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木製花瓶 ~制作日記~

前回の記事でご紹介した「へそ曲がり」な木製花瓶。

今回はその制作記録を特別にご紹介したいと思います~🎯


≪Day 1≫

まずは粘土で大体のイメージづくり。
実際に中に入れる花瓶を芯にして、油粘土で肉付けをしていきました。
2kgの粘土があっという間になくなった!
これはなかなかの大物の予感~😆

この試作どおりに仕上げたい訳ではない(木目など見て曲線の具合など適宜調整する)ので、細かくは仕上げません。

必要な木材のサイズを割り出すため、最大高・最大幅を測りました。


≪Day 2≫

必要なサイズを満たし、
花瓶に適した性質(変形しにくい等)で、
削りやすい
・・・
ということで、クルミの板を購入。

オレンジや緑などいろいろな色が入っていて綺麗な木目!
こちらを2枚Get。

これらの板の表裏を機械で平らに整えた後、必要なサイズに切りました。

↑ 丸のこで切る様子

穴を開けて、紙やすりで面を整えました


≪Day 3≫

いろいろな面から木目を見て、一番最適と思われる「重ね順」を探ります。
どの面から見てもできるだけ木目がつながるように・・・

順番が決まったら、いざ接着!


≪Day 4≫

内側にはみ出た接着剤をひたすらやすりました。
ギリギリではありましたが、なんとか握りこぶしが入る大きさの穴で良かった😙

力を入れづらいため思った以上に苦戦して、丸1日かかってようやく綺麗に・・・フー💨


≪Day 5≫

ここまでの作業でできた木の塊 ↓

この角を帯鋸でざっくり落します
今回は、機械をお借りしている作業所の指導員の方に切っていただきました。

こんな形になりました ↓

これを「ベルトサンダー」という機械で粗削りしていきました。
約2kgある木塊で、持つと手がフルフル・・・なので、休み休み作業😅

とても荒々しいですが、こんな感じに仕上がりました ↓


≪Day 6≫

ここからは手作業💪!
ノミや小刀で削っていきました。

使用する刃物は予め研いでから挑みましたが、一番大きく形を削りたいところが「木口」と呼ばれる固い部分だったため、全然削れません・・・😓

丸一日頑張って、削れたのはたったこれだけ ↓
え~ん😿


≪Day 7≫

仕方ないので、もう一度機械を借りに行き、ベルトサンダーさんの力を借りました。

削っている様子はインスタにUPしております ↓


2時間弱でここまで削れました!
やっぱり機械の力はスゴイ・・・


≪Day 8~9≫

今度こそ、手作業の領域に入ります🤗!
まずは#80の紙やすりでひたすらやすって、面を整えました。

ネット配信のTVドラマをラジオ代わりに流しながら作業して、大きな凹凸やコゲつきがなくなるまでやすりました。
(ドラマ1作品、余裕でコンプリート✌️)


≪Day 10≫

気になるところを小刀やノミで削りました。

削るところをマーキングして・・・

小刀や・・・

丸ノミで削ります。

ちょっとクビレが大きくなったのですが・・・分かるでしょうか?!


≪Day 11≫

綺麗にヤスリ掛けをする前に、裏側(接地面)を作ります。
陶芸でいう「碁笥底(ごけぞこ)」にします。

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※普段、一輪挿しのように底面積が小さい物にはこのような作業はせず(平らなまま)仕上げていますが、今回はかなり大きな底面なので、この先木が変形してきてしまった時にガタつきにくくする目的で、接地面積を小さくしました。
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本当は、削り出す前(=直方体の状態の時)に作った方が(裏返して作業するので)やりやすいのですが、実際に削ってみないと底の形や大きさが定まらない形状(不定形)なので、このタイミングで行いました。

まずはノミで粗削り。
「木口」じゃないのでガンガン削れて、気持ちいい~!!

縁はミニルーターの力を借りて。

ここまでの作業でこんな感じ ↓

続いて、接地部分の平ら出し。
A4サイズの紙やすりを丸ごと一枚、平らな木板に貼り付けて、その上で力いっぱい花瓶の底をこすりつけました。

最後に、#180 ⇒ #240 ⇒ #400と番手を上げながら、高台の内側を綺麗に整えました。
細かい仕上げは、本体が仕上がってから最後に行います。

ここまででこんな感じ ↓


≪Day 12~13≫

側面のやすりがけに戻ります。
#180 ⇒ #240と、中手の紙やすりでひたすら表面を整えました。
途中、気になるところは「刃物での削り ⇒ #80やすり」に戻りつつ。

この作業を丸2日行った後の様子は、こんな感じ ↓

こうやって引きで見ると、間違い探しのレベル(笑)
(作業前を再掲 ↓)

一方向からの写真だけだとわかりにくい変化ですね😓


≪Day 14≫

大体形が定まったところで、ようやく「口」づくり。
これまた小刀&丸ノミのペアで削って ⇒ やすりで整えて。

まだギコチなさはあるものの、少し柔らかい印象になってきました。


≪Day 15~18≫

後はひたすら「刃物で削り ⇒ #80 ⇒ #180 ⇒ #240 ⇒ #400」の繰り返し。
面が整えば整うほど、気になる部分が出てくるので、その都度容赦なく思いっきり削り直します。

大体いつもこのタイミングで「プチ鬱」になります😅
「このままいくらやっても "いい形" に辿り着かないんじゃないか…」という不安に襲われるのです。

たた、ほぼ毎回こうなるので、最近は「またいつものだw」と自分の中で軽くあしらえるようになってはきました👻


4日間格闘してだいぶ形になりましたが、まだ口の部分にギコチなさが残る仕上がり ↓


≪Day 19≫

いよいよ、仕上げのやすり掛けです。
気になる口元は「刃物で削る」ところから修正しつつ、全体を#600 ⇒ #800の紙やすりで磨き上げていきました。

このように細かい番手でやすっていくと、それまでは気付かなかった傷が顔を現します(赤丸内に複数あるのですが、分かるでしょうか?)。

こんな時は#240(もしくは#180)からやり直して・・・

綺麗になりました~✨


≪Day 20≫

さーて、ついに来ました!
待ちに待った塗装の日。
クルミオイルで塗装して・・・

しばらく放置後、#800の紙やすりでやすって、さらに綿布で磨きました。

Before(この時点でツヤすべ✨) ↓

After

おぉ!木目もハッキリ見えるようになって、全く違う印象になりました👀
なんだか、かなり力強い感じ。

この塗装の瞬間が、いつもドキドキします。
色や木目がハッキリすることで、思っていたのと違った出来になってしまうことも多々あるためです。


≪Day 21≫

2日ほど置いてオイルを浸透させた後、最後は自家製の蜜蝋クリームで仕上げます。

手前味噌で恐縮ですが、やっぱりイイです!このクリーム。
ぜひお手にとって試していただきたいデス🌺


化学薬品で塗装したみたいなテカっとした輝きは出せませんが、しっとり上品な艶🌿


最後に、試作品と記念撮影📸

ふっくら&がっしりして、頼もしい感じになりました😊


お花を活けるとこんな感じ ↓


最後までお読みいただきありがとうございました!!
当工房では木製品のオーダー、随時承っております。
どうぞよろしくお願い申し上げます😊


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MOE ~森のこのは~
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