息子くんの超長期滞在

息子くんの夏休み我が家超長期滞在(40日間)が、折り返し地点を超え、残すところ2週間弱となりました。
息子くんは「後2週間しかない!」と言います。心地よく過ごせているなら良かったし、そう言ってもらえることはありがたいと思うけれど、おばさん、そろそろ体力気力の限界です。「まだ2週間もある…」と言うのが正直なところ。

滞在自体は上手くいっています。
仲良く過ごせているし。
ただ、いつもと違う生活リズム。人間が1人突然家に増えるということは、「誰が増えた」という問題ではなく、寛げる場だった家が不慣れな場へと変化するストレスを生み出すことであり、その状況からは逃れられないのです。

そして、日本でいうと高校1年生の男の子。
有り余る体力、活動エネルギー。
凄い、凄いぞ、16歳!

夫も、息子と過ごせる日々はそりゃ勿論、嬉しくて楽しくて仕方がないのですが、反面、私と同じようにやはり生活リズムの狂いにはストレスを感じてしまいます。
「それだけ長く息子と離れて暮らしているということか…。」と切なそう。
仕事から帰るとテレビを見て寛ぐのが好きな夫ですが、息子くんは身体を動かしたくてしょうがありません。夫は一緒にトレーニングをしたり、外へ出掛けたりもしますが、家ではリラックスもしたい。ソファに寝転んで大好きな映画鑑賞がしたい。でも、だらけている父親だと思われて、『憧れのパパ』から離脱してしまう…と不安に思うのだとか。それでも毎日毎日休めないと息が詰まる…。ああ、複雑なパパ心。息子くんが興味を持つことの出来る映画を聞き出し観ることで、ソファに転がる罪悪感を少し和らげています。
「何してるの?」「何するの?」の声掛けも止まず、独りの時間がない…とも感じるようで、夫も流石に疲れてきております。

でもやっぱり嬉しい息子との日々…みたいな。


この息子くんの超長期滞在で、継母の私が「ちょっとストレスに感じたこと」と「良かったと思ったこと」を挙げてみたいと思います。

ーちょっとストレスに感じたことー
・怠けにくい
夫と一緒ですね。私は現在、短時パートなので比較的家にいますが、日中、家でゴロゴロしにくいです。お昼寝好きなんですけど出来ないです。息子くんの目が気になっちゃって。不妊治療中に、ストレスもよくないと聞いて仕事はせず専業主婦だった時期がありましたが、息子くんから夫への手紙で「どうして萌は働かないのだ。」と書かれたことがあります。治療の話は子供達には当時も今もしていません。治療の影響での身体の不調、治療状況に関係なく定期的に来る連れ子達のお世話で心も疲れていました。息子くんはまだ小さかった頃のことですが、ドイツでは女性も働く場合が多いし、当時の息子くんにとっては萌は一体何をしてるのだろうと思ったのかも知れません。現在がどうかはわかりませんが、養育費の支払いは簡単なことではないのだよと話もするのに、私がダラダラしていては印象がよくないかなとも思ってしまうのです。休んでいる時に限って、息子くんが2階の自室から居間に降りてくる気がします。違う…さっきまで動いていたのに…。
・家の中の物が移動しまくる
とにかくなんでも移動します。勝手に手に取ることのできる物だけに留まらず、「◯◯ある?」と普段の私達の生活では使わない物を求められると、収納の奥からガサガサと取り出さなくてはいけなかったり。特に今回は、物置と化している屋根裏部屋の荷物(夫の以前の家庭からの私物が入った段ボールや、処分待ちのこの家の以前の家主の物←説明しよう。日本ではまずありえないけれど、この中古物件、なんと以前の住民の持ち物をひっくるめての購入でした。家具とかだけじゃないですよ、生活用品もそのままでです。そのまま丸々。「明日帰ってくるんですか?」ってくらいの。勿論大部分は入居の際に処分しましたが一部が屋根裏部屋に押し込まれています。)が宝探し状態に…。幼い頃は雰囲気が怖く入れなかったけれど、今は平気!だそうで。娘ちゃんと、到着したその日にもう、2人でこっちの段ボール開けてガサガサ、そっちの段ボール開けてガサガサ…。(娘ちゃんは、我が家にはこの到着日だけの滞在でした。) ダニエルの私物から以前の家庭での思い出の物などを発見し、気に入ったものは持って降りて来ます。埃っぽい屋根裏に足元は靴下だけで入り込み、私が気づいた時にはもう2人でガサガサしていました。「段ボール、これでも、どこに何があるのか大まかに分けてあるのだよ。混ぜないでね(既に混ぜまくっているけれども)。後、靴下は脱いで降りてきてね。」と声掛けをするのがやっとで、見ているとストレスになってしまうので私は寝ました。(夜でした。夫は早朝出発の家族旅行運転の為に、既に寝ていました。)
そして、別の日にガレージに詰め込まれていたスポーツマシーンが引っ張り出され、息子くんがそのスポーツマシーンや夫のボクシングサウンドバックを屋根裏部屋の一部のスペースに設置し、スポーツ部屋を作りたいと言い出し、屋根裏部屋の掃除が始動することとなりました。(現在進行形)
・汚れた食器の置き場所
キッチンって独自のルールがないですか?私は汚れた食器はシンク内に置いて、シンク横のシルバーの台部分は洗い終わった綺麗な食器を伏せて乾かしているのですが、汚れた食器も至るところに置かれます。えぇ、夫もします、これ。
・汚れた靴の置き場所
我が家では靴は基本玄関で脱ぎます。でも日本みたいに土間との段差があるわけでもなく、そのまま各部屋に繋がっていきます。ドイツは室内も土足の家も多いです。だからか、あらゆるところに靴が出没します。脱いであるのです。廊下、キッチン、たまに居間まで…えぇ、これも夫もしますね。増えただけです。(掃除機&モップでお掃除です)
・食べ物
ベジタリアンな息子くんに合わせて、ベジタリアン料理を用意します。が、普段はお肉も大好き夫婦、ベジレシピのレパートリーがありません。「これ、だしてもいい料理?」と怯む出来栄えのなんでも野菜グラタンとか、この点はもうサラダを大量につけることで誤魔化しています。
スーパーでの買い物もいつもとは違う種類のミルクだったり、ミューズリーだったり。でも、何を買えばいいのかは次第に慣れてきました。
・臭い
こんなものがストレスに感じるのか!と自分でも驚いたのが臭いです。高校生の男の子のいるご家庭ならあるあるなのかしら?汗の臭い、靴下の臭い。勿論強く気になる時は伝えて着替えてもらったりシャワーへ送ります。
・トイレのタイミング
我が家は改築中で、現在トイレは1つです。朝、私は夫に合わせて起きますが、息子くんは少し遅れて起きる日もあります。夏休みですし。もう起きてくる頃かな?と思うと、トイレでう◯ちをためらってしまう。でも長く寝ている日もありますから、結果う◯ちを我慢する形となってしまいベンリズム(新語)が狂います。

