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育休・ブランクに悩むママに送る転職体験記

体験記といってももう5年以上前の話ですが。出産のタイミングや育休・ブランクを経験してからの転職・再就職を不安に思う人も多いと聞いたので、どうにかなるよ!ということを伝えたく、記憶を辿りながら書いてみる。

出産・転職にまつわるよくあるお悩みってこんな感じ?

みんなが悩むところってこんなところかなと思うんだけど・・・

(1)出産のタイミング:一定のキャリアや武器を身につけてから出産したい。妊娠ってしないようにするには、ある程度コントロールできちゃうから踏み切れない。でも不妊って思ったより身近で不安。
(2)機会損失:子どもは欲しいけど、子どもがいるとチャレンジできないんじゃないか。子どものことばかり第一に考えるよりもっと自分に時間使いたい。
(3)生活/給与水準:ブランクがあると、給与や生活水準がガクッと落ちるのではないか。やりたい仕事ちゃんとやれるのかな。。

少なくとも私はそう思ってた。
私にとっての理想は、一定のポジションや武器を身につけてから子どもを産み、そのポジションで復帰することだった。日経DUALとかのメディアのワーママ枠で出てくる人たちはこの類。マジで憧れしかない。

33歳・子ども5歳になった今、私はまだ”一定のポジション”にはいないし、給与水準は前職ソフトバンク時代のバリバリ残業するし業績連動インセンティブ入ってた頃よりだいぶ下がった(時短だしフロントじゃないし)。育児に多くの時間を取られていた5年間、仕事だけに熱中できていたら、もっといろんな経験を積めて今と違う自分になっていたかもしれない。そう思ってしまうことはある。自分のことだけに時間を使える会社の若手が羨ましい。自分も若い頃そうだったのに笑。

ただ、以下のことを思うと「今の人生・キャリアを歩んで良かった」と、これは強がりでも妥協でもなく本気で思っている。

・自分の価値観に沿って働けている
・より刺激的な環境で働けて、世界が広がり視座が高まった
・自分の強みを活かせている
・なんだかんだ徐々に年収を上げて来れている
・33にして、もう一段仕事のアクセルが踏めるくらい子どもが大きくなった

そして書きながら自分に言い聞かせてるんだけど、結局どんな人生歩んでも、”ない”方ばかり見てたらキリがなくて、“ある”方に感謝するしかないんだろうなぁ、なんて思ったり。そんな私の体験記。

自己紹介

井竹 萌(33歳)
早稲田大学商学部→ソフトバンク営業5年→夫のイギリス駐在帯同とともにイギリス留学→帰国&出産→育休的なブランク1年&就職活動→サーキュレーション キャリアアドバイザー3年・カスタマーサクセス1年。


・子どもは5歳の男の子1人。心が満たされたので子どもは打ち止め。
・国家資格キャリアコンサルタント取得に向けて勉強中。
 フリーランス向けにキャリコンやりたい。
・趣味はピラティス・キャンプ・絶景旅行・たまの飲み会♡
・自己肯定感低めで、時折沼に落ちる癖あり。
・自分を信じて前向きに生きられるようになるため現在ポジキャリ受講中。

ここから時間軸に沿って退職から社会復帰までを振り返る。20代半ば〜30代ってライフイベントが立て続きに起こって切り離して考えにくいからあえて全部混ぜて書く。

退職〜留学〜妊娠発覚まで

ソフトバンクからイギリスに行くときに、当時留学して戻ってくるための休職制度がなかったので退職。むやみやたらに退職は推奨しないが、私は当時ソフトバンクでそのままキャリアを積んでいくイメージが持てていなかった。営業としての成績は出していたし、何度かMVPもとった。商材や値段で競合と差が付かない中、受注時の商材跨ぎの特典だったり、運用面でその顧客向けのオリジナルの差別化ポイントを練り出し勝ち取るのが楽しかった。

唯一の問題は、扱っている商材自体にどうしても興味が湧かないことw
好きで勉強する人に勝てないと思ったし、私が個人的に社会的意義を強く感じられてなかったから、私じゃなくても良くない?って気持ちがずっとあった。だから夫がイギリス研修行けるかも!ってなったとき、ビビッ!ときちゃって。ずーっと英語好きで勉強していたけどちゃんとした留学経験がないのがコンプレックスだったし、ロンドンに住めるなんて最高だし、「え、行くしかなくない!?」と退職したわけです。

