見て、困惑していたんです。

どうやって楽しませたらいいかわかんないって思ったんだろうし、なにより、障害者かよ、って気持ちが出てて。

けどさ、障害があっても、性的な欲求を満たしたいって思うし、風俗を利用したっていいじゃない。

でも実際、どこかの街では、こういうことも起こってるんだろうなあって。


少し話は変わって。

私、数年だけ、脳性まひの方のヘルパーをしたことがあるんです。

そのときに、いやだなあと思っていたことがあって。

2人で買い物に出たときに、ヘルパーの私がお財布係になるんですよ。

買い物をするのは利用者さん、お財布も利用者さんのもの、けど支払うお金を取り出すのは私(ヘルパー)。

そういうときって、だいたい店員さんは、私に話しかけてくるんです。

でもね、もう1回言うと、買い物をするのは利用者さん、お財布も利用者さんのもの、けど支払うお金を取り出すのは私(ヘルパー)。

つまり、買い物自体は利用者さんがしているわけで、レジとかで接客するときには、利用者さんに話してほしいんですよ。

けど、だいたい私に聞いてくるんです。

そして、私が利用者さんに聞き直す。

なにこの手間、とか思っちゃう私はいじわるなのかな。

小さなことかもしれないけど、店員さんにとって、その場では利用者さんがいないことになっているわけで。

なんか違うよなあ、と思っていた私でした。


障害理解が広まってきたとはいえ、障害のある方と関わったことのない人が大勢いるのは事実で。

正直なところ、関わり方がわからない人なんて、ごまんといるはず。

関わり方がわからないから、映画の中の風俗のお兄さんは困惑してたし、街に利用者さんとヘルパーで買い物に行った時に、店員さんがヘルパー(健常者)に話しかける。

生きている中で、出会いがない人だってたくさんいるとは思うけど、それを理由にはしないでほしいなあって思いました。


37Secondsを観て、久しぶりにこういろいろと考えることができました。

1人の、強く生きる女性から、元気をもらった。

今の私と同い年のユマちゃん、ありがとう。


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