ー良かったと思ったことー
・1人の人間の成長に関われた
サイクリング中に成長した息子くんの背中を見ながら、急に実感したことです。苦労はあれど、息子くんという人間に継母レベルではあれど関わってくることが出来て、そんな人生でも良かったんじゃないかと思えた瞬間がありました。
・仲良く出来ている
私からだけではなく、夫からも、息子くんからも、皆で仲良く過ごそうという気遣いが感じられます。ストレスはあれど、居心地が悪いというわけではないです。
・少し深く話せた
私と息子くんだけの時間もあり、少し深く話をすることができたことは良かったです。
・ベットカバーも外してくれる
息子くんに、「今日あなたのベットカバーを洗うね。」と伝えておいたら、自分で外して畳んでまとめておいてくれました。驚きました。自然とこちらからも「外しておいてくれたの?!ありがとう。」と感謝の言葉が口から出ました。こういうのいいなと思います。
・気にかけてくれる
息子くんが、私のことをあらゆる場面で気にかけてくれます。登山中、サイクリング中、食事も、怪しい料理になったな…という時にも、必ず「美味しいよ。」と言ってくれます。この長期滞在についても、娘ちゃんと、あるいは夫と話をしたのか、「こんなに長期の滞在は初めてだから、萌が疲れたら言ってね、自分で出掛けたり出来るし。萌が休みたい時はそう言ってくれたらいいし。」と直接言ってくれました。
お言葉に甘えて、もう無理だ…と思ったら私は寝室に引っ込んで寝ています。家庭バランスを保つ目的に関しては、程よい力の抜き加減が(ぶっちゃけ手抜きが)、必要だと思います。
・屋根裏部屋の掃除が遂に前進
ホコリだらけの屋根裏部屋は、片付けにくいものたちを段ボールに詰め込んで置きっぱなしにしていました。ドタバタと家のあらゆる場所をかき回されるようでストレスでもありましたが、反面、片付けの大きな一歩となったことはハッピーです。

多分、息子くんだって疲れてはきているでしょうね、不慣れな環境は息子くんにとっても同じはずですし。

来週末、この超長期滞在の最後に、野暮用とくっつけてミニ旅行に行きます。野暮用がちょうど子供達が住む街の方角で、おそらく娘ちゃんも拾って(今はまだ彼氏と自転車旅行中)週末は4人で山歩きになりそうです。その帰りに子供達を家に降ろして、超長期滞在の夏休みは終了、私達夫婦で戻ってくる予定です。

旅行に始まり 旅行で終わる 夏休み(萌/字余り)

夫婦で疲れてきているので、お互いにイライラしやすくなってきています。疲れのピークに旅行で大丈夫かしら…?との不安もありますが、皆で楽しい思い出となるように、「疲れていること」「イライラしやすくなっていること」を意識して、残りの期間を過ごしたいと思います。


2020年8月12日



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北川 萌子
ありがとうございます。励みになります。 頑張って更新しますね。夫と美味しいものを食べたいな。