見出し画像

【建築設備士】私の合格体験記   【二次試験編】【受験までの道のり】

前回、一次試験の結果発表までの体験記を書かさせて頂きました。
今回は、二次試験編です。
二次試験は給排水衛生、空調、電気の一部選択制です。
自分が知る限り、給排水衛生選択の方が多いと思いますし、情報量としても段違という印象です。
私は【空調】を選択した者ですので、少しでも情報の足しになればと思います。


一次試験合格から二次試験に向けての準備

準備物

一次通過から二次試験まで時間無さすぎ!
6/17の発表から二次試験が8/20。2か月もないです。
とりあえず、勉強に必要な物を揃えました。
【筆記用具】
・普通のシャーペン(文字記入用、製図)
・製図用シャーペン
・テンプレート(四角と丸と三角、シンプルなやつ)
・コンパス
・三角スケール
【勉強用資料】
・過去問(建築設備士試験のHPで公表されているもの)
・二次試験講習会テキスト
以上をネット通販でとりあえず揃えました。
他にも製図板とか、消しカスを掃除するハケ、とか色々準備されてる方はいらっしゃる印象ですが、私は持っていくのも面倒ですし、第一そこまで財力ないので・・・。
あとテンプレート正直不要だった。

過去問の選定

二次試験は建物のテーマが年度毎に異なります。
過去問を選定する際、どうしても似ているテーマをピックアップしてしまいがちです。でも、テーマが違うのであれば覚える事が変わるよね?と思われがちですが、基本的に覚える事はテーマが違っても変わりません。
唯一変わってくるのは、建物テーマに付随する特殊施設です。
例えば、プールや温浴施設とか。
その特殊施設に関する覚える事の量としては少ししかないので、後学の為にもヤマは張らずにテーマをこだわらずに勉強してしまった方が効率いいと思います。

過去問の準備

特に対策テキストが市販されている訳でもないので自力で用意する必要があります。
二次試験については少し面倒なのですが、過去問題と回答用紙を印刷する必要があります。
回答用紙は実際の試験と同じサイズで印刷することをお勧めします。
理由としては、記述欄の大きさに合わせた文字サイズ、文量で予め練習しておくことができ、試験当日焦らないからです。
なので、試験サイズがA2ですからA3-2枚に分割印刷してテープで張り合わせました。

A3縦2枚を接合

講習会へ出陣

一次試験通過後、講習会までに少し期間があったので先に勉強を始めようかと思いましたが、軽度な燃え尽き症候群を発症してしまったので骨休みしました。
そして、講習会当日。
巷では講習会に行かないと合格できない。とか噂聞きますし、受講料金も高額なので相当な期待値を持って臨みました。
いざ、会場に到着し受付を行い、待望のテキストを受領。
座席は長テーブルに三人座る形でした。
一席分の間隔はあったのでそこまで窮屈な感じではなかったです。
ロビーに喫煙ブースがあったので喫煙者の私にとってはありがたかった。。
そんなこんなで講習会開始。
一生懸命説明してくださった講師の方々には申し訳ないですけど、講習会をする程の内容ではなかったです。
ただ、講習会で最も重要なのはテキスト。これだけ。

テキストも手に入れたし勉強開始

はじめに

講習会でゲットしたテキストを通勤時間を利用して繰り返し読みました。
テキストには過去問の解答集が掲載されています。
勉強を進める上ではその点はありがたかったです。
テキストを読み、なんとなく全体感を掴んだらアウトプットを徐々にしていきます。

まずは計算問題

空調選択の計算問題はパターンが若干固定化されています。
また、一次試験でも勉強していた風量計算とか換気計算もでるので繰り返し解けば難なく覚えられます。
ただ、計算した結果を次の計算でも使うので一つでも間違えると一網打尽になってしまうので凡ミスしないように何度も繰り返し練習しました。

作図問題(共通)

作図問題ですが、共通科目では空調平面図、衛生平面図、電気平面図を作図する必要があります。共通科目なのでそこまで難易度は高くないですし、セオリーも決まっています。特に”電気平面図”なんかはやらなければならない計算も決まっていますし、器具配置についても配置間隔が計算で導き出せるので製図センスはいりません。

共通科目 電気平面図

つぎに、”衛生平面図”です。
これは電気より少しセンスが必要です。
■何もない所から配管を書き始めてはダメですよ。
きちんとPSを意識して、止水バルブも記載する必要があります!
■給水管や排水管、通気管の立ち上げ、立ち下げ箇所に注意。
給水管の立ち下げや立上りは内装を意識して書く事です。(基本的に隠蔽敷設を意識すること)
排水管についても梁上では貫通できませんし、配管同士の合流ポイントは流下方向を示して書く必要があります。

共通科目 衛生平面図

”空調平面図”
空調設備に携わっていない人にとっては少しマニアックな分類である為、苦戦することを多いようです。
器具のサイズ感や効率的な器具配置、ダンパーやバルブの適切な配置、無駄のないダクトワークも要求されます。
私が受験した時のお題はFCUでした。
FCUの注意点としては冷水配管と制御バルブ、ドレン配管です。
特に冷水配管についてはお題でリバースリターンで作図指示があったので練習しておいてよかったです。また、冷水バルブについてもFCU二次側に配置、ドレン配管も閉塞時の保守性を考慮した配管ルートと掃除口の配置など、他の分野では余り要求されない事が空調ではあるのではないかと思います。(某掲示板でも空調の作図ミスったという意見がおおかったです。)