2015年6月あたり、夫の研修がおおよそ決まりそうってのが見えてきてから、仕事と並行し留学に向けた準備を開始。手続き支援をしてくれるエージェントとの契約、夫の通勤時間も考慮しながら大学探し、IELTS6.5以上の獲得に向けてプライベートレッスン開始、オンラインでスピーキングの練習、アプライに必要な英文書類作成や早稲田大学への推薦状の依頼。このときは留学コンプレックスと「世界を股にかけて活躍する社会人になりたい」の憧れに向けた自己実現の一環だったので、うちなる炎がメラメラと燃え、まーよくやったもんだ。

結局、行きたかった大学に通えることに。ただ、イギリス渡航後1ヶ月、学校に通い始める直前に妊娠が発覚。めっちゃ気持ち悪い。
正直妊娠を知ったとき、ショックだった。今からチャレンジするところなのに!!!無職だし、何の強みもないのに!!!って。仕事や実績でしか自分を評価してあげられない病の私にとってこれは結構な事件で、泣いちゃダメってわかってたけど、泣いた。夫は嬉しさを表現するにもできず、戸惑っていた。当時結婚して2年。子どもが欲しくてしょうがない夫を前に、イギリス連れてきてもらったしな、これでできたら運命だと思って試してみた日がありましてね・・笑(いらん情報すんません)。

つわり期間中は歩く振動だけでも吐きそうで、出口の見えない二日酔い状態。ちょいちょい学校休みながらも、体調が安定してからは毎日ちゃんと通って、コースをちゃんと終えた。学校の合間にヨーロッパ旅行も6カ国くらい行って、人生のモラトリアム期間をゆっくり楽しんだ。

帰国〜出産

お腹パンパンで帰国後は育児一色。あんなに戸惑ったけど、生まれてきた我が子は可愛くて可愛くて。毎日が小さな幸せに満ちていた。ただ同時に肉体的疲労(数時間おきの授乳・夜泣き・抱っこでしか寝ない・そもそもずっと抱っこ重い)と不安(社会復帰できるかな・保活どうしよう)と初めて経験する「時間の流れがゆっくりな世界」に飽きも感じるときもあった。

脳科学の中野 信子先生が言ってたけど、身体が生殖に向いているのは二十代かもしれないが、脳が子育てに適した状態になるのは四十代ぐらいだということを示すデータがあるのだそう。これは本当にそうだと思う。まだ自分のことやりたい盛りの私には、育休中のゆったり時間を楽しむ心の余裕がなかった。資格の勉強とかすればよかったのかもしれないけど、それにしては眠いし体が疲れてるし家事と育児で忙しい。どの道を極めたいかが決まらなかったから、何をやろうかな〜と悩んでる間に終わっちゃった。

保活〜育休中の転職初期:2016年5〜8月(〜生後5ヶ月)

私はママになっても働くことは心に決めていたし、案の定専業主婦を楽しめるタイプではなかったので、社会復帰を諦めたことはなかった。
まずは保活。そもそも前年働いていないので、認可保育園は絶対無理。将来の転園に向けて認可保育園の見学もしつつ、認可ではない、認定保育園をメインターゲットに2016年5月くらいから保活スタート。ラッキーだったのは、認定保育園の入園権を8月には確保できたこと。枠を抑えるのは指定された日時に電話予約するという古風な方法。両母に協力してもらい、地理的に異なる2箇所の家電+3つの携帯電話からかけまくったら運良く繋がったというだけで本当にただの運。その後本格的に就職活動を開始した。

まずはマイナビエージェント、リクルートキャリアなどの大手と、派遣がメインのビースタイルに登録&面談。就活する中で一番侮辱的だったのは、「保活のための就活ですか?」の一言。これは血圧が上がったw もちろんモチベーションは人それぞれだから否定はしないんだけど、エージェントがそれを言うのは違くない?私は自分が社会的意義を感じる仕事がしたくて真面目に探しにきてんのよ!ナメんな!って思った。

