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6/26 mama!milk un été​​​ アネテ マチネとソワレの音楽会

雰囲気のある建物でのソワレを聴く。
今回初めて聴くゲストたちが素晴らしい。

二胡や中国の打楽器を操る杉原圭子は、二胡という楽器を一旦成立背景から独立させ、弦楽器自体の音色をニュートラルなものとして立ち上がらせていて、好感がもてた。

チェロの有村航平は抑えた表情が印象的だが、艶のある音色で豊かな情感を伝える。それでいて曽我大穂の自由なソロにも柔軟に対応する。極めて機動性の高そうな奏者である。Your Voice のしっとりとしたソロに胸を打たれた。

そして、繊細かつ芯の太さを感じさせる小倉笑の歌声。特に Your Tears での歌唱は聴こえるか聴こえないかの小声ながら、細部まできちんと統制されており、しかも上品な色香があって度肝を抜かれた。
曽我大穂は相変わらずの存在感。カヴァキーニョは咽び泣くようだった。

こうした多彩/多才なゲストを迎え、mama!milkはますます新たな展開の可能性を示していた。プログラム最後の Charade は生駒祐子・清水恒輔の2人が、終わっていく時を惜しむようにたっぷりと、しかしあくまでもクールに歌を紡いだ。

最初は午後6時でもまだまだ高い日で場内は十分明るかったが、終盤には奏者も聴衆も均しく宵闇に包み込まれていく。が、アンコールの An Ode では全員の奏でる音色が溶け合い、高みに昇っていくかのようだった。(京都文化博物館・別館ホール)

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