共通科目 空調平面図

作図問題(選択)

さて、私は冒頭でも述べた通り空調選択者です。
なぜ衛生や電気でもなく空調を選択するかって?
理由は二つ
・パターンが明確
・作図量が少ない(主観的に)
からです。
全体的なプラントの構図は空調機-配管-ヘッダー-熱源と単純です。
めんどくさポイントとして
・バルブやポンプの配置箇所
・冷温水配管は4管若しくは2管式の配管ワークの違い
・サーモ等の計測機器の配置
・熱源プラント種類ごとの配管ワークの違い(特に蓄熱槽はめんどい)
・配管同士の重なり部分の作図配慮
・配管の流動方向図示
など、覚えるルールが多いのが欠点かなと思います。
しかし、そのルールも設備として当たり前の上で成り立っているのでジグソーパズルを組み立てるようなもの。と私は解釈しています。
実際、テキストに記載されている空調図面をまずは見て覚える。
そしてマネして書いてみる。
マネができるようになったら過去問をやってみる。
過去問は設備機器等の条件整理を行う必要があり、条件解釈をミスると作図崩壊します。
兎に角、騙されたと思って何度も書いて体に染みこませるしかないのです。

選択科目 熱源系統図

記述問題

記述問題は二次試験の勉強において一番時間を費やしました。
理由は単純。量が多すぎるのと自分オリジナルの体のいい回答を作るのに時間がかかるからです。
過去問をやってみて思ったのですが、試験制度変更前の問題は設備単体に対して問う問題が多かったのに対し、近年はより細かな部分について問う問題に変更されています。例えば「屋内消火栓の消火栓ボックスの配置に関する留意点を3つ答えよ」という感じです。配置だけで3つもネタあるかい!と言いたい所ですよね。
昔は「屋内消火栓設備の計画に関して留意点を述べよ」という問題であった為、消火栓ボックスや消火栓ポンプのスペックや配置計画について知っている事をひたすら書けばよかったのですが、最近は前述の通り、広く深く理解をしておく必要があるということです。
まぁ、近年、設備も高度化していますし基準の見直しも活発なのでしょうがないよね。という所です。
嘆きはここまでにしておいて。
対策です。
とりあえず、設備毎に且つ、問われそうな内容をカバーすべく、いっぱい解答文を作りました。それをひたすら暗記、ノートに書いてアウトプット、答案用紙に書いて文字サイズの調整。を10年分の過去問を一周程度やりました。これだけやると何となく自分のパターンが出来上がって来るものですね。暗記一閃でやっててもダメな場合があります。
それは建物の状況を考慮した回答文を作文です。
考慮することには理由があります。
例えば、
図書館の閉架庫の空調の計画について留意点を述べる場合。
ただ単に、「結露防止として空調器具には防露タイプを採用する。」という回答だと〇はもらえません。△もしくは×になります。

それくらい試験制度が改正されてから厳しくなったのです。
ポイントとしては建築設備士に求められる職責、能力をよく考える事です。
上記回答に一言加えるのであれば、「空調器具で発生した結露が書籍類に滴下する恐れがある為~」など、なぜ、そのような対策・手段を講じる必要があるのかを明確にする必要があります。

設計者として一級建築士に助言することは勿論の事、クライアントと良好なコミュニケーションを図りながら要求に対するプレゼンをする必要があるのです。試験とは言え、クライアントへ説明するようなイメージで一言加えると手段に対する背景を知ることができ、自身の提案の厚みが増すことにもなります。

図面を意識した回答
記述問題の解答では、問題の図面を考慮しなくても回答できる問題が多々あります。
その反面、図面をよく観察して建物独自の条件を考慮しなければ回答できない問題もあるのです。
問題の対象となる場所や部屋の状況はその都度確認されたほうがよいでしょう。
例えば、屋上に冷却塔を設置する際、設置場所の選定について留意点を述べよ。という問題です。
留意点のポイントとしては、”騒音””レジオネラ菌””冷却塔周囲状況”などが思い浮かびます。
今回は騒音というポイントで回答するとします。
騒音に対する対策としては、冷却塔本体を低騒音型を採用する。等の対策があります。しかし、”設置場所の選定”ですから上記は回答できません。
ではどうすれば。
単純に影響が少ないところを探して回答すればいいのです。
試験問題の図面をよく観察し、直下階で静粛性を求められる居室を避けられ、かつ、外気の取り入れ箇所や人が立ち入りできるバルコニー近傍から遠ざけた場所が適所ということになります。

このように設備アイテム単体について回答を求められる問題と
状況等を考慮した回答をする必要がありますのでキーワードや回答文の丸暗記はやめて回答文の原材料として使えるように習得してください。

最後に

私は設計や施工を本業に仕事をしている訳ではないのですが、建築設備士に合格することができました。
これは設備に関わる多業種の方々にとっても良いきっかけになってくれればと常々思っています。
そこで。
つきなみですが、二次試験の対策。
特に記述と空調選択に関する学習資料をつくりました。
自分としても過去問からパターンや類題を整理して短い期間で効率よい勉強を心掛けたつもりです。その勉強ツールをリリースしたいと思います。
講習会資料よりも有効的な資料を!という思いで作っていました。
(講習会は高いし、拘束時間も長いので正直コスパ悪い)

近々、投稿しますので少々お時間頂戴できればと思います。




いいなと思ったら応援しよう!