#30 NHKマイルカップ【予想】

 今週は東京競馬場G1レース、NHKマイルカップ』が開催。3歳マイル王決定戦の名の下、マイル戦線の最前線を駆けてきた馬から、クラシック戦線半ばで大舵を切って臨む馬まで、実力馬が顔を揃える一戦。
 だた、その一方で過去10年の三連単の平均配当は35万オーバー波乱の傾向にあるレースとも言える。

 今回は①コース形態②馬場状態を分析し、出走各馬の適性を評価。戦績は当然ながら、ポテンシャルにも注目しつつ③直近10年の好走馬の傾向④展開予想を踏まえた上で好走を期待できる馬をピックアップしていきたいと思う。


予想

①コース形態

 東京・芝1,600mのスタート地点は2角出口付近。初角の3角まで約540mと、向こう正面直線を目一杯使えるレイアウトとなっている。
 またスタート直後は緩やかな下り坂となっており、各馬スピードに乗りやすい。その点で外枠発走の馬は若干ポジショニングの有利性で劣ると言える。
 向こう正面中間から上りに差し掛かり、その起伏を越えると坂を下りながら3角へと差し掛かる。ここまで二度の下り坂により、序盤から早いラップが踏まれる傾向にある。
 また、以降も3角~4角にかけて緩やかなコーナー設計になっており、息の入れ所が見つけにくいコースとなっている。

 序盤・中盤とタフなペースを刻んだ後、正面直線へと向かう。直線距離は525.9mと長い上に、その前半部には全長160m、高低差2mの坂が待ち構えている。
 坂を上り切ってからゴールまでは約300m。ここからは各馬の瞬発力が試される。
 
 その長さから直線勝負の印象がある東京競馬場だが、序盤・中盤で置かれない追走力スタミナも要求されるコースとなっている。

②馬場状態

 昨週の東京競馬場で開催されたレースを参照し、馬場の内外の状態馬場の時計状態を分析していく。
 まずは馬場の内外の状態から見ていこう。参考レースは日曜開催の9R『陣馬特別』と11R『スイートピーS』だ。
 レース映像からも内外で馬場の傷みには差異が無いように見える。ただ、上位好走馬には外目の進路を選択した傾向が見れる。差し込みを狙う際に
は、馬場の中~外へ持ち出せる位置取りが理想的だろう。

 次に馬場の時計状態を見ていこう。参考レースは土曜開催から6R『東京3歳1勝』、日曜開催から8R『東京4上2勝』とする。
 6R『東京3歳1勝』では600mの通過が36.0秒と前半からゆったりとしたペース。順当に4角付近からペースが上昇し、直線は瞬発力勝負となった。
 その展開の中、勝ち馬がハナ¹を切り上り¹ 34.8秒。上り最速は2着馬の34.1秒だった。
 8R『東京4上2勝』では600mの通過が35.5秒と比較的落ち着いたペース。ただ、レース中盤もラップに緩みを作れず、先団にはタフな展開。直線は差し競馬の様相と一変し、瞬発力とスピードに長けた馬の台頭が目立った。
 勝ち馬の上がりが33.1秒と最速。中団から差し脚を伸ばした2着馬が33.3秒と2位で続いた。
 上記の2レースにおいては条件が異なるものの、時計は33秒前半で使えることが分かる。週の中間で降雨があったことを考慮しても、同等の時計状態を想定していいだろう。

③直近10年の好走馬の傾向

 ここでは直近10年の開催における着順上位3頭の前走レースと距離設定を見ていこう。
 臨戦過程においては『ニュージーランドTトロフィー』と『アーリントンCカップ』からの出走馬が優勢。また、GⅠレースからの臨戦も好走率が高く、質の高いレースを経験してきた馬を順当に評価して妥当と言える。
 また、距離設定においては同距離、または距離短縮で臨む馬が優勢。距離延長で臨むことになる『ファルコンS』からの臨戦馬はやや軽視してもいいだろう。

④展開予想

 最後に展開予想をしていく。今回の出走メンバーにおいて、積極性を出して強みがあるのは ⑨キャプテンシー だろう。前走の『ニュージーランドT』ではハナに行き切れず、持ち味を発揮できなかった。そこで今回は ⑤キャプテンシー の逃げを前提に予想を立てていく。
 ~逃げ~
 続く形で内から ②ノーブルロジャー ④イフェオン が、外目からは⑪アレンジャー ⑰ユキノロイヤル が2番手を主張。
 ~先行~
 先団のインに潜る形で ⑤ボンドガール 続いて ⑦チャンネルトンネル 大外からは⑱アルセナール 。その後方 ⑭アスコリピチェーノ 、⑯ジャンタルマンタル が各馬の出を伺いながら追走。
 ~差し~
 中団の内には ①ダノンマッキンリー ③ディスペランツァ が追走。⑥ロジリオン は人気の両頭を見ながら、並んで外に ⑫ゴンバデカーブース。
 
後方勢 ⑧エンヤラヴフェイス ⑩ウォーターリヒト ⑬シュトラウス ⑮マスクオールウィン が追走。

 ⑨キャプテンシーはスタート課題さえクリアできれば、下り坂の勢いを借りながらハナを単騎で逃げられるだろう。
 自身の形に持ち込めれば600m通過34秒後半を目安に刻めると見ている。そうなれば、追走する各馬にはフラットなラップ構成にも対応できる追走力が求められる上、長い直線で前を捉える決め手のスピードが求められる。

推奨馬

 上記の予想を踏まえて推奨馬を発表したいと思う。

 ◎⑭アスコリピチェーノ
 ○⑯ジャンタルマンタル
 ▲⑫ゴンバデカーブース
 ▲⑥ロジリオン
 ☆⑨キャプテンシー

買い目構想

 今回の◎印着内堅実のイメージ。○印においては、三連系の馬券において軸を預けられる程の信頼は無く、今回は二連系の馬券に留めて勝負したい。
 5月4日(土曜)時点で⑭アスコリピチェーノの複勝オッズは1.2倍と軸馬券においても、ややオッズが足りない。そのため今回は【ワイド】のみで勝負することに。
 ◎-○~☆までに流して4点。この5頭での決着まで見込んで、回収率は120%~400%で期待できる。

おわりに

 以上で『NHKマイルカップ』の予想となります。G1レースながら波乱の多い一戦であり、本命党泣かせのレースとも名高い『NHKマイルカップ』。
 予想をする者としても、傾向に掴みどころが無く、それが難しさを助長している要因の一つかなと思います。

 最後にこの記事が参考になればスキフォローを是非よろしくお願いします。
 それでは、また次週『ヴィクトリアマイル』でお会いしましょう。村長の競馬ノートでした。

¹…隊列の先頭。
²…ゴールまでの残り600mのこと。


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