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知らない世界を見に行く

サハラ砂漠を延々と
ラクダとともに歩く旅

ラクダの背中には100キロの荷物
大切に包まれた塩の塊

広い広い
空と砂漠を背景に
綺麗な青の服をまとい

星の位置を頼りに
しっかりとした足どりで
決して慌てず
列になって進んでいく
トゥアレグ族の人々

こどもたちは列の後ろにくっついて
一行を見守る役目

時に水やごはんを配るために
ぴょんぴょんと走って回る

おおきな木槌で
こっとん こっとん
リズミカルにミル(穀物)をつく
女性たちのごはん作りの風景

果てしない砂漠を
信じられないほどの時間をかけて
オアシスを目指して塩を運ぶ
塩キャラバン

1000年も昔から続く旅

男たちの旅

そこへ
女性ひとり
ソーラーパネルをひっさげて
カメラを回しながら
4ヶ月にわたる密着取材の旅をした
ジャーナリストのデコート・豊崎アリサさん。

彼女の初監督作品
「Caravan to the future」

代々木上原のhako galleryで見てきた。

広大な砂漠と空とラクダの図は
エジプトや砂漠と聞いて

なんとなく連想する風景ではあったけれど、

どこか現実味に欠けていて、
この世界に本当にある風景に思えていなかった。


繰り返し映し出される
際限なく広がる砂漠と空をバックに
粛々と進むラクダの列は
うっとり見入ってしまうほど

うつくしいものだった。

地球の反対側には、
こんな風景と営みが
続いているんだ。

そのことを知っているかいないかで
目の前の世界の見え方は
ぐっと変わるように思う。

目を閉じて想像する。

呼吸が深くなる。

今夜は
トゥアレグのバンド"タミクレスト"を聞いて眠るよ。



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