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それホントにできる? ~札回りの確率を考える~

1. はじめに

どうもこんばんは、めんたいこです。
前回記事が有用性が特にないやつで、一個くらい役に立つやつ書きたいかなあ、ってことで考えました。まあTwitterのTLでネタ探ししたんですけど。
書いてみたらこれ役に立たn
プロデュース編成とかフェス編成考えてて、理想の札回りってあると思います。じゃあその札切りできる確率ってどんなもん?ていうのを比較的真面目に考えました。最初パッシブも考えるつもりでしたが面倒すぎてやめました。条件分岐多すぎ。

なお、シャニマスで学ぶ統計的な話は昔見た記憶があります。興味ある人は探してください。確かnoteだったはず。ただ、統計学は検証をしたい人向けで、今回はシンプルな確率論です。計算手法の話も書きますが、そこに興味ない人は読み飛ばせるように書いたつもりです(が、計算のところで体力を使い果たしたので飛ばすとほとんど何も書いてません)。
ちなみに僕は数学専門じゃないので嘘を書いている可能性があります。あまり鵜呑みにしないように。扱ってるのは中学数学なんですけどね(多分)。間違ってるよーってあったら教えて欲しいです。あと僕説明が下手くそなことに定評があります。基本感覚派なので…

話それますけど、確率とか統計の入り口としてゲームって結構良いと思うんですよね。流行れ。

ちなみに確率に関しては、グレフェサーの皆さんは理想パターンが起きるまで試行回数を稼ぐから関係ないという説もあります(偏見)。怒られたらこの行は消します。

それではいってみよう。

2. 数学の話

というわけで数学アレルギーの人はここ飛ばしてください。計算に必要なものをざっとまとめておきます。

2.1 確率の基本

確率論とか統計って言っても、色々考え方があります。頻度主義とかベイズ主義とかです。ブレるのでここでは話しませんが、今回は頻度主義に基づいているはず。多分。 専門家じゃないので知らん(逃亡)。

基本的には知りたい出来事が起こりうるパターンを、その時点で有り得る全てのパターンで割ることで確率を求めていきます。立方体のサイコロの例で言えば、出る目は6パターン(1,2,3,4,5,6)、そのうち偶数がでるパターンは3パターン(2,4,6)なので、偶数が出る確率は1/2、すなわち50%とかそういうことです。

シャニマスで例えましょう。
・2023年3月追記
以下の例は全てルカ加入前(総勢25人)の時です。書き直すのは大変なのでこのままにします。ルカ推しの方はすみません orz。

Table 1. ユニットと身長で283アイドルを分けた表。作ったはいいがあまり使わない

字が小せえですね。まあこれでいきます。あんま使わないし
例えば全アイドルから一人ランダムに選ぶ場合、283所属アイドルは25人なので全パターンは25、そのうち選んだアイドルがイルミネであるパターンは真乃、灯織、めぐるの3人です。
したがって283アイドルからランダムに一人選んだ時、イルミネメンバーである確率は3/25です。パーセントで言えば12%です。

また用語として、「選んだアイドルがイルミネである」とか「一人選んだアイドルが櫻木真乃である」とか、「起こる出来事」のことを「事象 (event)」と呼びます。また、これ以上分割できない事象のことを根元事象といいます。「一人選んだアイドルが櫻木真乃である」は根元事象ですね。また、「選んだアイドルがイルミネである」という事象は、「選んたアイドルが(真乃or灯織orめぐる)である」という3つの根元事象の集合です。
(全ての根元事象が等確率で起こる (同様に確からしい)場合、)ある事象が起きる確率は

確率を求めたい事象を成す根元事象の数 / 全根元事象の数

で求めることができます。以下では根元事象のことを要素と書いてるところもあります。
(注! 事象という言葉の使い方が不正確かもしれません)

2.2 階乗 (Factorial)

確率の計算に便利な記法をいくつか。確率を計算する上で必要な、(根元)事象の数を数え上げる際に使います。

まずは階乗 (Factorial)です。意味としては、n個のものを順番に並べる方法の総数です。…と言われてもアレだと思うのでまたシャニマスで例えましょう。
イルミネ3人に順番に並んでもらう場合、その並び方は、
 真乃 灯織 めぐる
 真乃 めぐる 灯織
 灯織 真乃 めぐる
 灯織 めぐる 真乃
 めぐる 真乃 灯織
 めぐる 灯織 真乃
の6パターンです。3人くらいなら全パターン並べるのも別に構わないんですが、283アイドル25人が並ぶ並び方を数えろとか言われると大変です。

じゃあ上のやつをもう少し簡単に数えられないかなあ、と思うわけです。そこで、上に羅列した並べ方を二行ごとに眺めてみましょう。一人目の選択肢としてはイルミネの3人から一人選ぶことになるので、3択です。次に、1-2行をみると、二人目は真乃以外の2人から一人、3人目は選ばなかった一人。3-4行目、5-6行目も同じです。つまり、最初の一人目を選ぶ3択それぞれに2択があるわけです。
数式を使ってしまえば、

