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ESGが私たちに残したもの

こんばんは、まねこです。

30度が涼しいと感じるくらい、今年の夏は暑いですね。
今日は、夏休みがもうすぐ終わる息子を連れて海に行きました。
今年二度目なんですが、今日の海はいつもよりちょっと温かかった気がします。
幸か不幸か晴天続きで、子どもたちにとっては良かったかもしれません。
ですが一方で農作物への影響は深刻で、枝豆も中身が詰まっていないものが多いように感じます。
これらはやっぱり地球温暖化のせいなんだろうな、と思わずにいられません。

今日の記事はこちら。

米国発の逆風、ESGマネー奔流 脱炭素のあり方探る:日本経済新聞

うーん、考え方としては間違っていないと思うのですが、政治のおもちゃにされてしまった感が否めません。

そもそもESGとは何だったのか。
野村アセットマネジメントさまがわかりやすくまとめていますので、ぜひご覧ください。

環境、社会への対応、そしてそれらを管理するガバナンスの3つが企業が今後も成長するために必要である、という考え方なわけですね。

これだけ聞くと、「そうだよね」と思えるのに、どうしてこんなに反ESGが増えてしまったのか。
それは、「求められる行動が厳しすぎたから」じゃないかと思います。

温暖化の原因とされるCO2の削減をどこまで企業に求めるのか。
繁栄を続けてきた企業にとって、CO2削減はそうそう簡単にできるものではありません。
しかし、現実にこれだけ異常気象が起きているわけで、モタモタと議論をしている時間もない。
「南極の氷が溶けたら大変なことになるんだから、今すぐエアコンを消してうちわで過ごせ!!」と言われても、「こんなに暑いし、みんなのために便利なものを作ったのにどうして使ったらいけないんだ!!」というようなことが起きているわけですね。
企業の社会的責任=CSRと、企業の存続の間で大きく揺れ動く中、既得権益を手放したくない保守層と、環境問題に積極的なリベラル層の対立に巻き込まれていってしまいました。

また、この記事では脱炭素の話のみでしたが、男女参画やLGBTQなど多様性の問題でも同様のことが起こっています。
例えばポジティブアクションに対して、「そんなことをしたら男がのけ者にされる」といった批判が出ています。つまり、本来得られるはずだった権利を奪われていると感じている人が増えているということになります。

これらに共通することは、「あまりにも急進的すぎる」ということじゃないかと私は思っています。
もちろん、差別はあってはなりませんし、温暖化も待ってはくれません。
ですが、その枠組みでこれまで生きてきた、いわば「生態系」ができあがっていた状態を、完全に無視して新しい枠組みを作るのは反発があっても仕方がないように思うのです。
これまで先人が受けてきた恩恵を、自分たちも受けられると思っていたら、「それは駄目だ!」と突然知らない人から言われたら。
それがどんな内容であれ、受け入れるのはたやすいことではないと、皆さまも想像できるのではないでしょうか。

似たような言葉にSDGsがあります。
持続可能な開発目標、と日本語では訳されます。
私はこの「持続可能な」という言葉が好きです。
誰かに無理を強いず、自分も無理をしない、というニュアンスが含まれるからです。

誰かが無理をすることは持続可能ではないです。
それは間違いなくどこかで破綻します
、と自信をもってお伝えします。

誰も無理せず、環境や人権を大切にしていく。
そのための新しい取り組みをしていこう、というのが本来のESGの考え方だったはずです。
ところが、急進的な考えとその反発が感情論を巻き起こし、戻れないところまで来てしまいました。

ブラックロックのCEOがESGという用語を使わない、と表明して話題になりましたが、それは別にESGを無視するという話ではもちろんありません。
それらが大切であることはみな、わかっているからです。

では、これから私たちがどうするべきなのか。
「持続可能な」イノベーションを生み出すこと、これに尽きると思います。
ストレートに対峙するから反発するのであって、その力を別の方向に向けていけばいい。

仕事をしていて、実績として評価されない仕事がたくさんあることに気付きました。それは誰もがやりたがらない仕事となってしまい、それを押し付けあう事態が発生します。ではどうすればいいのか。
それが評価される仕組みに変えればいい。
私は、微力ながらそういった仕組みづくりに参画していました。

環境問題にも同じことが言えると思います。
脱炭素は必要、だけど今の便利さを失いたくない。
であれば、新しい取り組みをすすめていけばいい。

「簡単に言ってくれるな」と思うかもしれません。
ですが、皆が同じ方向を向く必要があります。
それは企業理念にとても似ています。
理念を掲げ、理念に沿って行動し、振り返る。
そういった取り組みの積み重ねが求められていると思うのです。

ESGが私たちに残したことは、急進的な押し付けでは物事はうまくいかない、ということではないかと思います。喧嘩するくらいなら時間をかけてゆっくりと浸透させた方がよっぼど早く解決できるのではないでしょうか。
そんなことを、私はこの問題から感じています。

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