2025.1.16 匂いが呼び起こす景色
シャンプーをメリットに変えた。
とくにシャンプーにこだわりはないのだが、たぶんメリットを買うのは今回が初めてだと思う。
ボトルに詰め替えて髪を洗っていると、ふわっとした石けんの香り、だけど輪郭がシャキッとしている⋯まさに「メリット」の匂いがしてきた。
そのとき脳内にパーッと広がったのが、小学生のころ遊びに行った、東京の祖母の家のお風呂の光景だ。
壁一面がタイル張りで、銀色のステンレス浴槽。キティちゃんのお風呂マットが敷かれた浴室は、自分の家のそれとは違って古めかしくて、なんだかちょっと怖かった。浴槽と壁の間に隙間が空いているのも嫌だったな。
でも、母が子どものころ、このお風呂に入っていたんだなと思うと不思議な気持ちだった。母や妹と一緒に、歌いながらお風呂に入る時間も楽しかった。
ビオレのレモンの香りのボディソープを気に入って、ばあばに「これどこの?」って聞いて母に同じものを買ってもらったり。
ドラえもんの四次元ポケット缶*に入っていた、ギュッと固められた圧縮タオルをお風呂で広げるのが楽しかったり。
匂いと記憶は結びついているというけど、匂いの力ってのは本当にすごいな。
ついさっきまで考えてもいなかった景色を連れてきてしまうんだから。
祖母はわたしが小学生のころに亡くなって、家ももう建て替えられているけど、メリットのシャンプーが思いがけず、ばあばとの思い出を呼び起こしてくれた。という今日の日記。
*⋯懐かしすぎて今ちょっと調べてみた。数十年前に永谷園の懸賞でもらえた缶だそう。ドラえもんの道具に見立てたおもちゃとかが色々入ってたんです。祖母の家にいっぱいあったなあ。なつかし〜!