見出し画像

【自作紹介】戦いの場は、ライト文芸というよく分からないジャンルへ。日進月歩の成長期。

 小説投稿サイトに作品を出すからには読まれたい。
 たぶん誰でもそう思うものではないでしょうか。

 さて私はというと、執筆を始めた2018年の年末ころはほとんどそういう欲求がありませんでした。
 しかしながら、アメーバブログがあまりにも反応がなくて(笑)、さすがにもうちょっとどうにかならんのか? と考え始めたのもちょうどこの頃でした。
 この段階になって、ようやくこの世界に「小説投稿サイト」なるものが存在していたことに気づくのです(遅い)

※実話です

 そこで、「小説投稿サイト」→検索→ぽちっとな、という感じで投稿先として四つのサイトを候補にあげました。

①野いちご
②エブリスタ
③カクヨム
④アルファポリス

※あれっすよ。選定基準はめちゃめちゃ適当です。目についたものを選んで見てみただけ。

 〇野いちごを閲覧しての感想。

 女性向けのサイトっぽいし、作品の傾向が甘々なイメージ。自作品とはジャンル違うかなこれは。
 サイトの見た目は結構華やか。
 投稿作品をざっと見てみると、字下げしてない人が多くて読みづらい。一ページの文字数も少なすぎる? 私はがっつり長文書きたいタイプなので、これはしんどいかも。
 明らかにケータイ小説の流れを引きずってる雰囲気が合わず、また、あまりにも畑違いと感じてNG。

※感想はサラっと見たイメージなので、実情と異なってる可能性は大いに有ります。

 〇エブリスタを閲覧しての感想。

 綺麗な表紙がついている作品多い。サイト全体の見た目は華やか。
 作品ページは、やや情報が見づらい印象。
 行間をやたらと空けてる人が多いイメージ。一話の文字数は、野いちご同様少ない。がっつり長文書きたい人なので以下略。

 とはいえ、ここまではそんなに悪い印象なかった。
 なので、登録して作品載せようとしてみました。ところが、

 ……「投稿の仕方がわからない!!」

 もうね、何度ページの中を探し回っても、どこからどうやって投稿するのか見えてこない。
 調べるのも面倒なので、そのままサヨウナラ。

※まあ、結局使うことになるんですけどね

 〇カクヨムを閲覧しての感想。

 色の付いたタイトル文字、綺麗。
 作品に表紙付けられないのかな? 全体的にトップページが殺風景な印象。
 ……というか、文字しかない!? 華が足りない、とやや敬遠ムードに。
 作品を読んだ感じでは、行間きつきつ文字詰め詰めの人がそこそこ居たので、自分の作風に合致するかも?

 ところが、ここで致命的な問題点が。
 作品ページに無駄な情報が多く、どこに何があるのか一見でわかりづらい。
 あらすじはどこ? 作者名はどれ? 第一話はどこ? 下に並んでる文字はこの作品の情報? それとも、別作品のもの? もう何がなんだかわからない。
 ……という訳でサヨウナラ。妙なところでストレス溜めたくないもんね。

※今はさすがに慣れました。けど、情報がごちゃごちゃしているイメージは今も変わらないかな

 〇アルファポリスを閲覧しての感想。

 トップページは絵がチカチカして目にうるさいけど、華があっていいかな。
 ジャンル別で作品を探し易いし、作品ページはここまでで一番見やすい。
 作者ごとの作品も探しやすい。
 ただし──丸みを帯びたフォントと横書きでしか閲覧できないのが、吐いて戻すほど嫌い。

 ……どうしよう。

 と思ったそのとき、スマホアプリの存在に気付きます。
 試しにインストールしてみたらこれがもう最高! 明朝体縦書きで読める時点で大歓喜。
 じゃあ……と登録して使ってみたところ、投稿のし易さはエブリスタとは雲泥の差でわかり易い。
 こうして、ウェブ閲覧の弱さに不満を抱きつつも、アルファポリスで活動を始めることになったのです。

※うん。思えばこれが、運命の出会いでしたね

 というわけで前フリおしまい。ここから、恋愛文芸のあとで手掛けたライト文芸作品を、みっつ連続で紹介していきます。

①作品名
②ジャンル
③文字数。改稿による変遷を含めて
④初稿を書いた時期
⑤投稿サイト ※ 2023年七月現在の投稿場所です。当時の話とは異なります。
⑥あらすじ、簡単な紹介など

 の順で情報を羅列していきますね。


冴えない俺と、ミライから来たあの娘

①冴えない俺と、ミライから来たあの娘
②ライト文芸 ⇒ 現代文学
③52000 ⇒ 99092
④2019年一月
⑤アルファポリス、小説家になろう、ノベルアッププラス、カクヨム、エブリスタ
⑥……二十五年間彼女ナシ。文字通り冴えないサラリーマン秋葉悟(あきばさとる)の元に、ある日、葛見千花(くずみちか)と名乗る女子高生が現れる。彼女は、未来からやってきたあなたの娘です、アパートに一週間だけ泊めて欲しいと彼に願い出るのだが……?

