異世界はヒカキンとともに――


 おう、俺はオタク。毎朝早起きしてプリチュア見ながらシコってる、まさにキモオタだ。


さて、今日はディリシャスパーリー!プリチュアのピンクであるチュアライスたんこと結和実(ゆいかずみ)ちゃんの新発売フィギュアを買いに行くぞ〜!!


「セイキンミュージック♪おぉセイキンミュージック♪」


ん、なんかトラックが走ってきたぞ…?


「主役は君なのさ〜♪ふぉおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


ドゴーン!!!


ん、ん…。俺、死んだのか…?いや、虫の息だが意識はある…。しかし、体は動かない…。


「どうも、セイキンです!ンッ!!」


ん、なんだ?セイキン?このトラックの運転手セイキンかよ!?


「トラックの運転を任され人を轢いたセイキン、今回の実験結果、セイキンには効果なし!(あくまでぼくのばあいはこうかがないっぽい)」


いやいや、そらゃそうだろ。トラックで人を轢いたら轢かれた人は大事だが轢いた人には対してダメージがある事なんて滅多にないだろ!


「僕は辛いのが平気(にがて)なんで、今日はセイキン、帰る!」


平気(にがて)ってなんだよ!日本語正しく使えやカス野郎。

てか帰るな轢き逃げかよ!?


ヤバい、そうこうしてると意識が薄れてきた…。





ん、何だここ?


「ようこそ、神の間へ。」


「何者だ貴様!あれ、喋れる…。」


「神様に向かってなんですかその態度?まぁ、名乗るくらいはしてあげましょう。私は女神ふわーら、あなたはトラックに撥ねられて死んだんですよ。」


「何だよ、そのフワちゃんとぺこらを足したような名前!?あ、そうだ。俺を轢き逃げしたセイキンに罰を与えてくれよ、あんた神様だろ?」


「何故、私が裁かねばならないのです?彼を裁くのは私ではなく法でしょう、弁護士に相談しなさいな。もっとも、死んだ貴方には無理なことでしょうけど。」


何こいつ、喧嘩売ってんのか?


「いやいや、セイキンは確かに業を詰んだだろ?」


「はい?開發兄弟が業人なわけないでしょ。あの兄弟は聖人よ、あんた程度を殺したくらいどってことないくらい徳を積んでるのよ。あんたは社会に死んで損害が出るほど徳を積んできたのかしら?」


ち、ちくしょう…。確かに俺は徳を積んだわけではない。だが轢き逃げされたのにこの仕打ちは酷すぎるだろ!これがヒカセイ聖人論かよ!!


「まぁ貴方が不憫な事に変わりないので、貴方には特別ミッションの魔王討伐に出てもらうわ。」


「おー、キタキタ!異世界転生特有の展開…って、そんなのいるかよ!!生き返らせろ、生前の世界にさぁ!!!」


「んな事できるかよバーカ!死んだ人間は現世に帰れねーよ」


勝手に思考を読むな…。


「てなわけで補填として旅のお供を用意しました。職業は聖職者です。」


「聖職者…つまりヒーラーか?ありがたい」


「ではご入場…!」


さぁ、誰が来るのだろうか?これは楽しみで仕方ない。


「ブンブン、ハローYouTube!!どうもHIKAKINです」


「なんやねんこの中年デブ!?てかHIKAKINのどこが聖職者やねん!」


「あなた、ヒカキンは聖人と呼ばれていたのですよ?十分に聖職者じゃない!」


「いや、それは違うんじゃないか…?」


「細かい事はいいの、HIKAKINがこの世界のサポートするから後は頑張ってね!」


「いや、待て待て。せめて俺TUEEEパワーは必要だろ?この流れ、普通そうだろ?」


「はぁ?なろう小説の読みすぎ。誰彼構わず俺TUEEEなんてしたら世界の均衡が乱れるだろ!そんな事もわからないの?いい年して…。」


「ちょ、おま…」


何やこいつ、許せねえな。いつか貴様を討ち取ってやるからな自称神が!!


「俺TUEEEしたい(ガクガク)…俺TUEEEしたい(ガクガク)…俺TUEEEしたい(ガクガク)…俺TUEEEしたい(ガクガクガクガク)………でもできない!(ニチャァ)」


「いや、お前なんやねん!?」


「はよ魔王討伐してこいや邪魔くせえ!」


「それが本当のお前の口調かクソ女神ぃぃぃぃぉぃ!!!!!!」



 そうして、俺は中年デブを連れて異世界に飛ばされました…。


「今、起きましたね。」


お前は一生寝てろや…。



 しかし、異世界かぁ…。基本的にRPGの真似事だろ?RPGの主人公に憧れた現実逃避設定(といいつつあの手の作者ってアニメ化したら少なからず名声立つしこっちの世界でもまだ幸せな方なんじゃね?と思ったりはするが…)。


