恵方巻き
恵方巻き
恵方巻きを始めて見たのは何時だろう。恐らく高校生の時分、近所の商店街の、それも道の隅の露店で扱っていたのがそうかもしれない。地域によってはこの太巻きを丸ごとかじるのか…と驚いたものだった。
新たな食べ物に対しては「自分の知らない文化の食べ物だから」と、味への不安や育ってきた環境に対する愛とで口にしない保守派と「なんだかよく分からないが面白い」と進んで口にする革新派に別れるが、とりわけ恵方巻きは季節に伴った食物であるから私は進んで食べたいと思う。
長寿で有名な徳川家康は、野菜は旬のものしか食さなかったというくらいで、旬のものは栄養価が高く、その時期に身体が欲するものが詰まっていると言われている。
節分は香の物が漬かる時期であり、それを巻物にして食したことが恵方巻きの由来という説もあるから、それは旬のものに違いないし、きっと身体にいい。だから別に流行に乗っているわけではないし、行列に取り敢えず並んでいる訳でもない。それに、至極単純に、私は太巻きが好きなのだ。
誰に言うでもない言い訳をして、私は今年も南南東。