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Photo by
voice_watanabe
ベルギービールを瓶のまま飲む
『きっと来てないわ 』
車は広いコンビニの駐車スペースを切り進んでいく
『やっぱり・・・・・・』
そう思った時2台の10tダンプに挟まれるような小型車が視界に入った
一番端のスペースにハンドルをきった
間もなく
「肩身狭めぇ~」
とメールが飛び込んできた
「たまには私の車で」
そう返しながらすすりあげた
そして
「ちぇっ」
と言いながら、フロントガラス越しに見えるコスモスの花の揺れに目を向けた
ただ、パートナーズシート側のドアが開く音を聞き逃さないように
「やあ」
「暇なのね」
「・・・・・まっ まあね」
彼女は必ず先制パンチをくりだす
「お忙しいところ申し訳ございませんが、あたいをどこかへ連れてって」
「ふん!」
ガクンと衝撃が伝わり、彼女の車は駐車場から本線にすべりだした
「それ」
「そうよ よくわかったわね」
「よく似合っている」
「何でも似合うの」
「ふう~ん」
しばらくして、彼はギロチンを飲みながらハンガーにつるされるワンピースを眺めていた
徹夜の疲れがでたのか眠い
ベッドに体を預けて目をつぶった
ベッドが歪んで眠さが乗数になり重なった
本格的な眠りが始まった
彼女の寝息が優しく手を引いて、深い眠りの底にあるテーブルに誘った
彼女はとびっきりの笑顔で、エールを飲んでいる
彼は本物の彼女を見つけた・・・
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