「“モノ”を造る前に“人”をつくる」を大事に。〜戻り苗導入事例〜
植林用苗木を観葉植物として育てることで、直接森林保全に参加できる「MODRINAE-戻り苗-」。今回は従業員様と共に参加いただいているミズタニバルブ工業株式会社様にお話をお伺いしました。
ー 戻り苗に参加されたのは、水谷社長の発案と伺いました。その経緯はどのようなものだったのでしょうか。
元々、森林の健康状態に問題意識を持っていました。近年ではSDGsやカーボンニュートラルという言葉が広まっていますが、それ以前から「何かできないか」を考えていました。
特に植林には興味を持っていたのですが、お金を出すだけというのは味気なく感じていました。
ミズタニバルブ工業では「“モノ”を造る前に“人”をつくる」という考えを大事にしています。メンバーの人間力を磨くことは大事にしていて、立候補で様々なプロジェクトが生まれ、動いています。
そんな文化の中で、植林との関わり方として、お金を出すだけ出して実態はあまり関われていないようなものはなんだか味気ないな...と思っていました。
だから、戻り苗を見つけた時は「なんじゃこりゃ」と思いましたね。笑
自分達が育てるから参加意欲は高まるし、自分達も植林の一部に関わることができる。実際の植林はお任せできるので、こちらの工数が少ないというのも希望にそっているところでした。
ー ミズタニバルブ工業さんでは、2021年のご導入後、社内口コミで広まり、2022年にも追加いただきました。どのようなことがあったのでしょうか。
2021年には、挙手制で参加したい人を集めて、人数分の戻り苗を導入しました。
水やりの頻度などは僕がみんなにシェアしていますが、基本的には1人1苗を育てるようにして、水あげなどのお世話もそれぞれにやってもらっています。
やっぱり自然のものなので、発芽のタイミングや成長スピードはそれぞれ異なるんですよね。
発芽したら「発芽した!」と喜んで、その様子をみた人が「自分のはまだだ...」とちょっと落ち込んだり、それをみて「心得が低いねん」って笑い合うような会話が生まれました。
ー とても微笑ましいですね笑
そうなんです。育てているメンバーは楽しんでいて、育てていないメンバーを誘うようになりました。「●●さんやってないよね?一緒にやろうよ」といった形で。
ある種、自然と義務のような雰囲気にもなっていますね。義務というと悪く思われるかもしれませんが、私はこれはこれで良い流れだと思っています。そこで、全員に広めたくて、2022年に2期目をはじめました。
ー 良い流れにするための工夫もあるのでは...と思いますが、どのようなことを意識されていますか?
押し付けにならないことは意識しています。そのためには、会社経営との関わりを示すことが大事だと考えています。
当社は、常に感謝し合い、助け合う企業であり続けるとともに、その力を製品づくりに生かし、人に優しく、暮らしに豊かさを提供するものづくりを大事にしています。そのため、持続可能な社会のためにできることを考え、実行しています。
色々やっていることはありますが、全ては繋がっています。メンバーにも、「あれもこれもやってる」ではなくストーリーとして線で繋がっていると伝えることを意識しています。
ー 最後に、戻り苗を通してどんな未来を描きたいか、お教えください。
現在、メンバーも含めて楽しく戻り苗に取り組んでいます。
会社のホームページやSNS、実際にオフィスに来てくださるお客様から「こんなことやっているんですね」というお声もあります。先に話した通り、メンバー間のコミュニケーションも生まれ、嬉しい効果を感じています。
将来的には、これが数字化できるといいなと思います。カーボンニュートラルの考えは広まってきていますが、排出量を減らす方法は色々出てきていますが、吸収量を増やすことへの取り組みはまだまだここからだと思います。
戻り苗で吸収できる二酸化炭素量が、少量だとしても数字で見えるとPRにも繋がりやすく、取り組みが加速するのでは...と思っています。
ー 水谷社長、本日は貴重なお話をありがとうございました!ミズタニバルブ工業様の戻り苗の様子は、SNSなどで発信されているのでぜひご覧ください。
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