私的ロック論 ジェフ・ベックを勝手に語る<その1>ジェフ・ベックの魅力
みなさん、お元気ですか?今回から、ジェフ・ベックについて何回か書いていきたいと思います。
ちなみに、先日エリック・クラプトンの来日が決定しましたが、びっくりです。なにがって、武道館で6日もやるんですよ!新しい作品出ていないですよね?それでポロっときて武道館で6日。どんだけ日本人はエリック・クラプトンが好きなんだよ?と突っ込みたくはなります。
ロック界隈では、このエリック・クラプトンとジミーペイジと今回主役のジェフ・ベックの3人を3大ギタリストと呼んだりしますね。これは3人ともヤードバーズと言うバンド出身かつ3人ともヤードバーズ所属ではなくなってから大人気になったことが理由と思われます。なので同時期に活動していたジミ・ヘンドリクスは入っていません。
エリック・クラプトンの人気作は何かといえば、「レイラ」とか「コケ(カ)イン」とか「アイ・ショット・ザ・シェリフ」とかでしょうか?他にも「クロスロード」で黒人ブルースを白人フォーマットに移したブルース伝道者のイメージとか、比較的最近でいえば「ティアズ・イン・ヘヴン」でのアコースティックな感じが強いと思います。ヒットチャートに上がっているものもたくさんあります。
ジミーペイジは何と言ってもレッド・ツェッペリン、これに尽きます。本人もソロにはあまり関心が無いようで、ザ・ファームというバンドで少しと、あとはカヴァデール・ペイジというホワイト・スネイクのボーカルとのユニットとかです。でも、ツェッペリンのリマスターやらライブ盤やらは熱心に出しているので、本人的にはツェッペリンでやり切った感はあるんでしょう。まぁ確かにツェッペリンの実績・功績に文句を言う人は誰もいないし、何もしなくても旧譜の印税だけでも凄いと思うので(CDが売れていた時代は各アルバムが年間数十万枚以上売れていたらしい)、これはこれでアリ。
一方でジェフ・ベックは何を思い浮かべるでしょうか?フュージョン期のジェフベックがイメージとしては強いですが、ヒットチャートを駆け上がっていたイメージは全くない(ですよね?)。エリック・クラプトンもレッド・ツェッペリン(ジミー・ペイジ)もヒットを飛ばしまくったし、ロック界での露出は充分すぎるほど。雑誌やメディアでは記事がでれば巻頭カラーでしょう。
それと比べれば、ジェフ・ベックという人はかなり地味な印象がある。実際、引きこもったかのようにしばらく作品を発表しなかったこともあるし、毎回違うことをやったりして、熱心なロックリスナー以外に固定ファンが付いているとも言い難い。エリック・クラプトンやレッド・ツェッペリンと比較すれば知名度もおのずと劣ってしまうのは仕方がないと思っています。
ただ、そんなジェフ・ベックですが、そんなだからこその良さがあると思います。その時々で自分のやりたいことや組みたい人間と組んで前回のものとは違う音楽を作る。その新しいものへの姿勢というか同じことをやらない本能的な音楽性というのが1つの魅力と言えます。
ギタープレイでもよくわかります。エリック・クラプトンのギタープレイは今聴いても何が凄いのかを理解するのは難しい。これはクラプトンが凄くないからではなく、さんざんマネされパクられてフレーズとしてスタンダードになってしまったからに他ならない。それぐらい分かりやすく、魅力的だったということでしょう。ジミーペイジは逆にアイデアが冴えまくって、今でも誰もマネできない。ある時はブルース、またある時は聴いたことも無いリフ、またある時はアコースティック・ギターと、弾く行為そのものよりもギターを使ったアイデア力が半端ない。
ジェフ・ベックにこういう短い言葉で言い表せるギタープレーがあるかと言えば、私は無いと思います。そもそも彼が作る楽曲(カバーも多いですが)でギターが主役だけどギターがあまり主張してこないようなものも多かったりします。普通、ギタリストが作るアルバムと言うのはギターがコテコテに入っていて、印象的なギターリフ、ソロ、インスト曲などギターだらけのアルバムになるんじゃないかと思っています。が、ジェフベックのアルバムにギターだらけの作品は意外にも少ない。フュージョン期の作品は仕方がないにしても、ボーカルありのバンド作品も多いですし、フュージョン期ですら、ギター好きが弾き倒した曲というよりは、曲の旋律を奏でるギターというようなフレーズも多く、ピアノ的と言うかアレンジを含めた妙、みたいな曲が多数あります。
なので、私的な視点でいうジェフ・ベックの音楽的な魅力は、一聴しても理解できないけど、何度も聴くと良さが分かってくるその音楽性と作品力だと思っています。正直、私個人としては今レイラをあらためて聴きたいと思いません。ツェッペリンも疲れている時は聴く気がしません笑。どちらもそれなりに飽きていて、既視感満載なんです。でもジェフ・ベックは時々聴いてしまう。そして何か発見してしまう、そんなアーティスト・作品です。
(補足:私はあまりギターを弾かなくなったポップなエリッククラプトンが意外と好きですので、その辺りはどこかで記事にするかもしれません)
ということで、そんなジェフ・ベックの良さについて、具体的なアルバムや聴き方について何回かに分けて書いていきたいと思います。若いロックリスナーの中には「ジェフベックって作品が多いし、名作って言われているアルバムを聴いても良くわからなかった」という人も多いかと思います。そんな声も想像しながら書いていきますので、ぜひ読んでもらいたいと思います。
が、キリが良いので、今回はこの辺で終了とします。
また、次回お会いしましょう!
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