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18日マーケット動向
まとめ
日本株式見出しの三つの重荷とは米国長期金利上昇、トランプ次期大統領による関税引き上げ、日本企業の業績鈍化懸念。
長期金利は15日に一時4.50%まで上昇6月以来の高水準をつけた。
利下げ観測後退、
24年4〜9月期の決算発表は前週末でほぼ一巡、13日までに決算を発表した上場企業の最終損益と市場予想の乖離(かいり)額は、59%の企業で実績が市場予想を下回った。
視線はエヌビディアの決算。
ドル円は利益確定や持ち高調整を目的とした円買い・ドル売りが優勢だった。
日本株式 ↓ 日経平均株価422円安 日本株を抑える「3つの重荷」
米株式 ↓ NYダウ続落、305ドル安 利下げ鈍化観測が重荷
為替 ↑ 外為17時 円相場、大幅続伸 154円台半ば 対ユーロも高い
日本長期金利10年 ↑ 債券15時 長期金利、横ばいの1.070% 日銀総裁発言への反応限定
日本株式
日経平均株価 38,220.85 -1.09%
TOPIX 2,691.76 -0.73%
東証グロース指数 794.05 -0.86%
18日の東京株式市場で日経平均株価は反落し、前週末比の下げ幅は400円を超えた。日本株の上値を抑える重荷は大きく3つある。米長期金利の上昇とトランプ次期米大統領による関税引き上げ、日本企業の業績鈍化懸念だ。投資家心理は強気に傾きにくく、日本株は膠着状態に陥りつつある。
終値は422円(1%)安の3万8220円。輸出関連株中心に売りがかさんだ。目を引いたのは景気動向に敏感な半導体関連株だった。代表格の東京エレクトロンは一時3%安となった。
1つ目の売り材料が、米長期金利の上昇だ。15日に一時4.50%まで上昇し、6月以来の高水準をつけた。15日発表の10月の米小売売上高は市場予想を5カ月連続で上回り、米国内総生産(GDP)の根幹をなす個人消費の堅調さが見て取れた。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が14日の講演で利下げを急ぐ必要はないとの考えを述べたことも、米国の利下げ観測後退につながった。
金利上昇に伴い株式の相対的な割高感が意識され、15日の米株市場では高PER(株価収益率)銘柄を中心に売りが拡大。ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は4日続落となり、東京市場もその流れを引き継いだ。
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米大統領選で共和党のトランプ氏が再選を決めて以降、インフレ圧力を強めやすい政策が推進されるとの見方から米金利は高止まりしてきた。それでも次期政権への政策期待で「金利上昇と株高が併存してきた」(岩井コスモ証券の嶋田和昭ストラテジスト)。
止まらぬ金利の上昇で足元では「金利高・株高」の構図が崩れ始めている。「『トランプトレード』でカムフラージュされてきたものがはがれ落ちてきている」と指摘するのは三菱UFJアセットマネジメントの石金淳チーフファンドマネジャーだ。「金利上昇に株価がついていけなくなっている」と分析する。
2つ目の重荷は、トランプ氏が掲げる関税強化策などが日本を含む世界景気に悪影響を与えるとの不安だ。米国への輸出品に対して関税の引き上げをかねて主張しており、実現すれば自動車など外需関連銘柄中心に一定の打撃は避けられない。18日は為替が前週末よりも円高に振れたこともあり、トヨタ自動車が一時1%、IHIが5%下落するなどさえない値動きだった。
3つ目の重荷は日本企業の業績懸念だ。24年4〜9月期の決算発表は前週末でほぼ一巡したが、市場の想定よりも伸びが鈍い。日本経済新聞が13日までに決算を発表した上場企業の最終損益と市場予想の乖離(かいり)額を調べたところ、59%の企業で実績が市場予想を下回った。東証株価指数(TOPIX)構成銘柄の予想EPS(1株あたり利益、12カ月先ベース)でみても伸びが鈍化している。
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野村証券の沢田麻希ストラテジストは「決算を見る限りは相場全体を押し上げるような要因にはなりにくい」と分析する。
もっとも、現時点で日本株の株高基調が根本から崩れる深刻な売り材料は見当たらない。市場関係者がレンジ相場を脱却するカギとして注目するのが、20日に24年8〜10月期決算を控える米半導体大手エヌビディアの動向だ。生成AI(人工知能)ブームをけん引する立役者で、相場全体に与える影響度は大きい。
SBI証券の齊木良シニア・マーケットアナリストは「売上高の伸びと新製品『ブラックウェル』の出荷動向に関する具体的なコメントが出てくるか」に注目する。「市場の期待を上回れば、日本株が今のレンジ相場を上抜けるターニングポイントになる」とみる。仮にそうなれば、最近の下げは絶好の買い場だったといえそうだ。
(大久保希美)
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米株式
