![スライドショーHARUKA-2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7483755/rectangle_large_type_2_296bf2cd113b40177b74c60a402635c5.jpg?width=1200)
中国仕入れ日記 シェル編
シェルを扱うことへのこだわり
今回の中国仕入れの前半はシェルとパール。MOEMI SUGIMURA ではを毎年シェルを使ったアイテムをいくつか製作しています。今年は春の展示会でもメインビジュアルをシェルピアスにしました。石だけでなくなぜシェルを使うのか?っていう話を書こうと思います。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7401759/picture_pc_c7027a6f6648e747da21b837e033d5da.jpg?width=1200)
ズバリ、その答えは中国人の妻になったから !
どういうこと?と思いますよね、実は市場に出回るマザーオブパールの加工品パーツは殆どが中国製なんです。インドネシアやフィリピンなども有名ですが生産量は土地のサイズに比例していますし、デザインも違います。タイやツーソンで仕入れても扱っているのは中華系の会社で、元をたどれば中国大陸なのです。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7484854/picture_pc_84cf23136d2434c077fab899298d468e.jpg?width=1200)
中国が強いものは使おう
結婚によって中国という場所が急に近くなりました。それまで私が持っていた中国に対するイメージって今考えれば本当に乏しいもので ”低コストのmade in Chaina 商品 ” や ”爆買いの中国人観光客” などのようなステレオタイプのイメージだけだったし、それ以上の興味を持たなかった。
でも、4000年の歴史の奥深さと14億の人口の多様性は、一括りのイメージには固められないもだと、実際家族ができて感じるようになりました。そこでせっかくご縁を頂いた国だから、中国が強いものは使っていこう!!その代わり自分らしさを残すように、と決めたんです。翡翠を使っているもの同じ理由です。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7483823/picture_pc_9b9be9bfc30ad1bbd655e63470abfbe8.jpg?width=1200)
以前は飽き飽きしていたシェル
私は海外へ出るまで7年半ハンドメイド素材を販売する会社に勤めていました。もちろんシェルも定番。宝石と違って枯渇しないし原価も安いシェルは、色々な形に加工できたり大量に同じパーツを作る事ができて、それゆえ気軽に使えるハンドメイドの素材として沢山流通していますよね。なので正直なところ一時は見慣れすぎてしまって全く思い入れもなかったんです。改めて工芸品としてのシェルの彫りに惹かれたのは、退職後ミャンマーへ旅した時の事でした。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7483959/picture_pc_60130ca749e861e0938e3a5f20b38972.jpg?width=1200)
仕入れのモットー
”なるべく産地や加工地を訪れてみる” といつも心がけています。こののどかな風景はミャンマーの湖の夕暮れ。ここで仕入れたのが上の写真でモデルが着用している花模様に彫られたシェルです。現地の人々は湖の上で生活し移動も全てボート。朝市で野菜や生活用品と共にハンドクラフトで仕上げた工芸品を売っています。外人モデルを使って東京のスタジオで撮影した写真からは微塵もそんな風景は思い浮かばないですが、現地だから手に入れられた美しい手仕事なのです。
![画像5](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7484499/picture_pc_7b03ca3e7b6f1f67cb6678987c5f307d.jpg?width=1200)
シェルと淡水パールは中国シェアがほぼ
この2つは今殆どを中国で仕入れています。現地で買うなら安そう!と思う方沢山いるかもしれません。でも私はコンテナを動かすほど大量に仕入れて転売する商売をしている訳ではないし、同じ商品を沢山作りたいとも思っていません。中国ビジネスの代表的な利点は量と安さですが、ブランドとしてはむしろその逆を向いています。出張コストや膨大な労力を考えれば、むしろ日本で小売りしているものを買った方が簡単だし安いくらいなのです。
![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7484531/picture_pc_485a5dae1ba3c266909442266c20f212.jpg?width=1200)
それなら何故わざわざここまで来るのか?
それは多くの選択肢の中から他のバイヤーが目をつけないもの、私らしいものを探し出すためです。今回シェルをメインで仕入れた所もわざわざ遠くまで行く理由はそこにあって、他社が持っていないデザイン、オンラインからも買えない商品があるからなんです。とはいえ宝石とは違い単価の低いシェルにそこまで?と思うかもしれませんが、そのこだわりがなければ大多数に埋もれるブランドにしかなれません。
![画像7](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7484619/picture_pc_77af8917a5cb2ed0d61180b035f3bf85.jpg?width=1200)
![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7484665/picture_pc_c56f64fe4c78f12a9b854d8293b8df91.jpg?width=1200)
バンクリ風と言われて
このシリーズは中国の古い建築によく使われている花窓から着想を得たもので中国では昔から使われているモチーフなんですが、何しろ四つ葉のモチーフはのバンクリーフアーペルのイメージが先行してしまっていて。その見方を変える事も意図した作品だったのですが、なかなかそれは難しかった。上の写真は杭州の庭園で撮影したもの。窓枠で景色を切り取り、まるで絵画のように見せる ”借景” の花窓です。
![画像9](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7484648/picture_pc_6bca223f6267a5402749382c87c28206.jpg?width=1200)
ブランドの創り方
裏話ですが、以前とある宝飾業界の大御所の方のセミナーを聞く機会があって、その時に話題になったのがこの有名ブランドのアイコン商品。彼が語ったのは原価の話でした。これは典型的なコマーシャルとマーケティングの成功例、そしてブランド力の強さだと。その時の印象がとても強くて、試験的にこのシリーズを作ったというのも事実です。価値はどうやって創るのか。個人の小さなブランドであるMOEMI SUGIMURAでも同じです。
![画像10](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7401926/picture_pc_f7bdc5a32fcf4d222437c73474839bc5.jpg?width=1200)
唯一無二のデザインを生み出す為に
大量に安く仕入れる事で利益を出す会社は、売れなければいけないので仕入れるものが基本的に一般ウケの良いものです。日本では日本人好みのセレクトになるし、同時にその業者から仕入れて作品を作るデザイナーが他にも沢山いることになる。
日本で売られているものに関しては、製品も含めて事前にかなりリサーチしてからいきますが、個人のハンドメイド作家さんのシェルを使った商品は特にデザインの模倣が目立ちます。中国のシェルパーツは基本量産品なので、同じパーツが買えれば同じデザインを作る事ができてしまう。それらと差別化する為、真似されない為に下調べがとても大切です。
![画像11](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/7402277/picture_pc_dfcce2df0ecf68f1001b1ae06e37fd47.jpg?width=1200)
Guess What ??
これはなんのモチーフだかわかりますか?今年のクリスマス用にと仕入れたトナカイのデザインです。本当ならばこれ以外にもこんなもの仕入ましたよ!と、応援してくださる皆さんには速報で色々とご紹介したいのですが、それをあえてしないのは、同じパーツがなるべく日本で出回らないようにする為。ここで発信すれば私がジュエリーに仕立てて販売できるようになる前に情報が拡散していくからです。
今回仕入たシェルはクリスマスから来年にかけて順番に製作してご紹介していきます。あの時の仕入れのかな?なんて思い出してもらえれば嬉しいです。
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