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腎移植ドナー日記 2023年9月22日(金) 入院5日目


・下腹部に挿入されたドレーン(血液等排出用管)が抜ける…!
・血がでろでろと溜まったドレーンバッグともお別れ
・残った管は点滴のみ

・4日ぶりのシャワー!

・咳をすると痛い
・乾燥と後鼻漏で出そうになると飴舐めたり水飲んだり何が何でも回避するほど痛い

・咳をしても三人(大部屋たのしい)



痛み止めのおかげで朝方はぐっすり。体温、血圧、酸素飽和度測定、ほうじ茶の配給はあるがご飯が来る8時過ぎまでウトウト。

朝食。学校給食みたいに牛乳付き。今朝からお粥ではなく白ごはんに。お米の味が好きなのでそのままむしゃむしゃと食べてしまい、しっかりとした味付けのミートボールが残ってしまう。姉も同じメニューのようで、牛乳に喜んでいた(お医者さんによって方針が違いますが、姉の場合は病院の食事では牛乳が出なかったそうです。たんぱく質量の調整か生物NGだからでしょうか?なぜでしょう)。

食後、私がトイレから戻ってくると、同部屋のご婦人お二人がお話し中。おとなしい年上マダムとパワフルなハキハキマダム。昨日の時点で同じ病なのを知ったらしく、年上マダムが年下のハキハキマダムに力づけられていた。ハキハキマダムはこの後手術だそう。私が外を眺めていると話しかけてくれて「若いね〜!」年齢を答えると「二十代だと思った!」と。サービス業をやられていたそうで話せば場がパッと明るくなる方。
年上マダムはこの先の生活の不安をずっと口にしている。心配性な性格は歳を重ねた母に似ている。この方もウォーキングするよう言われているそうだがあまりやる気が出ないと。私もどうせ歩くのでと誘って二人で病棟を1周。2周目に行こうとしたところで看護師に呼び止められ、栄養指導へと向かっていった。

この日悩まされたのは「咳」であった。病院にいる間は副鼻腔炎の薬をやめているが、今日は後鼻漏が特に酷い。喉の奥に鼻水が落ちるとむせて咳き込んでしまう。あと乾燥からもコホコホしてしまう。この咳が傷や内臓に響き相当痛む。咳が出そうになると水を飲んでうるおいを与える、鼻をかむ、飴を舐めるなど全力で抑える。または腹筋以外の全身に力を入れて小さな咳として小分けに出してみる。こんなに痛むとは。
前回手術直前で中止が決まった時、風邪が治りきっておらずかなり咳き込んでいた。あのまま手術を受けていたら…痛みで頭がおかしくなっていただろう。さらにあの時は入院初日が生理一日目で翌手術日は出血大サービスデーだったんだよな。その後のおむつ生活なども考えると…かぶれや経血のにおいにも相当悩まされていただろう。

時間失念、午前中に執刀医さんが訪問。点滴の管は夜まで残ることを説明し、ドレーンを抜いてくれた。それほど痛みなく。というか今は「咳」一発で「つうこんの いちげき !! 」だからそんじょそこらの痛みはもう痛みと感じない。看護師さんに「お友達(常に一緒の意)」と教えられたドレーンバッグともお別れである。さらに全てのことが終わるのが9月25日(月)、退院予定日が翌日であることを告げ帰っていった。家で軽く荷物の入れ替えはできるが、翌日26日のYMZ新木場大会にはここから行くと思っておいた方が良さそうだ。

執刀医さんとのお話の後は、今日から日勤で付いてくれている看護師さんが体を拭いてくれるという。先ほどドレーンが外れたと話すと「それならシャワーが可能」と。想定外のご褒美!点滴残ってるからダメだと思ってたよ。
点滴の管を途中で外し針周辺をラップフィルムのようなもので包んでもらう。手術前日以来、4日ぶりのシャワーである。本当のことを言うとお風呂面倒くさくさマンなので自宅へ引きこもれば数日入らないこともある。体のパーツで最もにおう「頭」で比較した場合、今回は急を要するレベルではない。が、汗で首周りが酸っぱいのはいただけなかった。あと脇の下。左はミートソースで右は何かの植物みたいなにおいだったのも。お風呂でさっぱりとお別れ。
さよならはるひの酢漬け、さよならミートソース。さよなら植物(たぶん古くなった花瓶の水のにおい)。

表は綺麗になった。が、体の中はどうだ。
…出ないのである。元々食べる量が多いため、それはそれは立派な大腸からのお便りが日に何度も届く人間である。それが手術日の朝に目にしてからほぼ3日、食事を再開してから1日半、とんとエンカウントしていない。時間に比例してお腹が大きくなっていくのが気持ち悪い。
午前中に看護師さんに相談し下剤を使うことを提案されると出したい気持ちはもう抑えがきかなくなり、そこから点滴を替えに来た日勤の看護師さんに「下剤をください…」日勤終わりのご挨拶に来たらまた「下剤を…」夜から担当ですとご挨拶に来てくれた看護師さんにも「下剤を…」会う人皆にう◯この話ばかりしている。

そしてお昼ご飯後とお夕飯の後に、年上マダムとウォーキングを。昼食後に歩いていたらハキハキマダムがお引越しした個室で待機中だった。手術がまだ始まらないという。
年上マダムに「若い人と歩いていいわね〜」と話すハキハキマダムに「がんばって!」と声をかけたが、交わした言葉の最後は、ハキハキマダムから年上マダム宛の「ファイト!」だった。今から自分の決戦なのに。カッコいいぜ。

大部屋では、ハキハキマダムがいた場所に小さなお子さんがいるというお母さんが。年はきっと私と近いはず。お子さんの大切なイベントに向けて体を治そうと頑張っている。

大部屋の快適さは隣人との相性次第と言われていた。
みんないい人で良かった。いびき問題もよく聞く。みんな静かで良かった。
…みんな、だと?己を含まないとは何たる自分都合。すみません私はスーパーいびきマンなのでなるべく横向いて寝るようにしています。それでも迷惑かけてたらごめんなさい…!!

食欲が満たされたら次は排泄欲。
結局出ずに終わった日。

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