On Air from Fukuoka #7
US-UK(HiT&RuN / You Can't Sit Down / インマイワールド)
福岡あるいは九州に在住、または以前住んでいた方や出身とするモッド・レジェンドたちにあれやこれやと突撃インタビューをするコーナー。
今回ご協力していただくいたのは2000年からDJ、イベントオーガナイザーとして活動する<US-UK>さんです!
◆インタビュアー:fame the mod(コウジ)/モジュール
■INTERVIEW
モジュール(以下m):本日は宜しくお願いします!
US-UK(以下U):宜しくお願いします!
m:僕自身クラブで働いていた事もあってセトくん(US-UK)のやってきた事を見てきたつもりではありますが、こうしてマジマジと話をするという事は初めてなので、今回楽しみにしておりました。
僕の知らない幼少期の頃から話を始めたいと思います。
初めて音楽に興味を持ち出した、もしくは初めて買ったレコードなど、何でも構いません。エピソードも交えていつ頃だっのでしょうか?
U:幼少期はゲーム少年でした。中学生になるとファッションと音楽にも興味を持つようになって。地元の古着屋さんによく行くようになったり。もともとレトロな物が好きだったので(格安の)レコードプレーヤーを購入したのがきっかけでレコード屋に行くようになって、次第にアナログ盤中心で買うようになりました。レコード屋はカメレオンレコード、田口商店、(昔の)チクロ、ボーダーライン、ジャングルエキゾチカとか、レコ屋巡りながらついでに古着屋も挟む感じのショッピングルートで攻めて行ってました。
イベントを始めてからは久留米のビッグビートが1番好きなレコ屋で、古川さんや倉地さん(当コラムの#4でご紹介)&平島さんの影響も大きかったです。平島さんちにはよく遊びに行って夜中までレコード聴かせてもらって色々教えてもらってました。
カメレオンレコードはのちにお店のフリーペーパー「カメレオンフラッシュ」にて月1で連載持たせてもらったりもして。
特に店長の青木さんとはプライベートで仲良くて一緒にイベント "TYPE A" もやったり、映画作って上映会やったり、色々とお世話になってました。
m:クラブイベント以外にもそんなマニアックな活動をされていたのは初耳ですね~一度見て見たかったです。僕が2000年からキースフラックでディレクションとして働いていた時に既にイベント<HiT&RuN>を主催されていましたが、その頃について聞かせてください。どの様なイベントだったのでしょうか?
U:イベント始める前(90年代後半)は毎週末ライブ行ってライブハウスをハシゴするような音楽好きのライブキッズみたいな感じでした。
ヘッドコーツ、コーティーズを大阪に見に行ったのがきっかけで他県のレコ屋・古着屋巡りの楽しさに気づき、遠征するのも好きになって。
九州内でライブが無い日は東京、大阪、京都、神戸、三重県四日市のガレージイベントに遊びに行ってました。あ、サンフランシスコのトラッシュガレージバンドを観るためにアメリカへ旅行に行ったこともありました。
90年代後半のガレージシーン(今ではガレージバブルと言われてて、1番盛り上がってた時期)をリアルタイムで幅広く体感出来たことは大きかったと思います。
なぜ遠征が多かったかと言うと、当時、福岡にもカッコいいガレージバンドはいっぱいいたのですが、関東や関西でやってたような雰囲気のガレージのイベントと言うのは存在しなくて…それなら自分で始めようと思って2000年5月にイベント<HiT&RuN>をスタートしました。
第1回目は大阪のニートビーツ、三重県四日市のガソリン、京都のチェルシィを呼んで、福岡からはナーバスブレイクダウン、フーバーズ、5スピード、thee50'sハイティーンズの全7組で、 DJはのちにハウロのDJなどされる大阪のバッさんにも出てもらって。
有難いことに九州中から知り合いのお客さんが来てくれて大盛況、大成功で。好きな音楽ばかりの場所で夢の空間って感じでした。
毎回2~3バンド九州外からゲストを呼んで、九州内からカッコいいバンドを見つけて出てもらう、ガレージパンク・GS〜和モノ・マージービート・フリークビート・サーフ・モーターシティーサウンドなどなどのバンドのライブ& DJイベントとしてやってました。
僕の1番好きなガレージイベントは大阪のハウロ(ハウスロッキン)だったのですが、途中からはHiT&RuNもハウロみたいな存在に成ればいいなと思って頑張って続けてて。ハウロにもDJで何度か呼んで貰えた事もあったので憧れのイベントと交流が持てたことも超嬉しかった出来事でした。
それと来てくれるお客さんに「オシャレな主催者のイベントだとオシャレして遊びに行きやすい」と言われてたのもあって、DJの時はモッズスーツを着たりお洒落するようにしてました。
m:様々な海外ゲストバンドがHiT&RuNに出演していましたよね。イベントの趣旨的にはガレージ色が強かった印象です。セト君自身もガレージや和物が好きそうなイメージでしたが、どのくらいの時期から、モッズに興味を?何かキッカケなどはあったのでしょうか?