【NQNニューヨーク=戸部実華】15日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、前日比305ドル87セント(0.69%)安の4万3444ドル99セントで終えた。米国の物価上昇圧力が根強く残るなか、利下げを慎重に進める姿勢を示す米連邦準備理事会(FRB)高官が増えている。10月の小売売上高など市場予想を上回る米経済指標の発表が相次ぎ、米金利の先高観が強いことも株式相場の重荷となった。
今週発表の米物価指標は総じてインフレ圧力の根強さを示したなか、FRBのパウエル議長は14日の講演で利下げを急ぐ必要はないとの考えを述べた。シカゴ連銀のグールズビー総裁は15日朝の米CNBCの番組で、物価上昇率がかなり高いとの認識を語った。このところ複数のFRB高官が利下げを慎重に判断したい考えを示している。
市場では12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ見送りや、来年の利下げペースが想定よりも緩やかになる可能性が意識されている。「FRBが(金融緩和に積極的な)ハト派姿勢を和らげていることが、ハイテク株を中心に株式相場の逆風になった」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。
15日朝発表の10月の米小売売上高は前月比0.4%増えた。ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(0.3%増)以上に伸びたうえ、9月分も上方修正した。ニューヨーク連銀が同日発表した11月の製造業景況指数は31.2と、市場予想を大幅に上回った。
堅調な経済指標を受け、米長期金利は一時4.50%と6月上旬以来の高水準を付けた。米国の次期政権による関税引き上げなどの政策がインフレ圧力を高め、金利が高止まりするとの観測も根強かった。株式の相対的な割高感が意識され、高PER(株価収益率)銘柄を中心に売りが出た。5日投開票の大統領選後に米主要3株価指数は大きく上昇した後で、主力株に利益確定や持ち高調整の売りが広がった。
製薬株の下げも目立った。トランプ次期米大統領が14日、厚生長官にロバート・ケネディ・ジュニア氏を起用すると発表した。同氏は新型コロナウイルスのワクチンに懐疑的な立場で注目を集めた経緯があり、事業環境を巡る不透明感が意識された。アムジェンが4%安となったほか、ダウ平均の構成銘柄以外ではモデルナやファイザー、イーライ・リリーなどが大幅に下げた。
個別銘柄ではアマゾン・ドット・コムが4%安となり、エヌビディアやマイクロソフトの下げも目立った。シャーウィン・ウィリアムズやマクドナルドなども安い。一方、ウォルト・ディズニーは14日に発表した決算や見通しを好感した買いが続き、5%高となった。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に4日続落した。前日比427.530ポイント(2.23%)安の1万8680.121で終えた。メタプラットフォームズが約4%下げ、アルファベットも売られた。半導体製造装置のアプライドマテリアルズが9%安となった。前日夕に四半期決算と同時に示した2024年11月〜25年1月期の見通しが慎重と受け止められた。同業のラムリサーチやKLAにも売りが波及した。
半導体関連株が軒並み下げ、主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%下落した。
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為替
18日の東京外国為替市場で、円相場は大幅に続伸した。17時時点では前週末の同時点に比べ1円24銭の円高・ドル安の1ドル=154円53〜55銭で推移している。前週末までに大きく進んだ円安・ドル高を受け、利益確定や持ち高調整を目的とした円買い・ドル売りが優勢だった。
10時前には一時153円84銭近辺まで上げ幅を広げた。名古屋市での金融経済懇談会で日銀の植田和男総裁が講演するのを前に、金融引き締めに積極的な姿勢を示すと警戒した市場参加者から円買い・ドル売りが活発化した。
植田総裁は講演で、金融緩和度合いの調整を進めるタイミングについて「あくまで先行きの経済・物価・金融情勢次第だ」などと述べ、毎回の金融政策決定会合でデータを点検しながら政策を判断する基本姿勢を示した。外為市場では早期の利上げに前向きな姿勢を示さなかったとの受け止めから、円売り・ドル買いも出て155円14銭近辺まで伸び悩む場面もあった。
円は対ユーロで反発した。17時時点では同1円42銭の円高・ユーロ安の1ユーロ=163円ちょうど〜163円02銭で推移している。前週末の米株式相場の下落や18日の日本株安を受け、投資家心理が弱気に傾くとの見方から「低リスク通貨」とされる円は対ユーロでも買われた。
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金利
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