腎移植ドナー日記 2022年6月中旬 初診①
その初診の時に書いたメモです。
15時までに福島駅着の予定が新幹線の遅れで15:10に。
病院へ向かう車内では姉から「何か聞きたいことある?せっかく福島まで来たんだから」と。何かあったかな?
福島医大に到着。姉がご馳走してくれるという院内のスタバは後回しにして腎臓内科へ。
人当たりのいい男性看護師さんが姉に挨拶。この方が臓器移植がスムーズに行えるよう調整してくれる「移植コーディネーター」だという。
まずはその移植コーディネーターさん、姉、私の三人で個室にてお話。
「この方が妹さんですね^^」「ドナー候補ということですね^^」「先生に聞いておきたいことはありますか^^」終始穏やかな微笑みをたたえながら話してくださる。
私がプロレスラーであること等は予め伝わっているため、それほどこちらから話すことはなく。先生に訊きたいことは適合するか否かの検査を早めにできないか、という点である(理由は後述)と伝えると、「わかりました。それではお姉さんには一度退室していただいて妹さんと二人でお話しさせてください^^」と。二人きりで話したいとは意外な展開。なんだなんだ?
姉がいなくなってからは「どうしてドナーになろうと思ったのですか?^^」
想定外の居残り時間に想定外の質問。
動機…考えたこともなかったな。
口から出たのは「姉には子供がいるので、少しでも姪と一緒の時間を過ごしてほしいからです」だった。
そうだったのか私。姉からドナーになってもらえますかと言われた時、二つ返事でOKして、姉妹なんだから当たり前だ、私の内臓一個で快適に暮らせるなら安いもんだ、色々思ってたけど咄嗟に出たのはこれだった。私の心を大きく占めていたのは、長いこと付き合ってきた姉のことも勿論だけど、姪という新しい家族のことだった。
「そうですか^^わかりました。妹さんの意思を聞いておきたかったのです」
動機を訊きつつの意思確認であった。中には断りづらくなってしまう人もいるということなのだろうか…?確かにうちも身内少ないから私以外提供できる人は多分いない。嫌だという気持ちは全くないが仮に嫌だと思っても断れないだろう。こっそり断ることもできるようになってるのだとしたら、この時間は絶対に必要だ。
「何かあったかな?」
のっけから性格出てる…呑気だなぁ。
自分の体のことならばふつうもっと気にしたり気になったりするはずなのでしょうが。
こういうところのんびりしてるんです。
移植コーディネーターさんからされた「意思確認」は、この後何度もされることになります。
このタイミングで必要?と思ってしまうような場面でも。
強要でなく自らの意思で腎移植ドナーになった、ということがとにかく大事なのです。