U:ずっとR&Bやモッズクラシックの7インチは買っててDJでかけてたりもしてたのですが、HiT&RuNで大阪のロステーラーズ、神戸のミルキィズ、大分のキャスケッツなどに出演したもらった回があったのですが、その時ある方から「今年の福岡で1番のモッズイベントだったよ」みたいに言ってもらえて。
何気ない一言だったのですがベストバウトに選んで貰えた事がイベンターとしても凄く嬉しかったのを覚えてます。
それからロステーラーズに大阪のイベントにDJで呼んでもらったりして、 今考えるとDJとしての転期だったのかもしれないです。
それからしばらく経って、福岡のモッズイベント<NAME GAME>が終わってモッズスーツ着て遊びに行ける場所がなくなってしまったのと、自分が持ってるR&Bのレコードをかけれるイベントもやりたかったので2007年12月に <You Can't Sit Down> (以下ユーキャン)を始めました。
※HiT&RuNに出演のキャスケッツ
m:イベント<You Can't Sit Down>をスタートその後、2007年以来実に4年振りの<MODS MAYDAY 福岡2011>を主催。県外にも沢山動かれていた印象でとても精力的に動かれていましたよね?!
改めてその頃のお話を聞かせてください。
U:全国各地のモッズイベントに遊びに行くようになって、そこで知り合った人にユーキャンのゲストDJとして出演して貰ったり、神戸のカプチーノ、大阪のバニーズに出演して貰った回があったり、福岡も盛り上がりを取り戻しつつありました。
2008年の名古屋 <MOD OCTOBER>に出演させてもらったりしたのも大きくて。オーガナイザーs.t.g.さんには凄く感銘を受けました。
それからしばらくして名古屋<DaDooRonRon>でレギュラーDJを担当。とても素晴らしいイベントで毎回ワクワクでした。
よく遊びに行くようになってた大阪<New Continental>にも出演。
その頃には各地のモッズメーデーにも遊びに行くようになってました。
モッズメーデーは自分にとっては60'sシーンの一大イベントって感じで捉えてて。その頃は福岡のモッズメーデーもなくなってたので、周りの薦めもあり、やらせて貰おうと思って開催しました。
※US-UKオーガナイズ時のモッズメーデー福岡2011~2014のフライヤー
それから名古屋のモッズメーデーや、2014年のモッズメーデージャパン(at クラブチッタ)にも出演させてもらいました。
m:セトくんの行動力はホント凄いですよね!現場主義というか…
DJとしての活動の場も福岡だけに留まらず県外でも活躍されてたのですが、DJとしての反響や何かエピソードがあればお願いします。
U:現場主義と言う言葉は大好きです。
イベント主催の時もフロアで自分が1番楽しむ事が大事だと思ってます。
遠征の思い出は、県外に行った時はまずホテルに荷物を置いたらすぐにモッズ系のショップやレコード屋などに向かってました。そして翌朝ホテルにショッピングした戦利品を並べるのが至福のひと時でした。ショッピングの思い出ですねw
m:自身のイベントを最前列で楽しむ、イベントオーガナイザーの誇るべき姿ですね!
