
コックリングの話
これは、コックリングに関する、壮絶なストーリー。
(?)
37くらいだったか、僕はその頃、性欲がすごく高まっていた。
人生とは不思議なもので、性欲にも波があって、新たな冒険をしてみたいときがある。
楽天で、パンツを買おうとサイトを見ていたら、そこに、リングが関連商品として挙がった。
コックリング!?
その、単なる◯に、得も言われぬ欲望が湧いた。
…つけてみたい…と。
パンツと一緒に数百円だったから、買ってみた。
そのリングはゴム製で伸縮性があると思いきや、思いのほか窮屈で、着けるのにも難儀した。
なんせ、リングなど初体験。
なんとか、着けてみると、妙に高ぶるものがあり、自慰行為をした。
射精する瞬間、いつもより遅延して出る感じがあった。
事後、悪戦苦闘しながら、リングを外した。
その2.3日後、大変なことになるとも知らず、その日は終わった。
しばらくすると、股間が痛いのがわかった。
明らかに、痛い。
おかしい。
会社で座っていると、痛みが止まらなくて、座っていられない。
とはいえ、歩いていても痛い。
日に日に痛みが増していき、これはおかしい、と思い、熱を測ってみると37.5℃を越えていた。
休みが来るまでなんとか持ちこたえ、1日寝てみたものの、悪化していっているのがわかった。
どうしよう、どうしよう、今日は日曜日…
耐えるか、いや、耐えても悪くなってる…
でも、股間が痛いなんて言えない…
もう、神頼みレベルだったが、意を決して休日外来がある大きい病院へ行った。
看護師さんに、問診される。
もう、嘘をついてもしょうがない、リングをつけて自慰行為したことを告白した。
看護師さんは、わかりました、くらいで、後はいつ頃から?とか、痛みは10段階でいうとどれくらい?とか、ちゃっちゃと話を進める。
(もう、こんな症状で休日受診してごめんなさい)
さすがに休日だけあって、かなり待たされ、いよいよドクターが来た。
わー、研修医っぽい…
寝台に横になり、ズボンとパンツを下げられ、股間のエコーを撮られた。
「血流は保たれてますね。精巣捻転とかもなさそうですね。うーん、精巣上体炎ですかね。お薬出しておきますね」
ひゃー。
精巣上体炎…
そりゃ、熱も出るか…
そして、若い賢そうなやさしめイケメン研修医に、股間を診察される屈辱を味わいながらも、なんとかこれでなる、と思った。
「僕、専門じゃないので、早めに泌尿器科にかかってくださいね」
ガーン。
そっか、そうだよね、泌尿器の先生がたまたまいるわけではないよね、と。
その日は、帰って早速薬を飲んで、ただただ、休んだ。
翌日、月曜日、半休をもらい、あさイチで泌尿器科を受診した。
お、おじさん先生だ。
ホッとした。
やさしそうなおじさん先生。
寝台に横になり、また診察を受けた。
(連日、下半身を他人に見られる…)
「亀頭の色もいいし、壊死してる感じもないですね、精巣上体炎でいいと思います、薬を変えますが、それを飲んで様子を見てくださいね」
そう言われて、ホッとした。
診断が確定することは、本当に安心できる。
なんとなく、わからないままだと、本当に不安だから。
熱はまもなくして下がった。
しかし、股間の痛みは残っていた。
2週間後再診に行く。
先生に熱は下がったが痛みが強いことを伝えた。
もう2週間、薬を飲んでみましょう、とのことで、そこから2週間飲んでみたものの、痛みが引くどころか、お尻や太もも辺りまで痛みが広がり、もはや、生活に支障が出るレベルであった。
再診のとき、「前立腺炎になっているかもしれません、お薬を変えます」とのことで、前立腺炎の薬が出た。
前立腺炎…
調べたところ、なかなかハードな感じで、しかもその時点で1ヶ月くらい経っていて、コックリングなんて買わなきゃ良かった、と後悔し、毎日の仕事に支障が出ているものの気づかれないよう頑張っていた。
そこから2週間ごとに泌尿器科に通ったが、ちっとも良くなる気配がなく、グーグル先生で調べまくって、『骨盤痛症候群』なるものを見つけた。
もはや、痛みも30分も座っていると痛すぎて座っていられず、しかも、尿のしにくさ、尿もれすらするようになっていたし、歩き方もおかしくなっていたから、とにかく調べまくったら、症状と同じだった。
そこから、youtubeで調べ、ストレッチをしたり、骨盤矯正のようなものをしたら、痛みがどんどんと軽くなっていった。
泌尿器科の先生!!
薬じゃ全く治らなかったのが、なんとかなったよ!!
と言いに行くわけもなく、生活レベルが戻ったので、自己判断で通院終了とした。
よくよく思えば、股間が痛くなり、玉が太ももに当たる感覚が痛かったり、少しガニ股っぽくしないと痛みを軽減できなかったりして、変な歩き方になっていたのだ。
あ、これ、坐骨神経痛とか腰痛とかに近いやつだ!!と、あとからわかった。
そこから、股間の痛みはなくなったものの、寒い季節とか、わからないタイミングで軽く痛む時がある。
寝たら治るけど、これはもしかして、後遺症として一生残るやつだ…と、覚悟はしている。
神経障害性疼痛、なんだと思う。
コックリングは、勃起不全の人とかがつけたりするけれど(勃起を長持ちさせたかったりする意図もあるかもしれないが)、僕は、上記の経験ゆえ、本当におすすめしないし、もし使うのだとしたら、サイズ感をしっかり考えて、無理な装着はしないようにしてほしいと切に願う。
(僕の選定がミスってたのが致命的だっただけですが)
(コックリングって、好きな人は好きだから、ネットでサイズ感とかよく調べて買えばよかったな…)
過去いち、思想も思考も無いお話ですみません。
健康の話題、てやつですね。💧
泌尿器科はあまり詳しくないですが、ハメ外してお世話になることもある人もいるようなので、気をつけましょ。