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ミュージカル『えんとつ町のプペル』と『アラジン』を比べてみて

あけましておめでとうございます🐯✨
2022年1発目の投稿です!

みなさんこんにちは!
ミュージカル『えんとつ町のプペル』演出助手のMOEKOです😊

今年はミュージカルチームとしても
この作品を世界へ届けるために本気で挑む、その道へ歩みだす第一歩となる年です!
今はまずニューヨークのブロードウェイを目指しますが
あの夢のブロードウェイの地で公演をするまで、どんな道を歩んでいくのか…
みなさんと一緒に挑んでいけると嬉しいです🔥🔥🔥

さて、そんな中でも私は特にクリエィティブ部分を担っているのですが
先月ブロードウェイで観てきた『アラジン』。
色々と感じる部分があったので、ちょこっとそのお話でもしようかな、って思います♪

ブロードウェイミュージカル『アラジン』を観て…

NYへ着いた当日。1番時差ボケもひどく、集中力にかける日。
そしてブロードウェイ滞在1発目、ということもあってとにかくテンションが上がりそうなものを、ということで
『アラジン』にしました!
めちゃくちゃ眠気がやばくて、席に座った瞬間も記憶がなくなるくらい、
カクッと落ちちゃう状態だったのですが、、、
ジーニーの声で場内アナウンスが入った瞬間に パッと目が覚めて
そこからしっかり観れました!!
(アナウンスがキャラクターの声なのもプペルと同じです😊)
あんなに眠かったのに、そこまで起きていられた、そして集中して見ていられたのは、作品力が凄いからだな、と思います。

*演出的視点で見る時の主軸としてるもの

私はアメリカの大学で演劇学部を出ているのですが。1番チャレンジングで、でも1番仕事の現場でも活かせてるな、と思うクラスはディレクティング(演出)のクラスです。
そのクラスって、作品を発表したら、先生含めてクラスメイト全員で批評するんです。これって日本だとなかなか無かった経験で。
素直に意見を言い合う。

・面白かったか?
・ずっと集中して見れたか?
・作品に世界観はあったか?
・演出の個人的な要素(その人だからこそのテイスト。唯一無二のモノ)はあったか?
・最初の掴みと最後に残るモノ(印象的なもの)はあったか?

などなど、もっと色んな細かいチェックポイントはあった気がしますがw
大きくは上記のようなポイントを意識しながら批評します。

「面白かったか」
ここって西野さんも大切にされている部分だと思っていて。
演出の工夫や技術や、ここが絶妙でナイスだよね。とか関係なくて。
作品を観てて、面白かったか?
これが1番の大事なポイントで。
ただ、「面白かった」と感じさせるポイントってさらに分解できる所だったりしますよね♪
こういう要素が織り交ぜられてたから、「面白い」と感じた。となる。
だけど、その要素一つ一つはお客様には気付いてもらえなくても良いポイントで。
それを気付いてもらいたい!とその要素一つ一つをアピールしようとすると、西野さんの言う「玄人向け」になっちゃうのかな、って思ってます。

*『アラジン』はどうだったか?

そういう視点で考えると、まずDisneyって最強だな、って思うのが
ディズニーってだけで、なんかもう最初からワクワクしませんか?w
これは日本のディズニーが夢の国、というイメージを植え付けてくれてるからなのかなぁ?w

→と思って細かいところを見てみると
ディズニーの作品の劇場はチケットもぎりから、シーティング、トイレにいる方からエンターテイナーみたいな方が多い!
これはライオンキングの劇場もそうでした!

そして、グッズ売り場などもかわいい!
アラジンで言うと、冒頭のシーンで街中の売り場・カートなどが賑やかに出てくるシーンがあるのですが、そこで使われているのとまったく同じデザインのカートが、グッズ売り場にも置いてありました!

これで入った瞬間から、もう世界観だけで楽しくなるし
アラジンワールドに入り込んでいく気持ちになりますよね♪

●ミュージカル『えんとつ町のプペル』日本公演でも
その空間作りのために、東京キネマ俱楽部という場所を選び
美術セットもとことん追求しまくりました!
キネマ俱楽部の一階の床面て茶色の木の感じで、上手側はなんとレンガ調の壁になってたりします!


