祝 ヘビーメタル専門誌 BURRN!(バーン)創刊40周年!その2 表紙あれこれ
前回はヘビーメタル月刊誌バーンの40年間全480冊の表紙を飾るアーティストから、日本で数字を持っているバンドを分析してみました。ボンジョビやキッス、エアロスミスあたりが優勝かと思っていましたが、1位は意外にもモトリークルーと言うことになりました(僅差ですが)。
が、やはりニッキーシックスのソロプロジェクトも4回ほど入っている関係での1位なので、モトリークルー自体の人気もさることながら、ニッキーシックスの華のある正に表紙向けのルックスも人気の大きな要因であることは間違いないでしょう。
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今回は前回の続きと言うか、表紙の回数ランキングからわかることをいろいろと書いていきたいと思います。
まず、バーンの創刊は1984年10月号からですが、その頃流行りの音楽はやはりLAメタルと呼ばれる、米国LAを発祥とするロン毛をふんわりさせてメイクをしつつ、キャッチーでポップなミドルテンポな曲調が特徴の音楽が流行った時代です。モトリークルーもそうですし、ラットとかドッケンもLAメタルと言えるでしょう。
LAメタルに分類されるバンドの表紙回数はどんな感じでしょうか?
モトリークルーがダントツですが、やはりそれはLAメタルのブームを生き延び長く活動で着ているからと言えると思います。ただ、ラットやドッケンはシンコーミュージックから発行されているこちらも有名なギター雑誌「ヤングギター」で数々表紙になっており、その辺りは住み分けが効いているとも言えます。逆に言えば、モトリークルーのギタリストであるミックマーズがヤングギターで取り上げられることはまずありません。
意外なのは、当時はウォレントやストライパーなども人気がありましたが、表紙の経験はないですね。スキッドロウ(5回)は東海岸ですし、ウィンガー(1回)はよく知らないのですが、時代が違うんじゃないかと思い外しています。
次にメタル四天王を調べてみましょう。四天王と言いますとメタル隆盛期の初期から活動しているスラッシュメタルを土台にした4大バンドで、今は音楽性が進化しスラッシュメタルの文脈では語られることの少ないオリジナリティに溢れたバンド達です。
知名度で言うとメタリカが圧倒的だと思うのですが、メガデス人気が高いのがバーン読者の特徴でしょうか?時々見かける今は日本で活躍するギタリスト「マーティフリードマン」はこのメガデスのギタリストとして有名になりました。
90年代後半ぐらいから急速に小綺麗になったメタリカやもともと小綺麗だったメガデスのデイヴムステインが表紙の回数として多いのは、やはりと言うべきか?個人的にはスレイヤーやアンスラックスの音楽も大好きですが、表紙となると構図やカットを選びそうです笑。
日本では根強い人気のあるジャーマンメタル(ドイツのバンド達)はどうでしょうか?
ジャーマンメタルの雄スコーピオンズを抑え、ハロウィンが圧勝です。マイケルシェンカーは迷いましたがジャーマンメタルに入れました(普通は入れないかも)。アクセプトも人気ですね。ハロウィンは初期黄金時代のマイケルキスクやカイハンセンと再び合流して活動して注目度が上がっていることもランキングに貢献していると思われます。
アクセプトは日本での人気の火付け役はバーンだった気がしますし、スコーピオンズは徐々にポップな方に音楽性を変えていきましたので、まぁ納得の順位かなとは思います。ブラインドガーディアンが表紙になっているのは専門誌ならではと思います。
他にも世界で売れている大御所バンドもいるだろう?ということで、大御所バンドを調べてみました。
リッチーブラックモアがらみのバンドは取り上げていません。この辺りのバンドはそれなりに高齢化していると思われるバーンの読者でも、もうちょっと上の世代での人気ということもあるかなと思います(50代後半から60代ぐらい?)。ヴァンヘイレンはヤングギターで山ほど取り上げられているのですが、それでもこの回数はさすがです。クィーンはブームも来日(ボーカルはアダムランバート)もありましたし、もともと記事の中ではたくさん引用される人気バンドではありました。
ところで、日本のバンドは表紙にならないんでしょうか?もともとは洋楽メインのバーンでしたが、ディスクレビューは日本のバンドもやっていましたし、日本のバンド用のメタル雑誌も発行していました。なのでバーンで日本のバンドを追いかける理由はそれほどなかったのですが、出版不況(雑誌の数を減らす)なのか読者ニーズなのか徐々に日本のバンドも取り上げられるようになっています。
一番最初に日本のバンドで表紙になったのは、2016年1月号の高崎晃(ラウドネス)です。日本のギターレジェンドの1人なのでヤングギターでは数えきれないぐらい表紙になっていますが、ここで日本人初登場となりました。
B'zも表紙になっていることに驚かれる方もいるかもしれません。それよりも、古くからのバーン読者には聖飢魔Ⅱが表紙を飾るということがどれほど重大事件であるかわかると思います。
聖飢魔Ⅱがデビューした時(1stアルバム「悪魔が来りてヘヴィメタる」発表時)、バーンにもディスクレビューが掲載されたのですが、初代編集長(酒井氏)が「メタルをバカにしている」的な思い込みで気に入らなかったのか0点を付けました。それ以降、聖飢魔Ⅱがどんなに人気が出ても一切バーンにアルバムレビューで取り上げられることがなくなりました(記事でも一切取り上げられていません)。レーベル・事務所側が情報提供を拒否していたということらしいです。
そんな状況が30年以上続いたわけですが、それを現編集長(広瀬氏)が関係修復を図り、長い時を経て聖飢魔Ⅱを表紙にできたというお話です。ちなみに、デーモン閣下は自書で「吾輩は酒井編集長に会ったことも話したことも無い」と書いています。
その他に気づいたことを書きます。
・バーン編集部はロッカー的な華があるカッコイイ男を表紙に選びがち
→ モトリークルーのニッキーシックスが表紙に多いのですが、その他にも
ハノイロックスのマイケルモンロー(4回)やバックチェリー(3回)
のジョシュトッドなど、いかにもワルみたいなロッカー(男前に限る)
が知名度のわりに表紙になっている。悪ではないがBONJOVIも該当?
・バーン編集部はミスタービッグが好き
→ バーンは40周年の前に15周年とか30周年とかがあるわけですが、表紙で
それを告知している号の表紙はミスタービッグが多い。
*10周年、15週年、25周年、30周年の表紙はミスタービッグ
・メタルでは昔から女性が活躍していて、女性が表紙も増えている。
→ 女性が初めて表紙になるのは、リッチーブラックモアのパートナーの
キャンディスナイトがリッチーブラックモアと映る頃からですが
(1999年4月号)、単独で表紙になるのはアーチエネミーのボーカル
(アンジェラゴソウ)が初です(2002年6月号)。アーチエネミーは
計6回表紙になっていますが、このアンジェラゴソウ単独で3回、
新ボーカリストのアリッサホワイト=クルーズ(女性)の時に1回の
計4回が女性単独。その他、日本の浜田麻里で1回、NEMOPHILAも
女性(日本人女性2人)が表紙でした。
今回の分析はいかがだったでしょうか?
次回はバーンと言うメタル雑誌がなぜここまで人気を維持できているのかについて私なりの分析をして終わりたいと思います。
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