2016年って「働き方改革」って言葉はもう世の中的には言われてたんですよ。ママのキャリアに関する話題、巷に溢れてたんです。
でも実態は時代はそう簡単に変わらない。それを痛感した。子どもの生活スタイルを基準に正社員・9-17時勤務・残業なし・企画系職種(営業職以外のキャリアを積みたかった)の条件で仕事を探したら、とても魅力的だと言える仕事の提案はなかった。時代のせいだけにできないのは、確かに私は即戦力人材じゃなかったから。ただ子持ちとはいえ28だし、ポテンシャルは実績から察して欲しいと思っていただけに、チャレンジさえできない事実は、結構ショックだった。

育休中の転職中期:2016年秋あたり

大手エージェントでの条件検索で魅力的な仕事がなさそうなことがわかったので、改めて自分がやりたいことを考えた。

子どもがいるから時間的制約がある中で働くことが前提

それなら自分が社会的意義を強く感じる仕事がしたい

母・職場の先輩・自分のブランクありの転職経験を経て、やっぱり女性の働くって難しいを実感

女性の働く選択肢を増やしたい

本を読む中で、これからは介護との両立に悩む男性管理職世代も増えることを学ぶ

【すべての人が柔軟に働き方を選択できる社会を創りたい】

と軸が作られていった。
やっぱり改めて思うのは、人は今まで見聞きして体験してきた世界に課題感を持ったりするってこと。今何もないと感じる人は、幼少期からの人生を振り返る中で、好きだったこと、コンプレックスだったこと、課題感を持ってたことなどを振り返るといいかも。

軸が定まったところで、以前から気になっていたワークライフバランス社とキッズライン社にも直接応募。関連する本やブログは育児の合間に結構読んで頭の中に染み込ませた。そして企画職やりたいとかいうこだわりはこの頃には捨てていて、なんでもやる気概で挑んだ。
結果、ワークライフバランス社は書類落ち、キッズラインは社長面談までしたけれど即戦力ではないとのジャッジだった(当時創業2年目)。これも凹んだ。確かに即戦力ではないけど、やりたいこと軸でもダメかよ!私ってそんなに価値がない人間なんだろうかと。

育休中の転職後期:2017年1月頃

ここまでダメダメな私。一旦辛くなっちゃって、就活も1ヶ月近く休んだと思う。ただ諦めたわけではなかった。落ち込んだ私が、ソフトバンク時代の友人で、メルカリに転職して楽しそうにしてる子に相談してみたところ、「ベンチャーいいよ!ベンチャーはWantedlyだよ!」と教えてもらい、Wantedlyに登録。そこからまた世界が広がった。
はっきり思い出せないが「働き方」「副業」「女性」とかのキーワードで検索していたのではないかと思う。中でもダントツで事業内容がおもしろくって社員も魅力的に見えて、ココだ!!と思わせてくれたのがサーキュレーション。うまく行ったポイントはこの辺りかと考えている。

・私の軸や原体験と会社のビジョン・ビジネスモデルがいかに繋がっており、やりがいを感じているかをきちんと自分の言葉で伝えられた

・実際の仕事のイメージを膨らませる上でわからなかったところを素直に知りたく、具体的な質問をしていたので、意欲の高さが伝わった

・本当にこの会社が入る前から好きだったから、HPに掲載されている社員の情報がもはやお友達かのように話せたw

自然体でトントンと進み、2017年1月に内定。やっと出会うべき会社に出会った感じがした。自分が社会的意義を感じる仕事だし、久しぶりの社会復帰だし、今までにないくらいワクワクした。

育休中の転職を振り返って大変だったこと

大手からベンチャー、未経験の職種、初めての育児との両立。最初の半年はやっぱり大変だった。最初は要領を得ず、残業+自習で気付いたらダイニングテーブルで寝落ちしたまま朝を迎えることもしばしばw うちは夫が家事育児何でもできる人なので両立がしやすいのだけど、流石にこの当時の働き方みて「お前の会社大丈夫?そんなに大変ならやめたら?もう少し家事にやってほしい」と何度言われたことか。うちは幸い両家の両親とも電車で1時間の距離にあるので、息子の体調不良など助けが必要な時は両母の力を借りた。夫はとても嫌がるけど息子と外食もよくした。家事代行サービスを使うのに抵抗がない人は金で解決してもいいと思う。夫は精神論が先行するから解決策を見出すのが難しくて、ムスッとされて関係性が絶妙に悪化しながらも「まぁまぁ」なんて適当になだめながら、なんとなく乗り切った笑。再就職初期はマジで夫に負担が寄ってたから本当に感謝しかない。この時期が一番無理が生じるから、なんとか周りの協力を得ながら乗り越えてほしいな。