3 (1人目に選べる選択肢) * 2 (1人目で選ばなかった2人から選ぶ) * 1 (選ばなかった最後の一人) = 6

と書けます。(注: 変換が面倒なので掛け算の記号として * を使います)  1人選ぶたびに選択肢が1つずつ減っていく訳です。これが階乗の考え方です。数学記号では 階乗を表す際 ! を使います。
記号で書くと、3人を順に並べるパターンの数、すなわち3の階乗は

3! = 3 * 2 * 1 = 6

一般化すると、0以上の整数nに対し、nの階乗、すなわちn個のものを順に並べる方法の総数は

n! = n * (n-1) * (n-2) * … * 2 * 1

です。ちなみに0!は1と定義するのが一般的です。色々都合がいいからです。

これを使って上であげた25人を順番に並べる並べ方を数えると、

25! = 25 * 24 * 23 * … * 2 * 1

大体10億の10億倍の1000万倍です。数えなくてよかったですね。まあ5人ユニットのメンバー並べるだけで120パターンあるので…

2.3 順列 (Permutation)

今回使わないけど。次の組み合わせとどっちを先にやるかは意見が分かれると思います。
順列 (Permutaion)は n個のものからm個選び、さらにそれを並べる方法の総数です。
例いきましょう。

ノクチルでいきましょうか(5人ユニットは総数数え上げが大変なんですが、逆に3人だと例が少なすぎてわかりづらいかと思って…)。
4人から2人選び、さらに並んでもらう方法を考えます。
羅列します。読まなくていいです。
 円香 透
    透 円香
 円香 小糸
 小糸 円香
 円香 雛菜
 雛菜 円香
 透 小糸
 小糸 透
 透 雛菜
 雛菜 透
 小糸 雛菜
 雛菜 小糸
の12パターンです。もうすでに数えるのが面倒ですね。

楽をする方法を考えます。個人の意見ですが、一般利用の範囲では数学は理詰めで楽をするための学問です。炎上しないで
前節の階乗を使います。まずはノクチル4人に並んでもらいましょう。
そのパターンの総数は、4! = 24 通りです。ここで、4人を並べる24パターンのうち、後ろ二人のことはさておき、前2人の並びは上の12パターンを全て含んでいるはずです。従って24パターンのうち、前二人の並びが同じで残り二人の並びが違うパターンを省けば、調べたいパターンを網羅できます。
例を挙げれば、24パターンのうち先頭2人が 円香 透 の順に並ぶパターンは 円香 透 小糸 雛菜 か、円香 透 雛菜 小糸 の2パターンで、後輩組二人の並べ方のパターン数である 2!=2で割れば順列で求めたいパターンを一つ考えたことになります。

こうして計算されるのが順列です。数学記号ではPを使います。4人から2人選んで並べる並べ方の総数は、4人並ぶ並び方を残り2人の並び方で割る、すなわち

4P2 = 4! / (4-2)! = 4 * 3 = 12

と計算できるわけです。やり方わかんないのでこのままですが、Pの両サイドの数字は普通下付添字にします。

一般化すれば、二つの整数n, m (n ≧ m)に対し、n個のものからm個選びそれを並べる方法の総数は

nPm = n! / (n-m)! = n * (n-1) * (n-2) * … * (n-m+1)

となります。

2.4 組み合わせ (Combination)

今回たくさん使います。組み合わせ(Combination) は、n個のものからm個選ぶ選び方の総数です。並べない分n, mが同じでも順列より基本少なくなります。

順列が理解できていれば組み合わせの理解は簡単です。2.3 で使った例ではまず4人並べる並べ方を数え上げ、そこから並び方を数え上げたい前二人以外の並び方の分を割算でキャンセルしました。ここで前二人についても並び方の分をキャンセルしてしまえば、4人から2人選んだ分だけ数えられます。
順列の節で

24パターンのうち先頭2人が 円香 透 のパターンは 円香 透 小糸 雛菜 か、円香 透 雛菜 小糸 の2パターンなので、

という例を出しましたが、4人中2人選ぶだけなら円香透の並びも関係ありません。順列の計算方法のロジックを拡張すれば組み合わせは求められます。

数学記号としてはCを使います。4人のうち2人選ぶ選び方は、

4C2 = 4! / [ (4-2)! * 2!] = 6

です。一般化すると、二つの整数n, m (n ≧ m)に対し、n個のものからm個選ぶ方法の数は

nCm = n! / [ m! * (n-m)! ]

です。

2.5 余事象

今回計算していく上で一番重要な概念はこれでしょうか。
全ての事象のうち、考えている事象以外の全ての事象です。
2.1の例を引っ張ってくると、「選んだアイドルがイルミネである」の余事象は「選んだアイドルがイルミネ所属ではない」です。

ちなみに、似たような言葉で「排反事象」がありますが、これは同時に起こらない事象を指します。例えば「選んだアイドルがイルミネである」の排反事象は「選んだアイドルが放クラ」とか「選んだアイドルの身長が160cm以上」とかそういうのです。余事象は排反事象ですが、排反事象は余事象とは限りません。排反事象は余事象の一部みたいなイメージでいいと思います。

