腎移植ドナー日記 2023年2月14日(火) 入院2日目③
一旦病室へ戻り(迷子にならずにひとりでできたよ!)看護師さんからの呼び出しを経て今度は婦人科へ。
注:公にするつもりはなかったメモなので、くだらない話や愚痴のようなものもあります。おふざけ口調で書かれてもいます。
この注意書きを見て合わないかも…と感じる方はご覧にならないでください。
思い出したことが。ここ婦人科でもあったのだが、どの科でも検査や診察を受ける前に問診票に記入をしなくてはならない。しかしどこも移植にあたっての検査用ではなく、病や異常を感じた方用のオーソドックスなものを渡してくださるので、書き出しは大抵「今日はどうされましたか」とある。どうしたって訊かれても、いやどうもしないんだけどなぁ…。続いて婦人科だったら腹痛、不正出血、生理がこない、のような異常を伝える項目があり、他の科なら人間の絵があって痛いところに丸をつけてください、ってあったり。 何て書けばいいんだろう、何ともないつもりだからここにいるんだけどな、と戸惑ってしまうのは私だけでしょうか。
婦人科診察室へ。
子宮頸がん検診の頻度を訊かれ、2年に一回くらいと。この間やって異常なしだったな。生理も順調、特に婦人科系での異常はない旨を伝えて今日の検査の説明。
これから子宮頸がんと子宮体がんの検診、超音波を使ってのエコー検診をするという。
「頸がん検診はやったことありますよね?そうです擦るやつです」
「体がん検診も同じなのですが、子宮の奥の方を擦るので、中には痛い方もいらっしゃって、そういう時には無理にはしません」と。
『中には痛い方もいらっしゃって』うわぁ動脈採血に続いて再びのフラグ、嫌な予感。
診察台に乗り、潤滑剤をつけて何かの器具が入る。子宮のエコーって体内から見るのですね。
続いて頸がん検診。擦られるという表現が最も正しい。
体がん検診。痛い。とんでもなく痛い。
「あー狭いな…もう少し頑張って…」
子宮内に器具が入っていかないようである。せめて力まないようにと呼吸を止めないようにするが痛みは全くおさまらない。ぴったりと閉じているところに金属の棒を無理やり差し込まれるような。息を吐いても何をしても痛い。とにかく痛い。
やめておきましょうの一言で中止。エコー検査で異常がなかったので大丈夫です、と。出血の恐れがあるからとナプキンをもらって装着し、メソメソしながら服を着る。
心が弱ってしまったので1階の街のほっとステーションローソンへ。でも何かを買う気も起きず、隣にある喫茶スペースの椅子に座ってぼーっとする。こんな時に限って吹雪いてるし。吹き抜けを粉雪がぶわわぁぁ〜と舞い上がっていく。陽が落ちて建物内もだんだん暗くなってくる。つられて気持ちも落ちてくる。友達もいないあと3日は帰れない。お家に帰りたい。弱音がぽろぽろ。何言ってるんだ、ずっと患ってた姉の方がよほど大変で不安なはずじゃないか。移植で家族が元気になるためなのに何でメソメソしてるんだ。でもでもだって。
ドナーさんはみんなこんな事を乗り越えてきたのだろうか。凄いな。自分の弱さを見せつけられて情けなくなる。
少し気持ちが落ち着いたところで病室へ。ハキハキした看護師さんからカーテン越しに大丈夫だった?と訊かれて大丈夫でした、と答える。さっきまでは大丈夫じゃなかったけどもう大丈夫だから、もしくは弱音を吐くべき時じゃ、場所じゃないから大丈夫、これで正解。でもカーテン一枚あって良かった。またメソメソするところだった。
夜は疲れてしまったのか消灯と共に就寝。
腎移植ドナーになると発表してから「凄いですね」「強いですね」「優しいですね」と言ってくださる方がいますが
実際の私はこんな感じです。
弱いし愚痴も吐きます。
ただ、人間として未熟な部分を知ることができたので、今は経験して良かったと思っています。
まだ実際の手術は受けてないけれど。
他のドナーさんに話を聞くと、子宮頸がん・体がんの検査はやらなかったという方も。
あと問診票の「今日はどうされましたか」は、「腎移植ドナーになりたいのでしっかり調べてください」って書けばよかったんだよね。
もしこの先ドナーとして検査を受ける方がいらっしゃったらそうしてみてください。