「何だこの自己満己満己満己満己満己満己満己満己解説。」


「急に思考盗聴するなデブ!」


「最近そんなアニメ流行ってたのか、知らなかったなー。アニメがつまらんくなったというかネットが面白くなりすぎてるんだよねぇ。」


いやいやいやいや、dアニメストアならネットで合法にアニメ見放題だろ!あ、こいつドラ○ンボール海賊版で視聴してる奴だったわ…。



 こんな茶番をしている内にスライムが目の前に現れた…。


「よし出たなスライム俺たちと勝負だ!」


「いきなり勝負かよ、クソゲーらしいな!?」


ほんと、何なんだよこれ…。


「開發流、轟刑ごうけい7'095'110烈拳!!パンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパンパン…」


「すげぇ…。あいつ、あんな技を…」


そうしてヒカキンはスライムを倒した。スライムは50ゴールド落とした。


「よっしゃ!50ゴールドゲット!!」


「なぁヒカキン、それ持ってたらなんかあるんか?」


「なんと、ゴールドを集めると…ガチャが引けます!」


「どのくらい集めればいいんだ?」


「10連ガチャ、SR以上確定1枚、レさキャラ排出率アップ…ハァハァ…5'696'600ゴールド!」


「しょっぱ…。」




 そんなこんなで、そのくらいのゴールドを集めてきました。疲れた……。


「それでは、いきますよ〜。ガチャ引きタ〜イム!ちなみに私は単発派です。」


はよ引けやデブすけ…。


「それでは引きますよ〜!」


―――作詞 HIKAKIN 曲名 ナイ珍珍ゲール


「まだ逆転だよ 心重ねて ぱんぱん ぱんぱぱん ぱぱんぱんぱんぱん プルギス ワルプルギス ワ〜ルプルギス ワ〜ルプルギス ワ〜ルプルギス ををををををををぁぁぁぁぁぁぁ ワルプルギスママに ワルプルギスほしいな! ワルプルギスゥゥゥほしいな! ワルプルギス欲しいな〜 ワルプルギス〜 ウ〜リエル ナイ珍珍ゲール! ワルプルギス アクナ ムトロビッグ フォ〜〜〜〜 うおおおおお!!!!!!(以下省略)」


これガチャ引くときの詠唱魔法かなんか?てか省略してこの長さかよ…。


(これから先はセリフが多くなるので「」の前に発言者の名前が付きます。)




 1回目 Nレア たぬき


HIKAKIN「ぽん!」


オタク「お前のモノマネ付きかよ!」


HIKAKIN「まだ逆転だよ 心重ねて〜」


オタク「もう歌うな…。」




 2回目 N ミツバチ


HIKAKIN「ブーン!」


オタク「ポーズ同じじゃね…?」



 3回目 N ポムポムプリン饅頭


HIKAKIN「HIKAKIN.TVではケツの穴とかあんまり言ったことないけどw」


オタク「あっそ。」




 4回目 R ビオコーラ


HIKAKIN「べバンダ…アナ、ゥ」


オタク「……え?」




 5回目 R コカ・コーラ


HIKAKIN「凍ってんだけど、なにこれ?はぁ?チョットマッテチョットマッテ」←キレてる


オタク「何キレてんだこいつ?」




 6回目 N 鈴


HIKAKIN「あーなるなる!」


オタク「おい今ガッツリ言っとるやないか!!」





 7回目 R 関東の米


HIKAKIN「(中略)関東の米を食いたくないてのが本音…」


オタク「うわ、ガチで引くわ今の…。」





 8回目 N あけび


HIKAKIN「これ、皮食べたけど渋くて食べ物じゃない!」


オタク「いや、あけびって種を食べる物だよ…?」


HIKAKIN「あけび農家の皆様、すいませんでした。」


オタク「うん、関東のコメ農家にも謝れな?」




 9回目 SR 名倉さん


HIKAKIN「親戚が見ても恥ずかしくないように心がけています。汚い言葉を使うと子どもたちが真似するんで、気をつけています。」


オタク「おう、口だけだなお前。」


名倉「HIKAKINの動画は子どもに安心して見せられるんですよ。」


オタク「嘘だろお前!?騙されてるぞ…。」


名倉「オタク君さぁ…、皆自分が騙されていないように思い込むねん。君がもしかしたら騙されてるかもしれへんで?ちなみに俺の事をタイ人そっくりの日本人に思ってんとちゃうか?もしかしたら本当のタイ人かもしれへんで?」


オタク「えっ?」






 いよいよラスト、10回目‼

SSR 卵


ヒカキンTVエブリデイ…ヒカキンTVエブリデイ…ヒカキンTVエブリデイ…ヒカキンTVエブリデイ…


オタク「許して…。」



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