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1日マーケット動向

まとめ
石破ショックの巻き戻しで日経平均は上昇も市場の警戒感あり。
日米の要人発言でドル円は円安方向に。
世界的な自動車業界の落ち込みは注視していきたい。


日本株式

日経平均株価 38,651.97円 +1.93%
TOPIX 2,690.78 +1.69%
東証グロース指数 847.87 +1.97%

1日の東京株式市場で日経平均株価は反発し、終値は前日比732円42銭(1.93%)高の3万8651円97銭だった。前日に急落した反動から自律反発狙いの買いが入り、指数を押し上げた。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の講演などを受けて円売り・ドル買いが進んだことや前日の米株式相場の上昇も追い風となり、幅広い銘柄に買いが入った。

パウエルFRB議長は9月30日のイベントで利下げを急がない姿勢を示すとともに、米経済については「総じて堅調」との認識を示した。一方、日銀が10月1日公表した9月開催の金融政策決定会合の主な意見では、利上げを急がない姿勢がみられた。米国の大幅利下げ観測と日銀の追加利上げ観測が後退するなか、外国為替市場では円相場が1ドル=144円台まで下落。東京市場では企業業績の改善するとの見方から電気機器、精密機器といった輸出関連株を中心に買いが入り、日経平均の上げ幅は一時800円に迫った。

石破茂新政権の誕生に向け、関連株とされる三菱重川重、IHIなど防衛株の上昇も目立った。一方、前日の株価急落のきっかけとなった石破新政権の経済政策については市場の警戒感が根強く、買い一巡後は利益確定売りに押される場面もあった。

東証株価指数(TOPIX)は反発し、終値は44.84ポイント(1.69%)高の2690.78だった。JPXプライム150指数も反発し、23.29ポイント(1.96%)高の1213.08で終えた。東証プライムの売買代金は概算で4兆1843億円、売買高は19億6258万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1272。値下がりは331、横ばいは40だった。

伊藤忠三井物が高い。ファストリ東エレクTDKトヨタも買われた。一方、ニトリHDやトレンド、アサヒは売られた。

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米株式
【NQNニューヨーク=稲場三奈】9月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸し、前週末比17ドル15セント(0.04%)高の4万2330ドル15セントで終え、連日で最高値を更新した。同日に米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言を受け、追加の大幅利下げ観測がやや後退した。一方で、経済を支える姿勢は鮮明にしており、先行きへの楽観的な見方が投資家心理の支えとなった。

30日午後にパウエルFRB議長が講演し、今後の利下げについて言及しつつ、「あらかじめ決まった道筋をたどっているわけではない」と語った。質疑応答では「利下げを急ぐような状態ではない」とも述べた。

市場では「11月の米連邦公開市場委員会(FOMC多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も反発した。前週末比24.31ポイント(0.42%)高の5762.48で終え、最高値を更新した。)で0.25%の利下げをするとの見方が強まり、株売りにつながった」(インタラクティブ・ブローカーズのホセ・トーレス氏)との見方があった。米債券市場では長期金利が上昇し、3.80%台を付ける場面があった。ダウ平均の下げ幅は一時380ドル超となった。ダウ平均の構成銘柄ではないが、自動車の欧州ステランティスが急落し、12.5%安で終えた。朝方、2024年12月期通期の収益見通しを下方修正したと発表。米国での販売不振や世界的な自動車業界の落ち込み、中国市場での競争激化を背景とし、他の自動車・同部品関連株や車載半導体株にも売りが波及した。

半面、FRBはすでに利下げに転じており、景気を支える姿勢を打ち出している。米景気の大幅な悪化を回避できそうだとの見方は投資家心理の支えとなっている。下値では買いも入り、大引けにかけてダウ平均は上昇に転じた。市場では「四半期末を前に、(機関投資家が運用成績をよく見せるための)お化粧買いが入った」(ケース・キャピタル・アドバイザーズのケニー・ポルカリ氏)との見方があった。

ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は反発した。前週末比69.580ポイント(0.38%)高の1万8189.170で終えた。アルファベットやテスラが上げた。

Fear&Greed指数
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1日の東京外国為替市場で、円相場は3営業日ぶりに反落した。17時時点では前日の同時点に比べ1円79銭の円安・ドル高の1ドル=144円16〜18銭で推移している。日銀がこの日公表した9月に開いた金融政策決定会合の主な意見を受け、日銀が追加利上げを急がないとの見方が広がった。米連邦準備理事会(FRB)の大幅利下げ観測が後退するなか、日米の金利差に着目した円売り・ドル買いが出て円相場を下押しした。

日銀が1日に公表した9月19〜20日の金融政策決定会合の主な意見では、金融資本市場が不安定な状況で「利上げすることはない」との意見があった。「現時点では本格的な引き締め政策への転換を連想させるような追加的な政策金利の変更は望ましくない」との見解や「最近の円安修正に伴って、輸入物価による物価上振れリスクも減少しているので、見極めるための時間的余裕はある」との指摘もあった。日銀は慎重に利上げを判断するとの見方から円売りが広がった。

米金利上昇も円相場の重荷となった。パウエルFRB議長が9月30日のイベントで「利下げを急いでいるわけではない」と強調した。政策金利の先行きについて「経済がおおむね予想通りに進展すれば、より中立的なスタンスへ時間をかけて移行していく」とした。FRBの大幅利下げ観測が後退して米長期金利が上昇し円売り・ドル買いが膨らんだ。

円は対ユーロで3営業日ぶりに反落した。17時時点では同1円08銭の円安・ユーロ高の1ユーロ=160円20〜23銭で推移している。ユーロは対ドルで反落した。17時時点は同0.0064ドルのユーロ安・ドル高の1ユーロ=1.1112ドル近辺で推移している。

金利

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1日の国内債券市場で長期金利は低下(債券価格は上昇)した。指標となる新発10年物国債の利回りは前日比0.005%低い0.850%で推移している。0.845%まで低下する場面があった。日銀が1日朝に発表した9月の金融政策決定会合の主な意見が、日銀の追加利上げ観測を高める内容ではなかったとして、国内債の買いを誘った。

9月19〜20日開催分の日銀会合の主な意見では、「金融資本市場が不安定な状況で、利上げすることはない」との声があった。「海外経済の不確実性が高まった」などと米経済の先行き不透明感を指摘する意見も出ていた。日銀の早期の追加利上げ観測がやや後退し、国内債の買い材料とみなされた。

一方、前日の米金利上昇や1日の日経平均株価の大幅上昇は、国内債の重荷だった。10年債は朝方は前日比横ばいの0.855%で取引が成立した。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が9月30日に「委員会は利下げを急いでいるわけではない」と語り、米国の大幅利下げ観測が後退して米長期金利が上昇。1日のアジアの取引時間帯でも米金利は高止まりしており、国内債の上値を重くした。日経平均株価が732円高と大幅高となり、相対的に安全な資産とされる日本国債に持ち高調整売りが出やすかった面もある。

流通市場ではきょうから新発債となった2年465回債が前日比0.005%低い0.385%で推移している。新発5年債は0.010%低い0.495%をつけた。超長期債は高安まちまち。新発20年債利回りは同0.005%低い1.665%となった一方、新発30年債は0.005%高い2.070%をつけた。

債券先物相場は反発した。中心限月の12月物は前日比5銭高の144円70銭で取引を終えた。

短期金融市場では大阪取引所の無担保コール翌日物金利(TONA)先物が上昇した。中心限月の12月物は前日の清算値比0.0025高い99.6675で終えた。全銀協TIBOR運営機関が発表した日本円の東京銀行間取引金利(TIBOR)3カ月物は、前日から0.01000%高い0.44727%だった。

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