什器のDIY物語
先週末のヨコハマハンドメイドマルシェ、おかげさまで無事終了いたしました✨
お買い上げいただいたお客様はじめ、手伝ってくれた家族や、初出店ということで駆けつけてくれた友人・知人の皆さんには心から感謝申し上げます!!本当にどうもありがとうございました😊🎵
さて、今回初出店するにあたり、作品を展示するための什器を準備する必要がありました。
時間もあまりなかったので購入してしまおうかとも考えていたのですが、最終的に自作することにしたので、今回はその経緯と制作過程を少しご紹介したいと思います!
木材でDIYするときのポイントも多少織り交ぜて記載しておりますので、よろしければ最後までご覧ください^^
1)自作するに至った経緯
出店する上で什器が必要になることはイベントに申し込んだ時点で認識しており、何とな~くの展示イメージはノートに描き出してはいたものの、何せ商品ラインナップがまだ完全に揃ってはおらず、どの作品をどれくらい作れるのか、どんな新作をその日までに仕上げられるのか、がようやく確定した時には開催日の2週間前をきっていました💦
さあどうしよう、まだ出品する作品も全部出来上がっていないし、もしイメージに合う既製品があったら買ってしまおうか・・・と悩みつつ、ネットで什器を検索。
そこでなんと、私がぼんやり描いていたものとほぼ同じような商品を発見することができました!
それがこれら↓↓
詳細を調べてみるといずれも、ヤマコーさんという店舗内装品を扱う岐阜の会社の商品でした。
私が欲しかったのが、これらのように「入れ子」になっている木製の什器で、サイズ感的にもなんとなく良さげ。
価格は全部揃えたら2万円を超してしまうものの、(自分で作るとなると自分の時給が発生するので)材料費+自分の時給を考えたらそこまでお高いものではないと判断。
そこで、まずは段ボール工作で実際のサイズ感を確かめてみることに。
こういう時のためにため込んでいた段ボールで、ざっくりのサイズで作ってみました。
仕上がりが汚くてすみません(笑)
これらのサンプルに、実際の商品を並べてみて、なんだか良さげだったのでよし、買おう!と再びネットの検索画面に戻ったのですが、ふと気になったのが「素材:ヒノキ合板」の文字でした。
ヒノキ合板自体は自分で扱ったことがないので正確なところはわかりませんが、一般的に「合板」と名が付くものはとにかく重い!というイメージが。。
腱鞘炎と日々戦っている私にとって、正直「お金がかかる」ことよりも「重い」ことの方がさらにリスクが高いのです😓
そこでこの商品を扱っている通販ページをできる限り調べて、重量を確かめようとしたのですが見つからず・・・
うーんどうしよ~と悩みに悩んだ挙句、「何かひっかかりを感じる時はその判断を止めるべき」という自分の信念に基づいて購入はペンディングに。
(自分の直感を信じます)
そして、ホームセンターに木材の下見に行くことにしました。
2)ホームセンターへ下見
我が家には、車がない&木工機械もない&最寄りのホームセンターまでは自転車で片道40分!、という、木工もやりたい私にとってはなんともハードルが高い暮らしをしているのですが、自分の中のひっかかりを解消するためにはとにかく実際の木材を見て最終判断をせねば、ということで30℃近い陽気の中、汗だくになりながら自転車で最寄りのホームセンターへ。
そこで「ヒノキ合板」がないか探してみましたが、残念ながら見つからず・・・
でもやっぱり、「合板」と名前が付いているものは総じて重かった!
