継母側の私が気をつけたこと
夫の連れ子達(娘ちゃん9歳と息子くん6歳)と過ごすようになった初めの頃に、私が気をつけていたことをご紹介します。
なにせ他人同士の大人と子供が、突然親子のような関係になる訳ですから難しい。外で会ってその日のうちにバイバイではなく、家で共に過ごす時間が増えるほど、よい関係を築いていかなければと思いました。
最優先したのが、信頼関係を築くこと。
その為に意識したのが、以下のことです。
・叱らない (躾ない)
・目を離さない
・一緒に遊ぶ
・子供に頼る
・子供に頼られる
・尊敬してもらう
・時に叱る
叱らない (躾ない)
信頼関係もないのにガミガミ言う大人が出現したら、子供にとっては窮屈でしかありません。怒鳴るような叱り方は恐怖心しか与えないし、言い聞かせるような叱り方でも信頼がなければ子供にとっては重要度が低く、結果にまでは繋がりにくいものです。身に付かない「叱り」は繰り返されると鬱陶しくもなります。なので、なるべく叱りません。直接叱るのは、信頼関係が出来てから。
気になる場面でもその時はぐっと飲み込んで、子供達が寝た後、夜に夫と話し合い、意見が合えば、次に同じような場面があった時に夫から注意をしてもらいました。私とは、先ずは楽しく過ごしたという思い出作り優先で。
目を離さない
特に外で遊んでいる時、子供は離れた所にいる親をチラチラと見て確認します。息子くんが特にこのタイプで、夫と走り回って遊んでいてもベンチで座って見ている私の方もチラッと確認する子でした。その度に手を振って「見ているよ〜!」アピール。この何気ないコンタクトの積み重ねが安心感となり、信頼関係にも繋がっていくはずと思い実行していました。
一緒に遊ぶ
「大人」と「子供」という距離感を縮める事でより身近に感じてもらえるように、外でも家でも、出来るだけ一緒に遊びました。
子供に頼る
分かっていることでも、子供に聞いて教えてもらったり、お願いごともします。例えば、スーパーでの買い物中に棚から商品を取ってきてもらう。簡単なことでも頼まれ、こなし、お礼を言われることは子供にとって自信になりますし、こちらからも「あなたを信頼していますよ。」と暗に伝えることになります。
子供に頼られる
子供には難しくても、大人には出来ることで手助けしたり、頼るのとは逆に、頼ってももらいます。
尊敬してもらう
たまには自分の得意分野を披露して「へー!凄いね!」と感じてもらい、尊敬してもらいます。大人にとっては簡単なことでいいのです。私は物作りが好きなので、一緒に物作りをすることで、頼られたり尊敬してもらったりを試みました。
時に叱る
先程と矛盾しますが、時には子供を叱ります。例えば、子供自身、あるいは、誰かを傷つける可能性のあるような危険なことをしたとき。次のチャンスを待っている場合ではないと思うようなときは、私も直接その場で子供達を叱りました。子供を叱るときに気をつけたのは、過去に遡って叱りはしないこと。子供への叱ったり躾けたりはタイミングが大切です。出来事が起きたまさにその時に叱らないと響きません。タイミングを逃したときには、大人が気持ちを抑えて叱ることを諦め、次の機会を待つ方がよいときもあります。
初めの頃はこんな調子で、方針は夫婦で話し合って決めるのですが、直接叱る(躾る)のは出来る限り実親である夫にお願いしていました。同時に、子供達が「パパが萌の言いなりになっている。」と思ってしまわないようにも気をつけなければいけませんでした。
ただ、何事も、言うは易し行うは難し。
実際にはそうスムーズにはいきません。次のチャンスでも夫が叱ってくれる様子が無い時など、目でギロリと合図を送る私を子供達も見て「萌から合図が送られている…。」と思っていたかも知れません。えぇ、そういう時もあったでしょう。。。あったな、絶対。。。
ある程度の信頼関係が出来てきたと思えてからは私が叱ることもありましたが、同時進行で信頼関係も築いていけるようになったと思います。
しかし!叱るのもドイツ語。
叱るつもりで子供達に話しだしたものの、上手く単語が出てこずにごにょごにょとなり、子供達も叱られていると言うよりは戯れているようになってしまい、笑いの場になってしまったこともあります。
私は外国人ですし、子供達の方がドイツ語が流暢なこともあり、言葉や文化の違いで子供達に質問したり頼りやすい環境であったと思います。なるべく「親」として接するのではなくただ「大人」であること、更に、頼り頼られることで上下関係ではない存在となれるように気をつけていました。
因みに、我が家の「叱る」は「話し合う」です。夫も、余程のことでない限り怒鳴りつけるようなことはしない人。話し合いも大人からの一方的な言い方にならないように、子供の言い分も聞く人です。同じように、私とも双方の意見から話し合ってくれる人で、とても助かります。
更に因みに、義母は「子連れで再婚をした実親側」なのですが、再婚当初は夫が自分の子供達を叱りつけることに「私の子供なのに!」と反発を覚えてイライラし、その感情との闘いに苦労したそうです。
人も立場も変われば、状況も感じ方も違う。実親が母なのか父なのかでも、連れ子と継親との関係性や関わり方は全く違ってくると思います。
上記の試みは私の個人的な考えや想いであり、信頼関係を築くのに本当に役立ったのかすら分かりません。
私の場合はこのように気をつけながら、夫を巻き込みながら、試行錯誤していた…というお話でした。
2020年2月12日