冬が好き。
秋と冬の境目は曖昧。寒くなったと思ったら、また少し寒さがゆるむ日があって、また急に寒くなって、そうやって少しずつ冬に変わっていく。
寒いのはつらいけど、冬は好き。
寒いところから、あったかい部屋に入るとき、あったかい飲み物を飲んだとき、毛布や布団にくるまったとき、ほっとする瞬間が好き。高校生のときスキー授業があって、生まれて初めてナイタースキーをして、宿に戻って食べたあったかいおしるこが、とてもおいしかった。おしるこが好き。冬に部活が終わったあと自動販売機で飲み物を買って、少し話して帰っていて、いつも缶のおしるこを買っていた。
あったかい飲み物をたっぷり入れたマグカップを、両手で包み込んだとき、熱いお風呂に浸かったとき、かじかんだ指先がじんわりと緩んでいく感じが好き。
冬の晴れた日の、ぴしっと澄んだ空気が好き。鼻が痛くなるような、冬の匂いが好き。
雪を見ると、心が躍る。雪国に生まれ育って、豪雪地帯ではないものの、冬になると雪がたくさんつもった。時々雪の表面がかたくなって、積もった雪の上を歩ける日がある。雪の上を恐る恐る歩き回るのが、とても楽しかった。小学生の時、登校班の集合場所が神社だったから、いつもみんなで雪遊びしてから学校へ行った。年に一度くらいは、長靴が埋まって抜けなくなって、遅刻しそうになったことがあったっけ。
今住んでいるところは、あまり雪がつもらない。これまで冬といったら雪がつもるというのが当たり前だったから、なんだか物足りなくて、冬がきた実感を得られないまま、冬が終わっちゃう感じ。車を運転するようになったから、その点では安心なんだけど。一度冬に実家で運転したことがあって、本当に怖かった。
冬って、クリスマスとかお正月があって、みんな早いうちから待ち望んでいる。スーパーに行くとクリスマスのお菓子や、お鏡餅がたくさん並んでいて、なんとなく特別な雰囲気がただよう。そのわくわく感も、冬が好きな理由のひとつかも。クリスマスだからって何か特別なことするわけじゃないけど、クリスマスのモチーフとかクリスマスソングが好き。
こうやってとりとめもなく、冬について考えていたら、気持ちが盛り上がってきた。やっぱり、冬が好き。
とはいえ、寒さは辛い。運動をしなくなったせいか、年々冷えに悩まされるようになってきた。学生時代、お母さんが冷え性だって言って、あちこちが冷えると何枚も服を重ねたり、レッグウォーマーやら靴下やら腹巻きやら、いろんなものを身に着けているのを見て、「そんなに寒いの?」って不思議だった。その頃は、寒くても体を動かせばすぐ暖かくなるし、暖房がついた部屋で裸足でいても平気だった。
最近は手足の冷えに悩まされ、あったかインナーを重ね着するだけでなく、家ではレッグウォーマーやもこもこ靴下を履き、職場では暖房がついて顔がほてりながらも、ひざ掛けが欠かせない。だけど、お気に入りのあったかグッズを買うのも、冬の楽しみ。
来週はもっと寒くなるみたいだから、いよいよ冬らしくなるんだろうな。もう明後日から12月だもんね。
読んでくださって、ありがとうございました。風邪を引かないよう、あたたかくして過ごしてくださいね。