マチアプフィードバック【13】
相手女性
年齢:32歳
仕事:秘書
名前:かすみちゃん
マチアプ内では大したやり取りはなかった。僕の仕事についてちょっと質問してからすぐに、向こうから LINE交換を打診してきた。
この時点でかなり怪しかったのは言うまでもない。宗教やマルチの勧誘といった類であることはなんとなく分かっていた。だが僕はあえて、かすみちゃんとの LINE交換に応じた。
かすみちゃんは僕と LINE交換するといきなりデートの日程を決め始めた。そしてそのままトントン拍子に日程が決まってしまった。
会う前にかすみちゃんの人柄を確認すべく、僕はかすみちゃんに LINE電話を打診してみるも、やんわりと断られてしまった。
もうこの時点で、普通の人だったら相手に会わないだろうが、僕は普通の人ではなかったので、会ってみることにした。
そして迎えた当日。
僕は予定の時間より早く着いてしまったので、先に店に入って席を確保しておくことにした。
予定の時間になり、かすみちゃんが店に到着。お互いドリンクを飲みながら、いろいろ話すことになった。
仕事や今住んでいる場所、マチアプを始めた理由など、当たり障りのない会話をしつつ、かすみちゃんが本題を切り出した。
かすみちゃんはなんと自分の経歴を、魂を込めて力説したのだった。
かすみちゃんは高校を卒業した後、エステティシャンを目指していたらしく、そこで恩師(?)と呼ばれる人に出会ったことで、人との縁を大事にするようになったらしい。
そして今の秘書の仕事に就くときも、その社長に気に入られたから入社できたようで、そこからさらに人との縁を大事にするようになったという。
ぶっちゃけた話、僕的には内容がペラペラだったし、そもそも半分も理解できなかった。おまけに一度きりの人生は全力で生きるべきだと、とにかく言うこと全てが胡散臭い。
しかもかすみちゃんの手をよく見てみたら指輪をしていた。つまりかすみちゃんは既婚者で、僕のことを何かのカモくらいにしか思ってないのだろう。さらにこっちがスマホや伝票に触ろうとすると、「ど、どうしたんですか!?」と過剰反応する始末。
かすみちゃんの静止を振り切り、恐る恐るマチアプを確認してみたら、なんとかすみちゃんのアカウントが消失していた。きっと僕との連絡手段を断ちたかったに違いない。つまりこれから起こることして考えられるのは
「確実に何か詐欺られる...」
だった。
さらにこのタイミングでかすみちゃんがお手洗いに行くことになり、僕一人取り残された。
「な、なんかヤべぇ...」
呑気にパスタとか注文するんじゃなかった。
僕は秒で残りのパスタを食し、すぐさま逃げる準備をした。
かすみちゃんが戻ってきたが、幸いにも怖い人たちが来ることはなかった。かすみちゃんも僕がマルチとか宗教とかそういう話に引っ掛からない(そもそも内容について理解できなかった)人間と悟ったのか、
「そろそろ帰りますか?」
と聞いてきたので、僕もその意見に同意したことでようやくお開きとなった。
とりあえずかすみちゃんのドリンク代は奢ってやることにした。敵にも優しくできる僕ってカッコいい。
しかしその後、LINEはどうやらブロックされていたが、まぁ僕が無事で良かった。
まとめ
やっぱり能動的過ぎる女性は警戒するに越したことない。今回は時間を浪費しただけで済んだが、美人局といった恐喝まがいのことをされる可能性だってある。やはりそういう女性にはアプローチするべきではない。たとえ女性との出会いに飢えていたとしても。
マルチや宗教の勧誘をする人がどんな人か、リアルに学ぶことができたと思う。
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