 ここまでずっと学生を主人公にした恋愛モノばかりを手掛けてきた為、成人男性を主人公にした大人の恋愛、またはヒューマンドラマを書きたいと考え、執筆した作品です。
 当初のプロットでは、危機に陥った父親を救うため未来から来た娘、という予定でしたが、数話書いた時点で、純粋に日常を描ききる作品へとシフトします。……というか、怠惰な父親を見かねてお節介を焼く娘を描くうちに、極々自然にそうなりました。
 主題は切ない別れであり報われない恋心。
 表向きの主人公である秋葉と、真の主人公である千花の視点を交互に演出する必要があったため、三人称一視点を使っています。
 娘の滞在期間が一週間であること。プロローグで別れのシーンを演出していること。自ずと物語の骨組みはできあがっていたため、一日目はこんなイベント、二日目はこんなイベント~……と、悩むこともなく筆が進み、あっという間に書き切りました。
 不幸ではない。けれど、そこに望んでいた甘い蜜もない。この辺りの匙加減が、凄くよくできた作品になったと思います。

 自分でも書き終えてすぐに、「あ、これ好き」と感じました。

 また、当時初稿を掲載したアルファポリスさんで、初めて感想を貰えた作品となりました。その後も、ブックマークの数こそ大して伸びないのですが、不思議と感想が寄せられる作品となりました。
 なにか特定の層に、深く刺さる要素があったんでしょう。

 ……と、ここまでは良い話なのですが、同時に、どこが「良くないか」、「物足りないか」も自分で理解していました。

 今はまだ、どう直してよいか分からない。
 でも、それが分かる日が来たら、絶対にこの作品はリメイクして完全なものにしよう。そう思ったものです。

※現在は、このとき感じた欠点にテコ入れを行ってだいぶよくなっています。平坦な物語ではありますが、たぶん自作中で一番切ないやつ

咲夜。人の寿命が見える私の話。

①咲夜。人の寿命が見える私の話。
②ライト文芸
③152000 → 232000
④2019年二月
⑤アルファポリス、小説家になろう、ノベルアッププラス、カクヨム
⑥……他人の寿命が見えるという特殊な能力を持つ女子高生、加護咲夜(かごさくや)は、小学生の頃、とある人物の寿命が一年と知りつつ見過ごしたことをトラウマとして抱えていた。
 成り行きで文芸部に入った彼女は、ある日、同じ部の先輩である今泉京(いまいずみきょう)の寿命が一年に変化している事実に気が付く。ここから、死の運命を覆すための、二人の挑戦が始まった。

 この当時目にしていた小説。「か「」く「」し「」ご「」と」住野よる先生著や、「アオハルポイント」佐野徹夜先生著、などの作品からヒントを得て、他人の寿命が見える主人公の視点で書いた作品。実際、こういった設定は、さほど目新しくないようですけどね (苦笑)
 章立てをして、細かく事件を繋いでいく物語。恐らくは、初めてアルファポリスさんのホットランキングに載った作品。ジャンル別の日間ランキングでも、投稿から数日後に一位を獲得。感想も、前作に続いてもらえてました。
 とにかく反応を得られているのが嬉しくて、やってはいけない致命的な失敗を犯します。

 いわゆる「自転車操業」

 書きためていたストックをあっと言う間に使い切り、それでも、急いたように投稿を続けます。書いては載せて、書いては載せる……。展開に多少不満があっても、「まあ、こんなもんだろう」と自分を納得させてまた載せる。

 結果。
 十五万文字という自身で最長の物語となり、結末も綺麗なハッピーエンド。ここまではいい話なのですが、中盤に何話か致命的によくない話が残ってしまいました。
 良いと悪いが混在した、長いだけの問題作となってしまったのです。
 この時感じた後悔が、設定の掘り下げと中盤の改稿、タイトルの変更も行った「咲夜。人の寿命が見える私と、来年までに死ぬ彼の話。」への大改稿をする切っかけとなりました。

あの日見た空の色も青かった

①あの日見た空の色も青かった
②ライト文芸 
③82000 ⇒ 111759
④2019年三月
⑤アルファポリス、小説家になろう、ノベルアッププラス、エブリスタ
⑥……重大なバス事故を起こして会社を退職した逢坂部賢悟(おおさかべけんご)は、療養のために訪れた岩手県の景勝地浄土ヶ浜じょうどがはまで、白木沢帆夏(しらきさわほのか)という少女と出会う。
 何故か逢坂部につき纏う彼女に案内されるまま、母親の実家が経営しているという民宿で宿泊することになった彼は、次第に彼女との関連性や意外な真実に気が付いていく……。

 前作が自転車操業で破綻しただけに、一転、しっかりと設定を練り上げて書いた作品です。浄土ヶ浜周辺の地形。集落の場所。年代の設定。調べなくてはならない点は多くありました。
 また、結末に至るトリックをしっかりと固めてから執筆に入ったので、中盤以降は面白いように筆が走りましたが、プロローグから中盤までは逆に苦心しました。
 登場人物が少なすぎる影響もあり、軌道に乗るまで、物語が転がってくれなかったのですね。
 悩みながら、それでも比較的順調に執筆が進みます。目標だった十万文字には届かなかったものの、この段階で間違いなく「最高傑作だ」と言えるタイトルになりました。
 
※結末について、何度も試行錯誤をした作品でもありました。バッドエンドからハッピーエンドへ。そこから再びバッドエンドへ。
 好きな作品ではあるのですが、舞台設定が平成初期と古めなのもあって、もう戦う力はないかなーと今は思っています。
 かつての自信作だったのに落ちぶれたものですが(苦笑)、まあ普通に面白いとは思いますよ。  

 次回の作品紹介は、一転してスランプに陥っていく過程を書こうかな、と思います。

いいなと思ったら応援しよう!