そんな中、びっくりするくらい軽い木材に出会うことができました。
その名は「桐集成材」。
よくホームセンターで売られているスノコなどに使われる材です。
(スノコの状態に加工された例↓)
よし、もう腹をくくってこれで作ろう!と、使えそうなサイズの材の値段を片っ端からメモしてその日は帰宅。
そこで「木取り(一つの木材からどうやってパーツ取りするかを決める作業)」を行い、ざっくりかかる値段を算出したところ、総額6~7千円くらいの見込みとなりました📝
自分の時給を考慮して2日で作れれば、買うよりは安いかなという点も明らかになったので、「自作する!」を最終決定としました。
3)再びホームセンターへ
決めたらどんどん行動するタイプなので、木取りが決まった翌日、さっそく(また片道40分自転車をこいで)ホームセンターへ🚴
そこで必要な厚み・幅のものを買い、木材カットサービス(有料)でひたすら必要な大きさに切っていただきました。
全部切るのに30分かかりましたが、たぶん自分で横切り(木工機械)を使って切るよりは早いかな。
けっこうな量の木板だったので、配送サービス(有料)を使おうか悩んだ挙句、リュックにパンパンに詰め込んで、入らない材はビニール紐で肩掛けカバン風に縛り上げて、根性で全部持って帰りました(笑)
そこで感じたのが「やっぱり軽い!!」でした。
これだけの木材を全部自分で持って帰ってこられて感動。
ここまでで自分の判断は間違ってなかったと確信しました。
4)組み立て
<仮組~接着>
さあ、いよいよ組み立てです。
まずは、自分が計算した木取り寸法があっているか不安なので、接着前にマスキングテープを使って仮組をしてみます。
OKそう、と分かったところで接着前の下準備。
切断面にバリが出ていたので、ざっとヤスリ掛けをします。
普段は当て木に紙やすりを巻き付けたものでやすっていますが、とにかく早く終わらせたかったので、昔、まだ木工を本格的に始めていなかった頃に買ったお高めのヤスリを引っ張り出して使いました。
数回なでる程度のやすりがけに留めましたが、まあまあ綺麗になりました。
続いていよいよ接着です。
私はいつも、耐水性が求められる用途以外では普通の木工用ボンド(白ボンド)を使うのですが、今回は時短のため、昨年試しに購入していた外国製のボンドを使ってみます(初使用)。
専門学校時代にこちらを愛用していた子がいたのですが、特長として①耐水性がある、②乾燥が早い、③乾燥後にヤスリで削れる、という点があるようです。
接着する部分の両面にボンドを塗ります。
コバ(年輪が見える面:繊維方向に対して垂直な切断面:下の写真でいうところのクランプに挟まっている木板のボンドが塗られている面)の側は多め、そうではない方は少なめに塗ります。
一人で作業するので、コーナークランプを使って仮留め。
続いて、仮留めした状態で釘を打ちました。
必要な大きさのクランプが十分量あれば、釘など打ち込まずともきちんと接着できるはずなのですが、何せクランプが少ないので、釘さんに接着を手伝ってもらいます。
ちなみに、釘を打つ前には釘を打ち込む部分に予めキリで軽く穴を開けておき、短い釘を使用する際には釘をペンチで持って打つと失敗しにくくなりますよ↓
四面接着できたら、コーナークランプをはずして普通のクランプでギュッと圧着します。
これで持ってるクランプのほぼ全て・・・貧弱すぎです😓
こちらは縦長の什器を圧着している様子↓
全然クランプの数が足りてません笑
無事接着されることを祈るばかりです。
ちなみに、持ってるクランプの開口幅が小さいものばかりだったので、一番小さいサイズ以外はクランプをほとんど挟めず・・・
こういう時はマスキングテープでぐるぐるに縛り上げます。
(中サイズの箱の接着↓)
ここでマスキングテープの色がいろいろなのには全く意味がないです。
これまで使ってみてあまり使い勝手が良くなかったものを消費すべく、ここぞとばかりに使ったため、こんな状態になりました🐈
(ちなみに今回の制作で、合計4本以上のマスキングテープがあっという間に消えていきました・・・)
<中間仕上げ>
箱形の什器の場合、ぐるっと1周分の4面をまずは上記のように接着した後、底になる部分を接着します。
底を付ける前に、4面の「ツラ」を整えます。
分かりづらいですが、2枚の板の高さが微妙に違っています↓
これを#80のヤスリで削って整えました。
だいたい整ったら、底板を接着します。
(一番大きな箱の底面接着時の様子↓)
もっとマスキングテープでぐるぐるにしたかったのですが、在庫切れにつきこれにて断念。。。ちゃんとくっつくかな?
