【今日の名言03】俺はさ、ラーメン屋に入って「ラーメンとビール」といえる金があればいいわけ。
日本のロックシーンを変えた、いや、日本のロックの新しい世界を見せてくれたバンドTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT(ミッシェル・ガン・エレファント)のヴォーカル&ギター・チバユウスケの言葉。たしか、雑誌のインタビューで、バンドが売れていきているのにボロボロのコンバースを履いていたチバに、インタビュアーがお金について質問した答えがこれだった。(記憶が間違っていたら、すみません)
当時のわたしは美大をでて著名なアーティストのアシスタントになったもののケンカして辞め、アルバイトをして食いつないでいて(まあ、いまも似たようなもんだけど…)。当然、お金がなくて、楽しく生きているけど贅沢はできない。そんなときに出会ったのが、この言葉。
むちゃくちゃシビレた。いつものものを食べられるお金さえあれば、人生はそれなりに楽しいよ。大好きなミュージシャンからそう言われた気がして、漠然ともっていた不安もスッと晴れていったのを覚えている。
ミッシェルと出会ったのは、『ロッキング・オン・ジャパン』。デビューしたアーティストを紹介する1見開きの記事で、見た目も、口にする言葉も、新人とは思えないふてぶてしさと色気があった。さっそく音を聴いたらむちゃくちゃカッコよくてね、で、ライブに行ったら、さらにカッコよくてどハマり。ファンクラブに入って、関西のライブは行きまくって、テレビに出たらビデオに録画して、インタビューが掲載されている雑誌を買って…。青春という時期があるのならば、ミッシェルは確実にわたしの青春のひとつだった。
その青春の集大成ともいえるのが、2000年のフジロック。2日目のグリーンステージのトリにミッシェルが立って、日本のロックバンドがフジロックのトリをまかされるとこ、そのバンドがデビューのころから観てきた大好きなバンドであること。ファン冥利に尽きるライブとはこのことで、「世界の終わり」が鳴りはじめたら泣けて泣けてしかたなかった。あのとき、終わるころに雨が降ってきて“涙雨だなぁ”って思ったよ。
だからこそ、ミッシェルの解散でチバへの想いは一旦、閉じてしまった。ROSSOもThe Birthdayもかっこいいけど自分の中ではうまく消化できなくて、ミッシェルみたいに熱心に追うことはなくなっていった。
だからといって、チバがわたしのロックアイドルでなくなったわけではない。フジロックなどのフェスにThe Birthdayが出演したら観に行っていたし、ライブをみたら“相変わらずカッコええ”と思っていた。
とくにコロナ禍で行われた2021年のフジロックは個人的にグッとくるライブで、淡々としているようで熱くて、鋭くて、あたたかくて。日本のロックシーンっていいなぁって改めて感じたりしていた。
フジロックでのチバとの思い出はいくつもあるけど、一番印象的なのは2000年。メンバーたちが会場内でビールを飲んでいるところに遭遇したけど、わたしは恐くて近づけなくて…。それを見た友人が「一生、逢えないかもしれないよ!」と背中を押してくれ、緊張でガチガチになりながら「チバさん、サインください」って近づいたら「いいよー」って気軽に、ちゃんとしたサインを書いてくれた。実はその後に何回も遭遇して、サインもいくつかもっているけど、あのときの興奮と喜びは唯一無二。今も宝ものとして大切にしてある。
そんな、チバが死んだ。
あの、口の端を上げながら、少しいじわるそうに、照れくさそうに笑うあの顔はこの世にいないのだそうだ。
昨日、その知らせを受けたときは、まったく受け入れられなくて、ただぼぉーとしていた。お風呂に入っても、ご飯を食べていても実感がなくて、意外と泣けないもんだなと思った。
でもさ、今日の大阪はとってもいい天気でね。自転車で出勤していたら、目の前に雲ひとつない青空が広がっていてさ。「ああ、この青空を見るチバはもういないんだな」と思ったら、涙が止まらなくなった。次から次へとアホみたいに涙がでてきた。
もっと生きたかったよね、
もっと音楽をしたかったよね、チバ。
わたしも、あんたの音楽をもっと聴きたかったよ。
なんで、そんなにサッサとステージからいなくなるんだよ。
なんなんだよっ!
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感情的で支離滅裂ですが、とりあえず吐き出さないとしんどいので書きなぐりました。(しんどいので読み返していません)
失礼な表現がありましたら申し訳ありません。
最後になりましたが、チバユウスケさんのご冥福を心よりお祈りいたします。