見出し画像

だからみんなに嫌われる

@chanhiro__koya
だからみんなに嫌われる


娘と喧嘩した際に言われた一言。
何となくわかってた。
薄々は気づいていた。
いや、気づいていた。


今から1年半以上前に、9年間勤めてきた会社を辞め、インスタの集客代行やコンテンツビジネスで食べていこうと決断した。


ちょうどその時
姉が合同会社を立ち上げたこともあり、
そこに在籍しながらやっていくぞ!
となったわけだが…。


結果は大失敗に終わる。
ものの4ヶ月ほどで。


家族を養う身としては笑えないが、今となっては恥ずかしいほどの笑い話になった。


派遣社員として、ゴルフ場メンテナンスの仕事を始めた。


そして今まで使ってきたお金の返済に追われる。


起業するために学んだセミナー代やら、
インスタ学ぶためのセミナー代やら、
無収入の期間で作った借金の返済に追われる日々が始まった。


その日、その日を生活するのに精一杯で、家族には迷惑をかけまくった。


うちは貧乏だから…
いつしか口癖のように妻や子どもたちが言うようになった。


学校から帰宅して、100均に行きたい!
と言われる。
連れて行きたいけど、
100円単位の物すら買えない父になっていた。


自業自得。
もう無理だ。
どうにもならん。


いや、何とかなる。
うまくいきつつある。
大丈夫、きっとうまくいく。


元々、潜在意識やスピリチュアル系の思考法は
好きだったからか、前向きに考えることは大事にしていた。


また、すがるように潜在意識やスピリチュアル系のYouTubeをみたり、本を読んだりもした。


それでも、現実は変わらない。


どれだけ潜在意識やスピリチュアルの知識を詰め込んでも、それを現実に活かせなければ、ただの「自己満足の慰め」に過ぎない。
そんな自分に、ますます嫌気が差した。


家族には何も言えない。
妻は疲れた顔を隠しきれず、それでも家事とパートをこなしていた。


子どもたちは気を遣ってか、
あまり「欲しい」と言わなくなった。
でもその気遣いが逆に辛かった。


夜中、一人で起きて考えることが多くなった。
「どうしてこうなったんだ?」
「もっとできることがあったはずだ」
「このままじゃいけない」


そんな自己反省と自責の日々が続く中、
ふと思い出したことがあった。
それは、娘と買い物に行ったときのことだった。


まだ小学校低学年だった頃、
手を繋いで一緒におもちゃ売り場に行った。
娘が見つけた小さなぬいぐるみ。


手に取って嬉しそうにこちらを見た。
「これ買っていい?」
そのときの自分は迷わず「いいよ」と答えた。
そして娘は満面の笑みを浮かべた。


その笑顔を見たときの胸の温かさ、充実感、そして父親としての誇り。それを思い出した。


「また、あの笑顔を取り戻したい」
そう思った。


それからというもの、
少しずつ自分を変え始めた。
完璧には程遠いが、
一歩ずつ前に進むことを決めた。


小さな変化の積み重ね


まず、派遣の仕事に真剣に向き合った。
「今の自分ができること」を精一杯やりながら、
正社員の転職活動をした。


ゴルフ場のメンテナンスという仕事は、決して華やかではないが、そこで得られる給料は家族の生活を支えている。


その事実に感謝し、当たり前に過ごせる日々にも感謝するようになった。


次第に返済期日を守れるようになり、
毎月少しずつでも返せるようになった。
たったこれだけのことでも
少しずつ心に余裕ができたのを覚えている。


そして、3ヶ月ほどの転職活動で
正社員の仕事に就くことができ、
家族と向き合う時間も増えるようになった。


自分のやりたいことだけに
没頭していた過去。
副業や起業するための忙しさにかまけて
会話すら減っていた過去。


今では些細なことでも話すようにし、
子どもたちの学校の話や
妻との会話も自然と増えていった。


娘の言葉の本当の意味


「あの一言」を言われた日から半年ほど経った頃、娘と二人きりで話す機会があった。


「あのとき、なんであんなこと言ったの?」
と聞くと、娘は少し困った顔をして言った。


「パパが自分のことばっかり考えてるように見えたから…」


その言葉に、ハッとした。
自分では家族のためと思ってやってきたことが、結果的に家族を置き去りにしていたのだ。


「そっか、気づけてよかったよ」
そう言うと、娘は少し照れくさそうに笑った。


それから、少しずつ家族との関係も改善していった。そして、ようやく今の自分に言えることがある。


「失敗しても、人は何度でも立ち直ることはできる」
「大切なものを見失わなければ、きっとやり直せる」


まだまだ借金もある。
でも、家族の笑顔を取り戻すための努力を続ける自分がいる。


「だからみんなに嫌われる」
と言われた過去を乗り越え、
今はこう言えるようになった。


「だからみんなに好かれる」ような
父親になる、と。


#挑戦
#失敗
#どん底
#家族
#幸せな時間
#気づき
#蘇生
#再起復活

いいなと思ったら応援しよう!