産業医の依頼が来たましたよ。からの<あのブドウはスッパイ>の話。その3

自分的には残念!な話の最終回です。
 

お困りの事例はおおかた把握できたように感じましたが、
肝心の取り組み本番はこれからです。
ほとんど面識のない、信頼関係のない方、(たぶん)メンタル課題の解決なんて興味もない方に、
<精神科産業医は泥臭く何をしていくのか>ということをわかったつもりになっていただき、
「めんどくさいことを言うやつだけど、任せて(→ここ大事)一緒にやってみるか」と思っていただかなくてはなりません。
 
提案書
―――――
事例1 
支援の目標
会社人事労務担当者、上司の本人の対応への迷いが軽減されること。
その結果、本人に回復への道筋とそのために必要な行動を明示し、安心して回復してもらえること。
その結果、本人が回復して十分な労務提供がなさせるようになること。
 
具体的対応方針
産業医と会社とで、国のガイドラインに準じて正式復職とその後の業務付与についてのルートを設定する。本人にも明示する。
正式復職とする前に、十分な労働提供が可能な状況まで回復しているかどうかを判断するための「リハビリ出社期間」(約1か月か)を設定する。
主治医からの復職可能の診断書が提出されたのちに、会社からの指示で「リハビリ出社」を実施し、そののちに正式に復職が可能かどうかの「復職判定会議」を持つ。
復職した後も一定期間は業務を軽減して付与する。業務負荷の軽減は数か月の期間をかけて徐々になくしていく。
産業医面接を定期的に行い、本人の状況を確認、会社としての対応を協議して進めていく。
 
 
事例2 
支援の目標
本人が自身の置かれた状況について理解し、より能力を発揮できるようになること。
上司から本人への対応方法の整理。
「言っても分かってもらえない」という上司の心理的負荷の軽減。
 
具体的対応方針
まず、本人の課題を検討し、労務問題と健康問題の切り分け、状況整理を行う。
上司からの本人への指導方針、具体的な支援の方策を準備する。
その上で、本人と上司と合同での対面での産業医面接を持ち、状況改善を指示するともに本人の動機づけを行う。
定期的に上司と本人と合同での産業医面接を行い、状況改善を評価する。
十分に本人が安定して労務提供が可能な状況となれば、産業医面接は卒業。
―――――
とまあ、文章をしたためて提案します。
 

でもね、私、自分でも気づいてるんです。
これって、本社は首都圏にあるんだから、
首都圏の豊富な人材から、同じ(ような)ことができる産業医を見つける方が、企業さんにとってはいいんです。
わざわざ遠方から私を呼ばなくっても。
それが合理的ってもんです。

 そして、私にとっても、
ただでさえ距離的にぎりぎりのところにある工場での契約なのに、
そこからさらに遠方の本社に1日かけて出向くなんてことは全く合理性を欠いています。

一応、スケベ心を出して<通常の訪問とは別の手当てを作ってくだされば行きますよ>とは提案してはみますが、、、

紹介会社からは「いたしません!」とのお達し。
 <ですよねー>
今回は破談となりました。

 
そりゃそうですなー
今回の会社も私に特別な力があるとは思わないでしょうし、
(実際、出来ることしかできないし)
紹介会社からしたら他の自分の持ち駒で対応できる状況だと気づいたでしょうから。
紹介会社でもうちょっと聞いて腑分けしてくれていたら、良かったのにねぇ。
 
 
あーあ。すんごい頭使って提案書も作ったけど、ただ働き。
いいんです。どうせあのブドウはスッパイんだ。

でも頭をフルに使って勉強にはなったぞ。
これも修行でしょう。
せめて私がどんな風に取り組んでいこうとするのかを見せるネタにしてやろう、なのでした。
 
この項ここまで。

産業医の依頼が来ましたよ。からの<あのブドウはスッパイ>の話。
その1
https://note.com/modern_serval857/n/nc06f95b1495f
その2
https://note.com/modern_serval857/n/ne06c99021d93
その3
https://note.com/modern_serval857/n/n425ceefd56a0

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