24歳の25回目の結婚記念日。
この日は4連勤中の3連勤目で、しかも朝から仕事って日だった。
看護師の平日は、朝が早い。
6時台に起きて支度して、7時台には家を出て、8時には職場について情報収集をおこなう。
そんな日を3日間終えた夕方、ふと今日の結婚記念日のことが頭をよぎった。
(今年は銀婚式だって、お母さんが楽しみにしてたな。今日はどんな風に過ごすんだろう。)
そう思いながらも、恋人と会う約束をする自分。
(まだ返事返ってこないから、きっと会うまで時間かかるな…。もしかして、この間に実家に帰れるんじゃ。)
20時頃に家にお祝いの電話をかける予定だったが、会う予定の恋人との待ち合わせ時間までゆとりがあると感じたわたしは、疲れた頭を巡らせた。
(今からお祝いカード買って書いて、百貨店でケーキを買って…たぶん間に合う!)
考えながら、気づけばカラダが動いていた。
必要なものをひと通り揃える。
こういう時って、なぜだか導かれたように探し物がいい感じで見つかるんだよなあ。
そして、見慣れた電車に乗る。
ガタンゴトンと揺られながら、
「今日は晩ご飯何にしたの?」
「ケーキとか買った?」
なんて何の気もなさそうなLINEを母に送る。
「ケーキ屋さん閉まってて買えなかった」って母親が落ち込んでLINEしてきたときは、
「めっちゃ残念やん」なんて送りながら、懐でガッツポーズしてた。
そんで、気づいたら最寄駅。
扉の前につくまでLINEして、ピンポンを押す。
「はい?」父親がインターホンに出る。
「もえこです。」と一言。次の瞬間、ガチャリと扉が開く。
「なんでおるんや」と言うわりに、喜びの表情を隠せない父。「ただいま。」と照れ隠しのように、何事もなかったかのように玄関をくぐるわたし。
その先には、驚きを隠せない笑顔の母。その光景を見て、ああ幸せだと感じた。
人はいくつもの選択を繰り返しながら、現在にたどり着く。
わたしは選択に迷ったとき、より心が満足する方を選ぶ。
好きなわたしで居たいから、好きなわたしを極める。
そうすれば必然と、じぶんらしく生きれるんじゃないかなあ。
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