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黒猫ミンティとの出会い

ミンティとの出会いは突然であった。
3年間務めた仕事を辞め無職になった私は徳島県にあるNPO法人HEART徳島という保護犬・猫施設に1ヶ月間ボランティアに行った。

1ヶ月間はHEARTが用意してくれてあるボランティアハウスに滞在することになっており、最寄り駅の地蔵橋駅に到着すると迎えに来てもらいボランティアハウスまで案内してもらった。

ボランティアハウスは平屋一軒家で当時ドイツからボランティアで来ていた女性と共同生活を送ることになっていた。

扉を開け、中に入ると明日9時頃に迎えに来るから明日からよろしくと伝えられ、その後ドイツ人女性に滞在のルールなど教えてもらった。

するとボランティアハウスには3匹の猫と1匹の犬がいるとのこと。周りを見渡しても誰もいない。みんなシャイで見知らぬ訪問者に隠れてしまったようだ。

キジトラ兄弟の大きい方がレイモス、小さい方がパンパン、黒猫のミンティ、みんな2歳くらい。生後5ヶ月間くらいの子犬のエリザベス。

ドイツ人女性がレイモスを抱き抱えてくると大きくてボス猫感満載であった。うちの子もだいぶ大きいが更に大きい。そのうちパンパンも出てきたが触ろうとすると逃げてしまう。黒猫は1番シャイで姿を消していた。エリザベスは人慣れしておらず、ケージに入ったまま出てこない。

自室の和室に戻り緊張感が抜けない中、英語もカタコトであったため、とりあえず荷解きをしながら”最寄りのスーパーはどこ?”を何て言おうか考えてたりしていた。

小一時間ほどすると部屋のタンス奥からガサゴソ音がして見てみると黒い塊が出てきて一目散に部屋から逃げていった。これがミンティとの出会い。怖くて様子を伺いながらずっと隠れていたのだろう。後々聞いてみるとミンティはここに来て1年ほど和室の住人であったらしい。

次の日100均に行って爪とぎとおもちゃをいくつか買ってきた。レイモスとミンティはたまに私の部屋に来てくれるようになった。(というか元々はミンティの住処であった)パンパンはクールなのでケージの上かキャットタワーの上にいつもいた。

ミンティは少しずつ慣れていってくれておもちゃで遊ぶのが大好きなことがわかった。しかも疲れ知らずで1時間くらいおもちゃのネズミを追いかけている。動きのキレが抜群で気付くとタンスやカーテンレールの上にいたりするので運動神経もかなり良いと思う。

ミンティは食にあまり関心が無いようで、レイモスとパンパンは猫缶をもらうけど、ミンティは食べようとしない。レイモスとパンパンが足元でニャーニャー言いながらご飯を催促しているとミンティも真似してアンアン言ったりするけど。

ミンティは何故か猫らしく鳴けないらしく小さな声でたまにアンと言う。

みんなでお風呂場に集まって何かしていると思ったらゴキブリを追いかけていた。ドイツ語でゴキブリはカカラケと言うらしい。唯一覚えたドイツ語。そして夜中3時になると大運動会が始まり毎日起こされる日々。3匹の姿は微笑ましくて、毎日癒されて幸せだった。

ミンティはそのうち朝方に私の布団に入ってきてくれるようになった。マッサージされる夢を見たと思ったらミンティが背中をツンツンしていたりもした。

そのうちにこのお転婆娘ミンティを連れて帰ろうと決めた。

ミンティは多頭飼育崩壊し、保健所に入れられてしまった所を運良くHEARTにレスキューされた。12匹レスキューされ、里親が決まったのが最後の1匹だったとの事で、施設の方も喜んでくれた。推定1歳の時に保護され、約1年間HEARTで過ごした。

保護され当時は1歳で2.6キロ、肝臓の値がかなり悪かった。現在は4.1キロで肝臓の値もかなり改善されていたが炎症所見がまだ残っていた。
多頭飼育崩壊、、どんなに劣悪な環境にいたのかをこの数値が物語っていた。

遊ぶのが大好きなミンティこれからは一生幸せに楽しく過ごそうね。

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