<仕上げ>
1日放置して、接着剤が完全に乾いたのを確認したところで仕上げです。
はみ出ている板やボンドをやすって綺麗に整えます。
こちらは、板のサイズが若干合わず、はみ出している状態↓
やすりで削るには量が多いので、裏返してアサリがない鋸で余分な部分を落しました↓
切り終わったところ↓
次にこちらは、ボンドがはみ出している部分↓
先ほどののこぎりで切り取った部分とあわせて、#80の紙やすりで削って整えます↓
次に#180のヤスリをかけ、段差がひどかった部分もはみ出したボンドも、だいぶ綺麗になりました↓
続いてこちらは、クランプで抑えたところが跡になって凹んだ部分↓
凹んだ部分に濡らした布を当て、アイロンで加熱します↓
ほとんどわからない状態まで凹みが戻りました↓
最後に、全体を#180の紙やすりでザーっとやすって仕上げます。
いつも自分の作品を作る時は#180 ⇒ #240 (⇒#320) ⇒ #400 ⇒ #600 ⇒ #800までかけますが、今回はそこまで必要ないと思ったので、#180一択のみで終えました。
仕上がった什器(塗装前)↓
箱型の方↓
写真で見るといい感じですが、自分の作品としては60点ですかね・・・
細かいところにいろいろボロがあります😜
什器として使う分には無塗装で良いかなと思いはしたものの、梅雨という「雨」「汗」が付着しそうな時期に持ち歩かねばならない点、このままだと箱形の方が「骨壺入れ」のように見えて仕方なかったので、オイル塗装することに。
<塗装>
塗装用のオイルには、昨年買ったものの(最近はほぼ100%自作の蜜蝋クリームで塗装しているため)お蔵入りしていたクルミオイルを使いました↓
同ブランドのクルミオイルは、専門学校時代に買ったロットは美味しかったので、バターの代わりにパンに塗ったりして食用としても消費していたのですが、昨年購入したものはハズレだったようで酸化した臭いがしていたため、木工以外では使えず大量に残量があります・・・
小さく切ったスポンジで塗り広げます↓
最後、塗装後の完成写真を撮り忘れたので、実際の出店時の写真をご紹介↓
背景に人がたくさん写っていたのを無理やり消したので見づらくて申し訳ございません・・・
「骨壺入れ」からは脱して良い感じの色味に仕上がりましたが、1つ問題が・・・
それは、「塗装したオイルがいつまでも染み出してくる!」という問題。
これまでいろいろな木材を食用油で塗装してきましたが、こんなに油が(木材内部に浸透せず)にじみ出てくるという経験がなかったのでびっくりしました。
人工的に調合された木工用オイル(オスモカラーなど)を使えば早く乾いてくれて気にならなかったのかもしれませんが、あのオイルは完全天然ではないし、何より臭いが苦手・・・
(木工用オイルの研究に関する過去記事↓)
結局、出店1週間前に塗装を終えたのに、出店時も油を滲み出させ続け、一部の商品を汚してしまって売れなくなってしまう、という失態につながりました😿
今後、桐集成材を塗装する時は気を付けます・・・
5)終わりに
今回、「軽い木製什器にしたい」という思いから、上記のように什器を自作してみました。
作ってみた結果、良かった点と残念だった点を総括してみると、
<良かった点>
○ 本当に軽いものができた。
: 入れ子になる形状にしたこともあり、おかげで、当日手持ちで搬入できた(車がないのでこれらの什器一式を持って電車に乗りました笑)。
○ 割と短時間でできた。
: 設計(木取り)やホームセンターに下見&買い出しに行く時間を含めても、延べ3日弱の時間で制作できた。
○ 出費を抑えられた。
:(自分の時給を考えなければ)市販品の1/3以下の値段で一通り揃えられた。
<残念だった点>
× オイル塗装が予想外の結末をもたらした。
: 革製品を2つほどダメにしてしまいました・・・これらは使える部分を他の作品に作りかえるなどして生まれ変わらせる予定です。
× 今回の展示形式がベストではないと分かったので、また作り直す必要がある。
以上、初出店と合わせてとても良い経験になりました!
長文に最後までお付き合いいただき、どうもありがとうございました🐣