北海道コカ･コーラボトリングの挑戦 〜「MODRINAE HOKKAIDO」で育む森づくりの輪〜
ソマノベースは、北海道庁や企業と連携し、オフィス内で苗木を育て、その後に北海道の森林へ戻す取り組み「MODRINAE HOKKAIDO」を推進しています。
この実証実験は、企業や従業員が日常業務の中で苗木を育てることで、森とのつながりを実感し、環境保全の意識を高めることを目的とし、道内の落葉広葉樹を室内で育苗することが出来るのかを皆さまのご協力のもと、1年間行ってきました。
実証実験開始から1年間をむかえ、皆さまの苗木を山に還す前に、皆さまに取り組んでいただいた声をお聞きしました。
今回の記事では、北海道コカ･コーラボトリング株式会社 広報·サスティナビリティ推進部 髙橋 杏奈さんにインタビューを行い、参加のきっかけや苗木の育成を通じて得られた気づき、そして未来への想いについてお話を伺いました。
北海道コカ･コーラボトリング株式会社について
コカ・コーラブランド（コカ・コーラ、ファンタ、アクエリアス、ジョージア、い・ろ・は・す、綾鷹、檸檬堂など）の飲料を道内全域で販売している企業です。
公式HP：https://www.hokkaido.ccbc.co.jp/
ーどのようなきっかけでMODRINAEに参加されたのでしょうか？
当社では、新入社員が参加する植樹活動をこれまでも独自に実施してきました。毎年10月から11月にかけて、新入社員と教育担当が一緒に植樹を行い、森づくりの大切さを学ぶ機会を設けています。活動を始める際には、なぜ植樹が必要なのかという背景をしっかりと伝えるようにしています。
これまでは「植える」だけの取り組みでしたが、そこからさらに「育てる」ことに興味を持ってもらえたらいいなと思い、今回の実証実験に参加しました。最初は「これ何？」という反応もありましたが、お客様や従業員に、苗木が将来的に木になり、やがて山になるということを伝えると、徐々に育つ様子に興味を持ってくれるようになりました。
ー実際に導入されてみて、いかがでしたか？
芽吹いたときの喜びは格別で、苗木が少しずつ大きくなっていく様子を見ていると、親心のような感情が芽生えてきますね。「自分で植えてあげたいな」と思うほど愛着が湧きました。一方で、育てた苗木と離れる時には少し寂しさも感じました。
樹種がさまざまだと、水やりやお世話も一律ではいかず、病気になってしまう苗木もあったため、試行錯誤を繰り返しました。24本の苗木を育てるのはまるで子どもを育てているような感覚で、細やかなケアが必要でした。それでも、育成を通じて多くの学びがありました。
ーお客様や従業員の反応はいかがでしたか？
お客様や従業員からは「何か育てているね」と興味を持ってもらう機会が増えました。「これがいずれ森になるんだ」と知ることで、苗木の成長を見守る姿勢が生まれたと感じています。苗木を育てることを通じて、小さな一歩ではありますが、サスティナビリティに関する意識が芽生えるきっかけを提供できたのではないかと思います。
ーサスティナビリティやSDGsに向けた取り組みの展望をお聞かせください。
今後も例年行っている植樹活動を継続していく予定です。個人的には、有志の社員がそれぞれ苗木を育て、その苗木を植樹活動で植えるというサイクルをつくれたら素晴らしいと思っています。育てる過程を経験することで、植えた後も自然と関心を持ち続けるようになるのではないかと期待しています。
当社では「白旗山」という水源地を大切にしており、長期にわたって森づくりを行っています。合わせて北海道の豊かで美しい水を中心とした自然環境を守る活動「北海道e-水プロジェクト」に参加しています。この活動では「い･ろ･は･す 天然水」の売り上げの一部を団体に寄付し、水辺の環境改善や保護活動を支援しています。私たちの事業は水なくして成り立たないため、森と水源の両方を育て、守っていくことが使命だと考えています。
ー最後に、MODRINAE HOKKAIDOに参加されたご感想をお願いします。
最初にお話ししましたが、苗木を植えるのはとても嬉しい一方で、育てた苗木と離れるのは少し寂しい気持ちがあります。それだけ大切に育ててきたからこそ、愛着も湧きますし、森の中で元気に育ってほしいと願うばかりです。
木は普段、身近な存在ですが、最初はこんなに小さな苗木から育つものだということを知ってもらえる人が増えれば、日本全体や世界全体で森林保全が進むと思います。MODRINAE HOKKAIDOは、その第一歩として非常に意義深い取り組みだと感じました。参加して本当によかったと思っています。
