ドイツでの、親権、養育費
私は初婚、夫は再婚で2人の子持ち。ドイツの子連れ再婚は、日本のそれとはちょっと様子が違います。
日本で見聞きする情報を元にドイツ人との「子連れ再婚」を想像していたら、再婚後おののく事になりかねませんのでご注意ください。
ドイツでは、両親が離婚した場合、子供はどちらの親にも定期的に会えるよう配慮される事が一般的です。何故なら、離婚の際に親権をどちらかに限る日本とは違い、離婚後も双方に親権が残るからです。一緒に暮らしていない方の親にも子供と過ごす権利がある事が明確にされているのです。(又は、過ごさなければいけない義務とも言えるかも知れません。この目線に気づいた出来事はまたいつか。) →追記: https://note.com/moekita0401/n/n3ea84d97ff50
ですから、例えば、離婚後も親同士が近くに住んでいる場合、1週間毎に子供の滞在を変える…という事もあります。ママの所に1週間、パパの所に1週間、の繰り返しです。それが2週間周期だったり、週末だけだったりするパターンもあります。長期休暇は前半後半で分けたり、休暇毎に分けて半分ずつになるようにします。
離婚後に親同士が遠く離れて暮らす場合は、長期休暇全体を、普段一緒に暮らしていない方の親元で過ごします。ドイツの休暇は日本より多く、春、夏、秋、冬に2週間から6週間程あり、更にキリスト教の行事に合わせた連休もあります。ただ、全ての休暇を一方の親と過ごすともう一方の親と長期旅行へ行けませんし、クリスマスは大切なイベントです。夏休みは長いので前半と後半に滞在先を分ける、クリスマスは毎年交代制など、双方の話し合いで柔軟に対応します。
どちらかの親が新たなパートナーと同棲していようが再婚していようが、その相手をもう片方の親が良く思っていようが無かろうが、そんな事は関係ありません。その子供にとっての「親と過ごす権利」も大人の事情や心理的な感情で侵害されるものではないのです。
養育費は一緒に暮らさない方が負担します。1週間や2週間毎に子供が両親の元を行き来している場合など、養育を半分ずつに分けている場合は、相殺で養育費は発生しません。
ドイツにはDüsseldorfer Tabelle(デュッセルドルファ タベレ)と呼ばれる養育費計算の為の表があり、お互いの話し合いで決まらない場合は、これを元に養育費を計算します。
離婚した両親双方の収入から計算される日本とは違い、子供の年齢と人数、養育費支払い側の収入のみから計算され、受け取る側も働いていたとしてもその収入は一切関係なく、養育費の額に考慮されません。
支払い側が再婚しており、再婚相手が無職で扶養義務がある場合は多少考慮されます。(数千円程度かなと思います。) また、支払い側に他のパートナーとの間にも子供が居る場合も、その子供も支払い側の扶養家族ですので養育費計算時の子供の年齢と人数に入れます。
(※追記: 日本では成人までとされる養育費ですが、ドイツでは子供が学業に専念する間は養育費の支払い義務が続きます。子供が成人(ドイツでは18歳)した後は、一緒に住んでいようがいまいが両親のどちらにも養育費支払い義務が発生し、計算表で当てはまる金額を両親で子供に支払うこととなります。その負担額はそれぞれの収入に応じて割合が計算されます。大学や大学院へ進むなら最長で25ー27歳まで、更に、大学の学費も養育費とは別に両親の負担となります。ただし、ドイツの大学の学費は高くはありません。)
※この記事は、専門家の記事ではありません。訂正箇所や情報の欠如もあるでしょうから、参考程度にお読み頂き、必要な情報は必ずご自身で各専門機関へお問い合わせください。
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実は再婚後、おののく事になったのは私です。
日本で見聞きした「子連れ再婚」情報や私の知り得る情報で未来を想像していた私は、いろんな衝撃を受けました。人って「こういうものだ」と理解している事に対しては、そもそも疑問を持つという段階にすら到達しないものです。夫もまた、彼の常識の中で生きているが故に、「子供がいる」「養育費を払う」「子供達は元妻と暮らす」「子供達に定期的に会う」という大きなポイント以外に、何をどう伝えておいた方が良いのかなどと思いつきもしなかったのです。まぁ事前に伝えたから、知ったからと言って、現実と想像は所詮違いますから結果が違ったかどうかは不明です。
そんな私達は、事ある毎に「え?」「え?!」を繰り返しながら過ごして参りました。
例えば、後に、私達の暮らす家に各子供用の子供部屋を用意する事になるのですが、これも夫からすると当たり前で、私には住んでもいない子供達の子供部屋でふた部屋も使うの?!と衝撃でした。
いや、もしかしたら、夫は事前に私が思い出せる事よりもっと多くの事を伝えてくれていたのかも知れません。でも当時の私の想像可能範囲を超えており、私が上手く想像する事が出来なかっただけかも知れません。養育費の計算の仕方はともかく、元嫁と暮らす連れ子達と、離れて暮らすお父さん側の再婚相手である私が、こんなにも頻繁に家で一緒に過ごし、密に関わる事になるとは思っていませんでした。
人生は、良しも悪しも起こり得る衝撃を乗り越えた、その先に未来があるものです。
うんうん。
私達が結婚した時、夫の子供は娘ちゃんが9歳、息子くんが6歳でした。
私達はどのパターンで子供達と過ごしてきたのか、また書きますね。
2020年1月20日