そして、その世界観と繋がっているような色味・柄、でデザインしてくれたのが美術デザイナーの佐藤さん!!!
佐藤さんは映画のえんとつ町の美術もされている方なので、誰よりもえんとつ町空間を理解されているんじゃないか?と思います。
実は舞台上にはえんとつ町の裏話的な要素がたっくさん盛り込まれてます。
(植物の無い世界なので、デザインのモチーフが普通なら植物のつたになる所を煙のモクモクがモチーフになってる、とか!!)


でも、わざわざ目立つようにしていないんです。
(セットツアーに参加された方には少しお話してたかも☺)
ミュージカルのストーリ―自体には関係ない要素だから、ストーリーの中で話題にもあがらないし、わざわざ目立たせるシーンとかもないんです。
空間に、ただ、存在してるだけ、なんです。
だけど、あの要素一つ一つがちゃんと舞台空間に存在していたから、細かい一つ一つは気付かれなくても結果「面白い!」とワクワクさせる空間を提供出来てたんですよね。

→私の中で、こういったこだわりや世界観を追求するクリエィティブが、すごく大事なんだと思ってます。(でもアピールするわけではない!)

でも、そもそもその世界観の深みがある作品でないと、そういった部分を盛り込むとかも出来なくて。西野さんの生み出す作品の奥深さには本当に興奮させられますよね😳✨
作り手としては、めちゃくちゃ楽しいと思います!

アラジンでいうとビジュアル面(衣裳やセット、小道具など)はとことん作り込んであって、もうそこに街が存在している、と思い込ませるだけの世界観で。さらにプラスして常にワクワクを感じさせるような動きをするセット&演出になっていました!

ミュージカル『アラジン』を面白い!と思ったポイントとしては
①最初のナンバーでとにかく街のシーンを創り上げる小道具を全部出してた。人も物もすごい勢いで空間をかき混ぜるような構成になっていて、目が追い付かないくらいの躍動感とお祭り騒ぎのような盛り上がりで一気にぐいっと世界に惹きこまれた!


 ②アラジンが逃げる時にセットも動くしニョキニョキするしw窓から入って違うドアから出て、次のセットの上によじ登って、屋根の上からぽんっぽんっとどんどん移動していく。というもうどうやってもテンション上がっちゃう演出になってた! 

③圧倒的なジーニーの存在感!

 ④舞台がからくりだらけで、積み木みたいにパーツが合体したり、変な所から出て来たり居なくなったり、キャストがくるくる回りながら床の中へ消えて行ったり、床面が2重でぐるぐる回転したり、、、とにかく、誰が見てもワクワクする空間だった! 

⑤ダンスは技術力よりも人数と、フォーメーションで圧倒させていた!(振りはシンプルなものが多くてとにかく観てて楽しい!)

 要はすべてにおいて抜けが無かった、という事になるのですが🤣
全てのクオリティは申し分ないレベルで。
その上で、キャストもみんなコミカルになれるしシリアスな芝居も出来る。
ダンスも歌も当たり前にうまいけど、技術の見せびらかしみたいなのは一切なくて、キャラクターとして存在してその独特な歌い方や喋り方で楽しませる。
全部すっごくシンプルで真っ直ぐ届けてました。

これって、全てにおいて妥協がなく。
自信をもってお届けできる備えがあるからだ、と。

こう真正面からドーーーーーーーーーーーーーーーーンとエンタメを叩きつけられたような、でも全身でそれを受けて、よっしゃー!となった気分でした!!

『えんとつ町のプペル』にはすでに魅力的な世界観があります。
それを世界にフィールドを移したとき、どうお届けするか。

台本の調整を進めながら、現地のクリエイター達とも密にコミュニケーションを取って、掘り下げていきたいな、と思ってます!

これからも吸収しながら、分析をくり返していきたいと思います♪


今日も素敵な1日を~🌸

MOEKO


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