半生
将来の自分が行く場所は、
刑○所か墓場。
小学生の頃、そう思っていた。
喧嘩の絶えない家庭。
暴力。
7歳で他県に引っ越したら、
生きていくのが、もっと大変になった。
新しい学校の初日。
席についたら、後ろの子が言った。
N君、ナイフ持ってるから、
56されないように気をつけてね。
N君は、私の隣の席の子だ。
7歳の子供が、刃物を持って学校に来ている。
教師は叫ぶ。
『てめぇ〜ら、静かにしろ!ぶっ56すゾ!』
投げられたチョークが、前方から飛んでくる。
教師だけじゃない。
生徒である子供も、同じ事をする。
56す!、4ネ!!は、日常茶飯事。
座席に座っているだけで、針が剥き出しのコンパスや、凡ゆるものが飛び交う。
そんな学校があると思うか? この、日本に。
ある。今は、廃校になったようだが。
私はそういう環境で育った。
家。学校。何処に行っても、暴力。
将来の夢は、犯○者。
11歳でそう書き記す程、
私の人生は荒み切っていた。
都内の中学に移っても、行ったのは7日。
外出もせず、好きなゲームにのめり込む日々。
気がつけば、19になっていた。
その頃手にした、1冊の小説の一文が、
私の人生を変える事になる。
人生をどの様に生きるかは、自分で選べる事。
自分のいる環境や、状況のせいにしない事。
憎しみを選ぶ代わりに、赦す事を
私はこの20年で学んだ。
私は、刑○所にも、墓場にも行かずに、
今を無事に生きている。
解雇で職を失ったが、幸せだ。
何気ない毎日の中に存在する恵みは、
計り知れない。
感謝を忘れず、これからも歩んでいきたい。
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