現在は毎月開催イベント <イン・マイ・ワールド> を主催されていますが、改めてどんなイベントなのか聞かせていただけますか?
U:元々インマイワールドは自分が DJで和モノを中心にかけれる場所が欲しかったので他のイベントと同時進行で2009年1月に始めました。
DJ中心のイベントですが、たまにライブ&DJという形式でもやってて、バンドだと京都のサイクロンズ、東京のシャロウズ、大阪のザ・喫茶店、などに出演してもらいました。
不定期でvol.30ぐらいまでやってたのですが、他にも色々レギュラーでDJもやってて忙しかったのもあって一旦休止・・してて。
それから数年後、<昭和地下市>というイベントにレギュラーで出させてもらってたのですが、惜しまれつつもイベントが終了してしまって。
昭和地下市は和モノだけではなくてもっとオールジャンルなイベントだったのですが、レオネオやアモンの界隈などのとても魅力的なDJの方々に出逢わせて貰って。
その後も仲良くしてもらいたいなと思ったのと、それと若手DJの子達と一緒にやると面白そうだなと思って、2年程前にキースフラックにてインマイワールドを再開しました。次は5/8(土曜日)に開催のvol.40です。
今はコロナ禍もあってDJオンリーのイベントなのですが、収束したらアニバーサリーの時ぐらいはまた九州外からも好きなバンドを呼んでシーンを盛り上げていけたらなと思ってます。
m:和物はモッズの方でも好き嫌いは別れると思いますが、僕もセトくんと同じ流れで、好きが高じて<Banzai Nippon>というイベントを主催してたくらいです。
最近ではどんなレコードを購入されてますか?(アーティスト、ジャンル、こんなお店、などなど、なんでも構いません)
U:相変わらず和モノとR&Bとガレージを7インチ中心に買ってます。
ガレージのオリジナル盤は特に店頭には売ってないような物(いわゆるレア盤)がほとんどなのでebayなどで探して買う感じが多いです。
m:レコード、音楽、60sがとてもお好きだと思いますが、それ以外の事で何かハマっている事、もしくはハマっていたなど趣味的なものがあれば教えてください。
U:趣味はいっぱいあるのですが、小学生のころからプロレスを観るのが好きで(この前も新日本プロレスを観に行きました)。ロス・インゴベルナブレスのファンなのですが、試合前後にやる胸を叩いて拳を合わせる挨拶に憧れてて。インマイのパレハ(DJ陣)で挨拶としてよくやってますw
それとハマってるというかインマイ的にホットなのはDJユニットで。僕はザ・ダンスフロアーズと言う2人組ユニットを組んでます。
m:最後は皆様にお決まりの質問をさせて頂きますが、あなたにとってモッズとは?
U:モッズとはですか・・個人的にはですが、現代のモッズに当てはまる人は60'sの音楽やバンドが好きで、それが生活の一部になってて、お洒落してライブハウスやクラブに通ってる人なんじゃないかなと思ってます。
幸い自分はイベントを続けられてるので60'sライフを楽しめてます・・ですが、去年からはコロナ禍もあって遊びに行きたくても行けない人や、ライブがやりたくても出来ないバンドマンの方々もたくさんおられると思います。
今、福岡は緊急事態宣言(コラム発表される時は明けているかもですが)が出ていて、イベント開催するのも色々と規制があり大変ですが(ライブハウスやクラブのスタッフの方達がもっと大変と思ってて、ほんと感謝してます。)、微力ながらも自分が60'sシーンのためにやれる事として、落ち着いたらまた気軽に遊びに来てもらえるようにも、カルチャーを守るためにも、これからもイベントを続けて行けたらなと思ってます。
m:素晴らしいお言葉です。
モッズ以上にオーガナイザーとしての姿勢にビッグリスペクトです。
本日はありがとうございました!
■プロフィール
US-UK (HiT&RuN / You Can't Sit Down、インマイワールド)
60's (ガレージ~mods~和モノ) 好きのDJ。
好きな食べ物はミントの葉っぱです。