余事象が持つ重要な性質(?)は、

ある事象が起きる確率 [%] = (100 - ある事象の余事象が起こる確率) [%]

です。ある事象と、その余事象を合わせたものはすなわち全事象だからです。

これがなぜ重要なのかというと、「少なくとも一つ以上〜」の確率が求めやすいから。
例を出します。Table 1について、「25人の283アイドルから無作為に3人選んだとき、そこにイルミネのメンバーが少なくとも1人含まれる」確率を考えてみましょう。
全事象の要素数は25人から3人選ぶパターン総数なので、25C3 = 2,300 です。で、確率を求めたい事象は、この3人の中にイルミネが含まれる確率なんですが、1人含まれる場合、2人含まれる場合、イルミネ3人が選ばれた場合、なので全部考えるのは大変です。

そこで余事象。「25人の283アイドルから無作為に3人選んだとき、そこにイルミネのメンバーが少なくとも1人含まれる」の余事象は「25人の283アイドルから無作為に3人選んだとき、そこにイルミネのメンバーは一人も含まれない」です。これを数えるのは簡単で、要するにイルミネを除く22名から3人選べばいいので、そのパターン数は22C3 = 1540 です。
従って上の余事象の性質を使えば、「25人の283アイドルから無作為に3人選んだとき、そこにイルミネのメンバーが少なくとも1人含まれる」確率は

100 - 100 * 1540 / 2300 〜 33%

です。

せっかく表があるのでもう一つ。「25人から4人無作為に選んだ時、少なくとも一人身長160cm以上のアイドルが含まれる」確率は、68.9%なはずです。身長160cm以上のアイドルは13人。興味のある人はやってみてください。

3. 札回り

ここが本題(?)です。いくつか例を見ましょう。
計算興味ない人は太字とグラフを追えばなんとなくわかります。おそらく。

なお以下では、ライブスキル(LS)が手札に回ってくる確率はポジションとかpsどっちのLSかとかには依存せず全て等確率と仮定します。

プロデュースしててオデとかを受けている最中、1T目にpカードの札が回ってくる確率を考えてみましょう。LSはpカードのもの4枚、sカードのもの4枚の計8枚です。1T目には3枚選ばれるので、まず全事象の要素数は8C3 = 56 です。
少なくともpカードが一枚含まれる、の余事象は全てsカードのLSから選ばれる、なので、その要素数4C3=4で計算できます。従って、
プロデュースのオーディションで、1T目に少なくとも1枚pカードのLSが札に含まれる確率は 92.9% になります。体感より多い気がしますが、8枚中4枚pカードで3枚引くんですからこんなもんでしょう。

次、フェスいきます。1T目に絶対引きたい札があって、それが10枚のLSのうち1枚だけとしておきます。
1T目に実現する全ての札パターンは10のLSから3つ選ぶ選び方である10C3=120 通りで、余事象、すなわち引きたい札以外の9枚から3枚選ばれてしまうパターンは9C3=84です。従って、
フェスで、1T目にある一枚のライブスキルが手元にくる確率は、30%となります。

また、フェスは手札交換があります。一回交換なら初期手札4枚と話は同じです。全事象の要素数は10C4=210、余事象の要素数は9C4=126なので、
フェスで、1T目にある一枚のライブスキルが手元にくる確率は手札交換を一回すると40%、2回交換で50%です。

次、1T目に切れる札がもっとある場合。面倒なのでグラフにします。計算方法は一緒。

横軸は1T目に入ってたらいいなという札の数、縦軸はそれらの札が少なくとも一枚含まれる確率です。色の違いは手札交換の数です。横軸が1のところは上と同じですね。札交換なしの場合、当然ですが8枚あれば100%です。2枚あれば札交換なしでも2回に1回くらいは1T目から切れます。

2T目までに、とかだったら札交換と同じ手順で計算できます。
基本は「求めたい出来事のパターンの数」を「起こり得る全パターン数」で割れば求められます。自分の知りたい確率を計算してみてください。

本当は4T〆想定とかで計算するつもりでしたが力尽きました。いつかモチベが帰ってきたら追記する…かな…どうかな…
よくよく考えたら初期札は3枚ですからちょっと計算にコツが入りますが、次以降は

引きたい札の枚数 / まだ引いていない札の枚数

を掛け算していけばいいですね。不用意に式を一般化するよりよっぽどわかりやすいし実用的だと思います。

4. 終わりに

ノリで書きましたが数学パートが思ったより長い。物好き向けになっちゃいましたね… またタイトル詐欺してる気がする。それと冒頭にも書きましたが間違いや不正確な記述がある可能性もあります。あんまり鵜呑みにしないでください。

もっと色々やるには同時確率とかがいるので、気が向いたら追記するかもしれません。また、このパターン計算してくれ、と言われたら追記するかも。あんま面倒そうならやらないですけど。コメント諸々はTwitter質問箱まで。間違い見つけた、とかも教えてもらえると助かります。

読んでくださった方ありがとうございます!
ではでは。

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