転職後、育児と両立して積んだ実績

現在までにキャリアアドバイザー3年、カスタマーサクセス1年の経験を積み今に至る。

CA時代の実績
・約1000名のプロ人材のカウンセリング担当
・累積稼働数620件以上、担当したプロ人材からの友人紹介数100人
・法人向け8本のイベントを1人で企画&実施→62件のアポ獲得→数件の受注に貢献

CSとしての実績
・立ち上げ第二期のオペレーション固めと新メンバー育成に貢献
・月次100件のプロジェクトフォロー実施
・全社解約率目標達成(あえてちょっと伏せておきます)

派手な実績はないが、
・実は念願だった企画職の経験が積めている。
・天職ややりたいことに出会っている。
・自分のことだけに集中できる時間があるからこそ、息子との関係性がかなり良好。というかラブラブ♡(←ぇ)


年収は下がったが、9-17時の時短扱いにしては、充分に両立しながら理想的な経験が積めてきたことを今改めて認識できた。夫や家族、今の会社で救いの手を差し伸べてくれた人、私を育ててくれた人に感謝しかないな。

育休・ブランクを経験してからの転職・再就職を検討している方へメッセージ

①まずはちゃんとやってきたことを振り返り・言語化する
どうしてもブランクがあると自信はなくなってしまいがち。だからこそ、過去の経験の棚卸しから始めて、頑張ってきたことを思い出して。職務経歴書を書くって、やっぱり基本。

②自分の人生の満足度はどこからくるかを中長期目線で考えてみる
一度離れたからこそ、なぜ働くか?何をやりたいか?をしがらみなく明確にできるチャンス。過去の正解がこれからの正解とは限らない中、マクロトレンドも踏まえ、中長期目線で年収を上げられる方に早めに舵を切っておくチャンス。それを理解した上で今重視するのは、経験なのか、年収なのか、安定なのか?1番欲しいものを明らかにする。私は共働きなら特に、一時的に年収が下がっても理想とする働き方や経験したい職種を実現できそうな道を選択するのが良いと考えています。今の時代、キャリアは「逆張りと掛け算」とmorichiさんも言っている。中長期的に自分だけの強みを見出すなら、一時的に年収が下がってもチャレンジに進んだほうが良いと、私は思う。

③人生の満足度がどこにいたら得られるのか?を考える。
自分の強みや課題認識やパッションが活きる企業はどこか?どの成長フェーズにある企業か?(50名くらいまでの熱狂フェーズ?100名前後の組織化していくフェーズ?300名以上の安定した組織の中?それとも大企業?)、その業務内容のどこに過去の経験が活き価値提供ができるのか、腹落ちするまで探し、考えてみる。そして私のおすすめはやっぱり100名未満のベンチャー笑。ママであってもやる気があれば、打席に立てる確率が高いと思う。

そして最後に伝えたいのは、『結局全て思い通りになるわけではない』ということ。そして同じ経験をしてもポジティブな人はプラスに捉え、ネガティブな人はマイナスに捉える、ということ。

結婚も妊娠も出産も転職も、タイミングを完璧にコントロールできる人は稀。特に結婚するとパートナーの意思も関係してくるし、「流れ」というものがある。うまく流されながら生きていく、というのが守るものができた後のリアルなのかも。
そして何でもポジティブな側面を見る練習が必要。私はネガティブに捉えがちな癖があるから、もしかしたら理想としてた"ポジションを築いてから出産→復職"が実現できてたとしても、「もっと若いママになりたかった」「部下がいるから子どものために休みとりたくても言いにくい」「自分だけ視座上がっちゃって家での会話合わない」とか言ってる可能性あるわけですよw 全ては捉え方次第。だから私は今、今後の人生をご機嫌に生きるために自分の心と向き合って、OSから変える取り組み中。

長くなりましたが、こんな感じです。悩む人がいらっしゃったら気軽にご連絡くださいね^^

以上

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