こんな夢を見た
こんな夢を見た。
そこは眠ることを必要としない世界で、人々は一日中布団やベッドに入ることなく、時間をフルで活用していた。
ある日、ぼんやりと空を眺めていた男が、突如記憶を失ったと騒ぎ出した。
日頃からよく分からない言葉を発したり、ぼーっとしている男だった為、気のせいだと皆から言われたが、男はこと細かく記憶が飛んだ状況や、感覚、それに当てはまりそうな造語を作って説明した。
つまりそれは、ただ眠りこけていただけの話なのだが、この世界の人々は眠ることを知らないので誰ひとり、男の気持ちを理解する者はいなかった。
誰にも相手にされず、取り残された男は叫ぶ
「本当なんだ! こんな…こんな夢を見たんだ!」
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