109. ふたりをツナグモノ
ソファのふたり
年末のある日の夜。ふたりでソファに腰をかけ、テレビをみていた。昭和の歌謡曲のイントロが流れると、歌詞がわかる芸能人がキャーキャー大騒ぎしながら、カラオケのように歌っている。昭和メドレーを聴きながら、なにも考えずに、まったりとした時間がゆっくり流れていく。
私は彼の左横に座った。ソファの上に上がり、向かいあわせになって彼に抱きつく。いつもの体勢。出逢った頃から変わらない。ソファで抱き合って、お話するのが大好きだ。
彼の足元に入り込み、ぬくぬくしている猫ように「くぅーん」「ふぅーん」と、か細い声で鳴いている私をみて「猫みたいだね」と彼は言った。
時折「チュー」と言ってキスを強請る。口を尖らせてくれて、軽くキスをする。まだ、ふたりがラブラブできるこの時間が大好きだ。
ソファは、ふたりをツナグモノ。
帰り道のふたり
いつもの駐車場に車を停めて、少し歩いて我が家へ向かう。ふたり並んで歩いていく、いつもの道。私が車道側を歩いていると「こっちに…」と言って私を歩道側へと誘導してくれる。優しいあなた。「当たり前でしょ」と言う。レディの扱いになれているのか、子どもみたいに心配されているのか。後者かな。そんなことを考えながら、我が家へ向かう幸せなひととき。
「そろそろ…」と言って、彼が自宅へ帰る時。「私も着いていく」と言って、上着を羽織る。駐車場まで一緒に歩く。
「だいすきなんだよ」
そう私は彼に言った。
「知ってる」
彼はそう答えた。
「愛してるんだからね」
更に私は言った。
「それも知ってる」
はいはいと彼は答えた。
全部、私のこと、知ってるよ、と
温かいオーラで包んでくれる。
受け止めてくれる。
受容=愛
なんて、包容力のある人なんだろう。
惚れちまうやないか。あ、既に惚れてた。狂おしいほど。
この帰り道は、ふたりをツナグところ。
ツムツムなふたり
LINEを毎日する。
昔のように、お昼ご飯の写真を送ることはしない。そんな時代はもう過ぎて。
かと言って、連絡だけとかじゃあ寂しくていられない。数時間、LINEしないだけでも、辛くて仕方がないから。
ふたりでツムツムをして遊んでいる。♡の送りあいっこをよくする。キャンペーンとか新ツムの話をする。こんな時間も繋がりも大切にしたい。
ツムツムしてる彼は、可愛くてしかたがない。
ツムツムは、ふたりをツナグ遊び。
また明日。おやすみなさい。
初めての方へ。