「覚悟が足りなかったんだ」だなんて、言われたくはない。
「覚悟が足りなかったんだ。」
継親が、連れ子とのこと、再婚生活自体がうまくいかないことに悩んでいるとき、周りから絶対にかけて欲しくないと思う言葉です。
でもそもそも「覚悟」ってなんだっけ?
皆さんは、「覚悟」の意味をご存知ですか?
大辞林 第三版の解説
かくご【覚悟】
( 名 ) スル
① 危険な状態や好ましくない結果を予想し、それに対応できるよう心構えをすること。 「決死の-」 「危険は-の上だ」 「 -はできている」
② 〘仏〙 悟りを開くこと。
③ 知ること。 「郎従小庭に伺候の由、全く-仕らず/平家 1」
④ 覚えること。 「本歌を-す/徒然 238」
⑤ 観念すること。あきらめること。 「がつきめ、御意ぢや-せい/狂言・武悪」
私には①番の意味が最初に思い浮かんでいました。だから、「覚悟が足りなかったんだ。」はないな…と思っていたのです。
何故なら、子連れ再婚で起こり得る課題は事前に予想など出来ないことだらけ。大体「ストレスになりそうだな…。」と事前に予想できてしまうようなことよりも、実際には「こんなことがストレスに?!」という驚き戸惑うことの方がストレスを生み出し、悩みを大きくするからです。
継親本人だけの要素ではなく、実親、連れ子の要素も絡み合う子連れ再婚。実際にそうなってみなけりゃわからないことが盛り沢山。
もしも、子連れ再婚に踏み切るかどうかを迷っている人がいるのなら、私が掛けたい言葉は「覚悟は出来ているの?」ではありません。「覚悟など、出来るものと思わない方がいいよ。」ですね。
でも、この「覚悟」の意味をみて、「おや?」と思ったのです。
②番と⑤番。
ここで引っかかるけれど、「悟り」ってなんだ?!とまた今度は「悟り」の意味を調べることになりますが、
デジタル大辞泉の解説
さとり【悟り/▽覚り】
1 物事の真の意味を知ること。理解。また、感づくこと。察知。「―が早い」
2 仏語。迷妄を払い去って生死を超えた永遠の真理を会得すること。「―の境地に達する」
だそうです。
私には、永遠の真理の会得は未知の世界だけれども、なんだか②番と⑤番は「子連れ再婚の心得」的なものにマッチするような…。
パッチワークファミリーって、どの立場に立つ人も思いやりや忍耐が必要で、自身のこだわり(自分の中での常識)を手放したり、相手の思考を受け入れたりが必要になります。
こだわり(自分の中での常識)を捨てるって、自分の信じるものに猛進することよりも、時に難しいのです。「自分は正しい」「これが常識でしょ?!」という自分の中での常識を貫き通し、相手に押し付けるタイプの方には難しいのが子連れ再婚。(いや、結婚かしら。)
欲を捨て
我を捨て
無になりなさい
受け入れよう…
ほら なんだか仏教っぽい。
(仏教を正しく知らないのにごめんなさい。)
例えば私の場合、きれい好きと言われる日本人らしく衛生面でも「キャーッ!」という場面が幾度となくありました。帰宅時の手洗いうがいは習慣なし(夫にもなし)。息子くんは大の石鹸嫌い←何故?! 強制的に洗面所へ送るも根負け。裸足生活好き。裸足で外にも出るし、そのまま帰ってソファにものるし。家で隠れんぼが始まれば埃だらけの家具の隙間に挟まっているし私の寝具にも潜るし。食事の準備のお手伝いでは卓上をまず食器用スポンジでグルングルンと洗い拭き(?)した後、食器フキンで乾拭き仕上げをしてくれます。。。あ、ありがとう…。
それぞれに対策を練り、習慣改善を試みはしたものの、元嫁の家でもそうらしく習慣改善の必要性が感じられないご様子で、来る度に再スタート。「あれ?こだわっているの、私だけ?」状態です。最終的には「大丈夫。バイキンがなんだ。子供達もこれでこんなに元気じゃないか。生きていける。」と落ち着きました。
これも一種の悟りでしょうか。
いや、諦めか。。。
でもいいんです!
諦めても!!
家族全員 元気ですよ!!!
旦那はいつも、なにかとストレスで泣く私を、
「僕は愛する君たちが皆笑顔でいてくれたらそれでいい。楽しく過ごせたらそれでいいんだよ。」
と抱きしめてくれていました。
皆が笑顔でいてくれたらそれでいい。
これが全てだと思います。
こだわりに囚われていませんか? 私がそうでしたが、こだわりを捨てても、結果どうってことないものが多いんですよね。子連れ再婚生活で、そこに気付くことが出来ました。
さて、「覚悟が足りなかったんだ。」問題ですけれども…、やっぱり言って欲しくはないですね。「覚悟が足りなかったんだ。」でも「悟りが足りなかったんだ。」でも「諦めが足りなかったんだ。」でも、やはりどれも嫌ですね。
当事者にしか分からない悩みだと、悩む本人だってわかっているのです。それでも苦しい胸の内を、たまには誰かに聞いてもらいたい。それって子育てで悩む人も、舅姑問題で悩む人も一緒じゃないでしょうか。そこへ「覚悟が足りなかったんだ。」の言葉をかけて、一体なんの助けになるというのでしょうか。苦悩する人に出会ったら、ただそっと寄り添ってあげて欲しいです。
まずは「あなたは頑張っているよね。」と声を掛けてあげて欲しいです。
2020年2月18日