私的ロック論 ジェフ・ベックを勝手に語る<その2>キャリアのおさらい
みなさん、お元気ですか?
先日、嬉しいニュースが飛び込んできました。ジェフ・ベックのトリビュートコンサートが来年2月に有明で開催されます!出演アーティストも日本からは布袋、松本、Charという日本の(3大?)人気ギタリスト達。バックバンドはかつてジェフベックと演奏したことがあるプレイヤー達が来日する模様。何を演奏するのか詳しくはわかっていませんが、松本と布袋のリクエスト曲があるらしいです(以下はタワレコニュースのリンクです)。
是非このライブに行こう!と思われた方は、その予習やこれまでの復習を兼ねて、ぜひこの記事も読んでもらえると嬉しいです。
本題に戻ります。今回はジェフ・ベックの長いキャリア(50年以上)をザクっと振り返りまして、その音楽性や特徴、聴き方なんかを書いてみたいと思っています。
数多くのカタログを抱えるジェフベックですが、スタジオアルバムだけでキャリアを並べるとこんな感じになります。
「XX期」というところは私の感覚(創作)ですが、カタログを年代順に並べると上記のようになります。
1966年から2022年まで、実に56年間全18枚のカタログです。実際にはこれらに加えてライブ盤やセッション録音もありますので、ほとんどのリスナーは全ての作品を追うことは不可能でしょう。幸い、サブスク(Spotify)では上記の18作品は全部聴けるようなので、ザクっと全作品を聴き流すことはありです。
一番人気の高い時期というのは、やはりソロ・フュージョン期のジェフ・ベックでしょうか?ギタリストのギターソロアルバム群の人気が高いというのはある意味当然と言う気もしますが、この時期の作品の良さ・圧倒的なクオリティというのもまた1つの要因であると思います。
ソロ・フュージョン期より前のソロ・バンド期も根強い人気があります。5枚の作品がありますが、どれも作風が異なっているし、時代感もありサウンドプロダクションもまちまちでこれはこれで面白い。
ソロ期になると「ギター侍」さながらにギターを持って旅に出たような、音楽性がかなり広くその時々で出会ったアーティストと組むような作風も増えます。これが、クラプトンならB.B.キングと組んだり、ジミー・ペイジならデヴィッド・カヴァデールと組むなど、商業的な面からも理解できる組み合わせになるんですが、ジェフ・ベックの場合は全く予想がつかない。
10作目の「Flash」でナイル・ロジャースがプロデューサーをしてみたり(当時はマドンナの大成功などで売れっ子でしたが)、12作目の「Crazy Legs」では、ほとんどの人が知らないであろうクリフ・ギャラップというギタリストのカバー(それも1枚全部)。18作目では俳優業で著名なジョニー・デップと、全く一貫性もなければリスナーからのリクエストがあったとも思えない組み合わせばかり。この辺りがジェフ・ベックを難しくしている要因なのかなと思ってしまいます。
長くなってきてしまいましたので、おススメ盤などの紹介は次回としますが、私なりのジェフ・ベックの聴き方3ヶ条を記して終わりたいと思います。
なにやら禅問答のような虚無的な3ヶ条ですが、説明します。
まず、ジェフ・ベックという人の作品で、ギターがびっしりと敷き詰められている作品や曲はほぼ無いです(BBA時代はややそんな感じですが)。ソロ・フュージョン期ですらちゃんと考えられたフレーズを弾いている感じで弾き倒しフレーズはほとんどない(多分)。ソロ・バンド期はうっかりしているとギターソロなんかは聴き逃してしまうほど。イングウェイ・マルムスティーン(初期)やガスリー・ゴーヴァンあたりの ”こりゃスゲーわ的な" ギタープレイを期待するリスナーは要注意です。
次にジェフ・ベックの作品の良さは、ギタープレーの良さももちろんありますが、もう一つ「その時の作風」の良さもあります。この辺りはジャズの作品に近い。同じ時期の作品なのにこっちの方が良い、理由は作風がXXだから、サイドメンがXXだからみたいな。。ジェフ・ベックは周囲の才能を使い倒して自分が輝くタイプなので、逆にそのあたりも聴きどころになります。ジェフ・ベックのギタープレイもその時々によって姿を変えるのが面白い、そう思ってください。
最後は修行に近いですが「全てを受け入れる」。これに尽きます。ジェフ・ベックはこうあるべし、という考えがあるリスナーはほぼ救われません。なぜかと言うと、毎回作風が違うから。XXが絶対的に好きなんだよねと言ってもそれはその作品だけのことが多い。ということは、ジェフ・ベックの作品で1つしか好きな作品が無くなってしまう可能性もあるわけです。それはもったいない!
なので、良くも悪くも期待値を上げず、作品から聞こえてくる音をそのまま受け入れる。良いか悪いかは何十回か聴いた後で判断する、そんな感じの聴き方が良いかと思います。私なんかは大名盤と言われる7作目「Blow By Blow」をずいぶん聴きましたが、未だに修行の一環として聴いている部分もあったりします。全部は理解できていなさそうな自分がいるんです(個人的に「Wired」の方が好きなこともありますが)。そして、それでも何度も聴けてしまう。これはこれで凄いこと。とにかく、ジェフ・ベックを聴くには否定から入らず、ありのままを聴くことに集中してください。今流行り?の「グッドリスナー(まず人の言うことを聞く)」に徹っしましょう。
長くなりました。キリが良いので今回はここまでとします。
次回はそれぞれの時期のおススメ盤や私なりの聴きどころなどについて説明出来たら良いなと思っています。
では、また次回お会いしましょう!
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