なおちゃんが立候補?
娘が保育園の時、仲良しだった、なおちゃんが選挙に立候補すると聞いて、応援する会に行ってきた。
なおちゃんは、優しい子だった。
娘が恥ずかしそうにしているとき、そばに寄ってきて、
「Jちゃん、Jちゃん、どうしたの?」と声をかけてくれた。
反面、面白いところもある。
娘のお誕生会をしたとき、我が家は服に無頓着なので娘はいつもと同じ服着ていたのに、なおちゃんは薄い青のドレスを着てきて、一人で踊って浮いていた。
なおちゃんは、ある団体から出るので、この会がその関連であることは承知の上である。
私は基本、ノンポリなのだが、
今の日本の状況はあまりに危うい、この状況を引き止めるためには、
何かできることをしよう、なおちゃんを応援する会だったら出てもいいという思いで、この会に参加することにしたのだ。
行ってみたら、10人余りの会で、私と同年輩の人ばかり。想像はしていたが、矢張り若い人はいない。
会の始めに、なおちゃんの紹介があって、高校で社会科の教師をしていたが、授業をしているだけでは何も変わらないと思い、高校の教師を辞めて県議選に出ることにしたのだという。
そして、参加者がそれぞれ自己紹介することになったのだが、皆さんの話が生活感とエネルギーにあふれていて楽しかった。
「子と同居するために東京に引っ越したら、ワクチン接種に行くと500円の買物券がもらえるの。東京はお金があるよ。」
「ここは、雨が降ればぐちゃぐちゃになるところだった。引っ越してくるのが嫌だったのに、嫁の言うことなんか何も聞いてもらえない。
いつ、家を出て行こうかと思っていたのに、ずっと来ちゃった。今日も、何かの縁で来ちゃった。」
「お父さんが勤めているうちは、会社から言われて与党のビラ貼りをやっていた。でも、お父さんが会社定年で辞めたので、今は、ここのビラ貼りしている。会社の人からは、あの母ちゃん、どうしたんだと言われてるけど、気にしないね。」
「若い人がね、学校辞めてまで、こうやって立候補してくれるなんて嬉しいね。」
「私の孫が、なおちゃんが先生だった高校に行っていて、優しい先生だったと言っている。だから応援するの。」
「学童保育がなくて苦労した。市に何度も交渉に行ったけど相手にされない。
見かねて、知り合いの建設会社さんが、
「土地が何とかなれば、プレハブ建ててあげるよ」と言ってくれたけど、
土地なんかない。
でも、そんなことしていたら市長さんに話聞いてもらえることになって、変わった。
こうやって変わっていくんだなって思ったよ。」
そして私の番。
「私はノンポリです。でも、今の状況はあまりにひどすぎる。社会の分断が進む一方で、戦争の準備をしている。
ウクライナを見れば、戦争だけは絶対にしてはいけないと思うのに、国会を見れば与党はやりたい放題、そして野党が機能していない。
子供や孫に、戦争をするような社会だけは手渡してはいけない。
だから、皆さんが県議会で議席を確保することは大事だと思います。そう思って、なおちゃんの応援に来ました」
家に帰る道すがら考えた。今日の会は熱い会だった。熱い会だったけど、年寄りばかり。若い人はいなかった。
若い人は、そんな所に顔出す余裕なんてないと言うんだろう。
でもそういう若い人たちを非難することはできない、
こういう社会を作ってきたのは私たちなのだから。
揶揄したり冷笑したりする人は多い。その方が格好よく見えるのだろう。
でも、それは違うよね。社会から教え込まれたことを鵜呑みにして、そのなかで出世したり、羽振りをよくしたりしても、所詮、踊らされているにすぎない。
それは、自分がないということだ。
それよりも、自分にこだわって、自分の感性を大事にして生きていく方が格好いいよと伝えたい。
ふざけるな! と叫べ。
俺は俺だ! と叫んでいい!
やっぱりね、「自分は生きた、自分だけの生を生きた」と、みんなが言える社会の方がいいと思うんだ。