腎移植ドナー日記 2022年6月中旬 初診③
その初診の時のメモです。
仕事やファンの方、周りの方のことを考えて、検査を早めてもらえないかということと手術時の入院期間を短くしてほしいという依頼を担当医師に伝え、もう気になる点がなくなった私の代わりに、姉が質問をします。
「傷の大きさはどのくらいになりますか?お嫁入り前の体に傷をつけるので…」
「妊娠はできますか?」
傷かぁ…気にしてなかったな。体を見せる仕事なので大事なことではある。なぜ気にならなかったのだろう。浮かんだ理由は「ファンの方たちを信頼しているから」だった。応援してくださっている方たちの顔はいつだってすぐに思い浮かぶ。ラジオネームしか知らない方はその名前が浮かぶ。その中で、お腹に傷ができた私は応援しないなどと言いそうな人は…誰一人いなかった。信頼しているじゃない、信頼しきっている。ここで急に言うことではないかもしれないがいつも本当にありがとうございます。
傷は数cmほどのものが下腹部に3つとのことだった。
そして妊娠も、全く予定はないが、聞いておくべきことではあった、念のため。問題はないとのこと。
最後に健康診断を受けておいてくださいとの旨が伝えられ、次の問診は3ヶ月後だそうなので予約を入れておしまい。私が福島在住ならばこちらの病院で必要な健診が受けられるのだろうが、遠方から来ているため、自身で受けておいてほしいとのこと。
帰りに病院内のスタバでメロンフラペチーノを姉に買ってもらって、飲みながらベンチで話しつつ、車内でも話しながら姉の自宅へ。
問診中に感じたあることが、会話をするうち確信に変わる。姉は、私がドナーになることに対して大きな責任を感じている。体にメスを入れること、傷が残ること、腎臓を一つ取り出すこと。
私がもし出産したら働いている間子供の面倒も見てくれると言う。貯金も全てあげると言う。これは翌日の別れ際の話だが、新幹線代に色をつけて「これですみずみまで検査をしてもらってね」と言う。自身の仕事である結婚式の司会によって得たお金である。子供の面倒を見てくれるのは有難い。前述した通り予定はないが。新幹線代+検査代は申し訳なさも感じつつ貰う。貯金は流石にいただけないよ。
手術による傷については、正確には下腹部に小さいものが3つと、1ヶ所は大きく一文字に切られるそうです。
小さい3つは内視鏡で腎臓を切り取ったり必要な器具を挿入するためのもの、大きな一文字は手を突っ込んで腎臓を取り出すためのものだとか。
腎移植ドナーの嬉しいところって、病のしんどさや不安をほんの少しだけでも分けてもらえる、一緒に背負えるところだと思っているのですが、
レシピエント(もらう側=姉)には大きな精神的負担がかかっているのだな、と、
メモを読み返して感じました。
手術が終わっても変わらず元気いっぱいでいることで、
姉の心の重荷が少しでも軽くなればいいなと思います。
※追記 腎提供には金銭の授受がないことが大原則です。交通費や検査代は大目に見てくれるとは思いますが。
かかった費用とお茶代以外は貰っていません。
というかそれ以外要りません。